賊引き渡し
翌朝、マルス達がバロンド号の外装を塞ぎ終わり、シルフィード号に乗り込むと、オルセント王国の騎士を監視に置いて、王都に飛んでいく
オルセント号が王都の城門に近付き、王城に向かうことを伝えて、オルセント号とシルフィード号が着陸する。マルス達とセクラ達が騎士の案内で王城に入っていく
『え! ななななっなにか御用ですか?』
国王が怯えながらセクラを見て聞く
『盗賊を引き渡しに来ました』
セクラが微笑みながら言うと、重臣達が慌てた様子で顔を見合わせている
『とととととっ盗賊!! ひぃーーーーーーー!!』
国王がキリシアと目が合うと悲鳴を上げる
『オルセント王国の騎士に預かって貰ってますけど、魔法結社ダークブラドーゼンって知ってますか?』
マルスが笑顔で聞く
『魔法結社? 知らないです・・・誰か知っているか?・・・』
重臣が慌てて言うと、重臣達を見渡している
『警備を担当させていた重臣は誰かな?』
マルスが笑顔で聞くと、重臣達は一人の男を見ている
『何か・・・』
男が青ざめている
『魔法結社ダークブラドーゼン、知ってますよね! もう全部バレてますよ』
マルスが微笑みながら言うと、重臣達が男を睨んでいる
『え!! そっそれは・・・』
男が後退りして言う
『知っているのか? 何故言わない!!』
重臣が男を見て言う
『言えないですよね。魔法結社ダークブラドーゼンに買収されていたら、飛空艇の護衛の兵士も派遣してませんよね? 横領ですか?』
マルスが睨みながら言うと、国王が男を見ている
『なっなっなっ何の証拠が有って聞く!!』
男が慌てて言うと、重臣達が落ち込み始める
『お前!! 国を潰すつもりか!! 早く謝らせて、処分しろ!! 早く!!』
国王が慌てて叫び、重臣達が苦笑いしている
『何が国を潰すつもりか!! 国王陛下こそ国を何だと思っている!! 魔法結社ダークブラドーゼンの世界征服に手を貸せば、国が繁栄するのは解るはずだ!!』
男が慌てて叫び、重臣達が男を見ている
『そうですね! だけど、その前に魔法結社ダークブラドーゼンが誰に喧嘩売ったか知ってますか?』
キリシアが笑顔で言う
『は? 何故・・・まさか!!』
男が後退りしている
『クライドルト王国の魔法学院と宮廷魔術師誘拐未遂をしておいて、ただで済むのかなーーー? あれれ、その場にバゼルノアス王国の王女様もいたなーーー! 私達の弟子や友達に手を出したら、どうなるかなーー!』
キリシアが笑顔で睨みながら男に近付く
『え! ちょっとちょちょちょちょっと待ってください!! まさか・・・売られたのですか?』
男が震えながら言う
『どうするかな?』
キリシアが国王を睨む
『ひぃーーーーーーー!! おおおおおお許しを!! 早く処分しろ!!』
国王が慌てて叫び、玉座から滑り落ちて震えている
『処分? 違いますよね? 魔法結社の支部と拠点を全部叩き潰せ!! この証拠で文句有るか!!』
キリシアが怒鳴ると、書類の束を投げ付け、重臣が慌てて、読み始める
『馬鹿な・・・盗賊行為・・・それもアーメリア教会の秘宝も計画に・・・これは先日襲われた伯爵家の宝だ!! 国王陛下!!』
重臣が慌てて読んで国王に言うと、他の重臣達も書類を見て震えている
『終わった・・・』
男が座り込み放心状態で泣いている
『さっさと始めろ!! 一人も逃すな!!』
キリシアが大声で怒鳴る
『はい・・・』
重臣が条件反射で言うと、国王を見ている
『・・・・』
『国王陛下!! 気絶している・・・兎に角すぐに騎士を派遣して、拠点を全部強襲するぞ!!一人も逃すな!!』
重臣が大声で言うと、重臣達が出ていく
『飛空艇の修理してますから、数日後、訪ねてくるまでに捕らえておいてくださいね』
マルスが笑顔で言う
『1つだけ、もし魔法結社ダークブラドーゼン側に付いたら、どうするつもりでしたか?』
重臣が申し訳なさそうに聞く
『オルフェスタ・ガゼルド王国の公爵軍が何に怯えているか、調べてね』
マルスが笑顔で言うと、みんな笑い始める
『マルス様は、優しいから滅多に怒りませんが、怒ったら1国が簡単に滅びます。半年前にも1国滅びましたよね?』
セクラが嬉しそうに説明を始めると、重臣が頭を抱えている
(噂の大戦がリベリアの英雄様が絡んでいたのか!! 勝てる訳無い!! 滅ぼすよりも蹂躙も簡単だろう!! 世界征服したいなら、簡単に出来るのか? その前に同盟国全部一気に相手なんて不可能だ!!)
『折角お仕置きに来たのに寝ているから、起きたら伝えてね! 数日以内に拠点潰してなかったら、お仕置きだ!!』
キリシアが大声で怒鳴ると、残っている重臣が国王を見ている。ルーセントが頭を押さえている
(やっぱり、脅している!! セクラ様も一緒になって面白がっている!! 国王陛下になんて報告をしたら・・・師匠監視はしてください!!)
 




