バロンド号修理
マルス達は王城を出ると、シルフィード号で飛空艇の場所に向かって飛んでいき、王都から次々と騎士隊が飛び出していく
『ルーセント師、伺いたいのだが・・・リベリアの英雄様がもし本当にキレて、殲滅を始めたら、この国はどのぐらい持つと思うか?』
重臣が考えてから聞く
『内緒にして貰えるなら、予測は伝えます』
ルーセントが考えてから言う
『他言しないと、約束しよう』
重臣が考えて言う
『先のキングオーガとの戦いで、オーガやゴブリンの大群を数万を焼き尽くしていました・・・たった3日で北の王国の領土の半分を焦土としてオーガが焼き払われ・・・もし・・・その気で国を滅ぼそうとしたら、この国は一晩で消し飛ばされると思います』
ルーセントが考えながら伝えると、余りの衝撃に重臣が口を開けている
『リベリアの英雄様を怒らせたら、終わりか・・・ある意味国王が野心を抱かなければ・・・平和な時代になるのだな・・・オルセント王国・・・セクラ王女様がリベリアの英雄様と仲が良ければ、敵対は国を滅ぼすと言うことが解った』
重臣が考えながら言う
『はぁ・・・セクラ王女様は、マルス様を好きに成りすぎて、逆に困っている・・・どうにか出来ませんか?』
ルーセントが頭を押さえながら言う
『お互い・・・平和な悩みですな・・・』
重臣が少し笑いながら言う
『平和ですか・・・その通りですが・・・頭が痛くなります』
ルーセントが苦笑いしている
マルスは、バロンド号の魔導炉と飛行石を直して、設置を始めると、リリシャが外装に紋様魔法と紋章魔法を書き込みをしている
『リリシャ、こっちは稼働準備終わったけど』
マルスがリリシャを見付けて言う
『外装は、1層だけど良いのかな?』
リリシャが微笑みながら聞く
『バロンド号は、暫く飛空艇工房で休んで貰うから良いよ・・・ホビッツ号を先に改造しよう』
マルスが笑顔で言う
『マルス、稼働して』
リリシャが微笑みながら言うと、マルスは管制室に入り、バロンドの結晶に手を振れながら
『我が名、マルスの名の元に、目覚めよ、バロンド』
マルスが魔力を流しながら言うと、結晶が輝いている
『誰だ? 眠い』
大きな白いバッファローが現れると、眠そうにしている
『このーーーー能天気!!』
シリウスが怒鳴る
『なんだ? ん? あんた誰だ? 弾き飛ばされたいか?』
バロンドがマルスを見て言う
『このーー!能天気!! 主様に向かって何を!!』
シリウスが怒鳴ると、バロンドがシリウスを見ている
『口煩い・・・見なかった事にするか・・・あんたが起こしたのか?』
バロンドが言うと、シリウスが怒鳴り続けているがバロンドが完全に無視している
『取り敢えず、応急処置しておいたから、確認してきてね』
マルスが笑顔で言う
『応急処置か・・・お前は誰だ!!』
バロンドがマルスを見て言う
『バロンドちゃん、その言い方ダメだーーよーー! 主様と呼ばないと、ダメよーーー!』
エスカが現れて、バロンドに言う
『エスカ様か・・・面倒だ・・・』
バロンドが嫌そうに言う
『バロンドちゃん!! 主様に挨拶は?』
『空を飛べるようにしてくれるなら、主様と呼ぼう』
バロンドが諦めたように言う
『早く確認してきてね』
マルスが笑顔で言うと、バロンドが消える
『魔導炉は、稼働できるのか? 飛行石も作り直したか・・・外装も直ってるな』
バロンドが現れて言う
『取り敢えず、魔導炉を稼働したら、宙に浮いて欲しいな。下側の外装を取り付け直すから』
マルスが笑顔で言うと、魔導炉を稼働させに向かい、稼働させると、バロンドが、飛行石を稼働させて、バロンド号が少し浮き上がる
『完璧だな・・・我が主様』
バロンドが頭を下げながら言う
『じゃあ、そのまま待機していてね』
マルスが笑顔で言うと、バロンドが不思議そうに見ている
『リリシャ、下側も取り付け直すよ』
マルスがリリシャ達の所に向かい、準備をしているリリシャに言う
『任せてくださいね』
リリシャが笑顔で言うと、みんなでモデリングを使い、外装を剥がして、新しい外装を取り付け始める
『我が主様・・・完璧な修理ありがとうございます』
バロンドが頭を下げながら言う
『応急処置だよ、改修はこれから準備してやるから』
マルスが軽く言うと、エスカが笑っている
『は? 紋章魔法と紋様魔法を使い強化してましたが・・・・』
バロンドが不思議そうに言う
『無駄だよーー主様は、すごーーい完璧主義者だから、この程度応急処置だよ! キャスちゃん見てごらん』
エスカがキャス号を指差して言う
『あれは・・・キャスか? 全く違うように見えるが・・・クーレセスとベアーズもいるのか?』
バロンドが空を浮かぶ飛空艇を見て言う
『バロンド号は、材料が揃ったら、本格的に改修するから、飛空艇工房で待っていてね』
マルスが笑顔で言う
『改修か・・・外装が強化されるなら、良いです』
バロンドがマルスを見て言う
『後で文句は受け付けないからね』
マルスが笑顔で言うと、エスカが笑っている
『勿論です。我が主様』
バロンドが言う
『マルス、次はホビッツ号に行きますよ』
リリシャが笑顔で言うと、リリシャ達は歩いていく
『バロンドもそのうち我が主の恐ろしさを思い知るだろう・・・過保護すぎる完璧主義者の恐ろしさを』
シリウスが呟くと、バロンドが不思議そうにマルスの後ろ姿を見ている




