オルフェスタ・ガゼルト王国で買い物
数日後、マルス達はオルフェスタ・ガゼルドの王都に戻り、マルスとエミールとケニスがセクラ達と共に王城に向かう
『リベリアの英雄様、公爵軍は完全に降伏しました。本当にありがとう御座います』
国王が笑顔で言い、詳しく説明をしてくれると、セクラとルーセントが安心したように聞いている
『魔法練習は、約束通り秘密にしてくださいね』
マルスが笑顔で言う
『勿論です。あんな魔法が有るなんて、言えません・・・あの穴は神々の怒りの大穴として伝承します』
国王が真剣に説明している
(あんな魔法が有るのが解ると、大変な事になりそうだが・・・リベリアの英雄様を怒らせたら終わりだ)
『あ! 食料等そろそろ用意出来ましたよね、内戦も無くなったし』
マルスが笑顔で言う
『え! すぐに城外に準備させます・・・もしかして、その為に警告を・・・』
国王が青ざめている
『御想像にお任せします』
マルスが笑顔で言うと、国王が苦笑いしている
(これは言ったら、公爵達が泣き崩れるぞ・・・食料が欲しいから、内戦を終らせたなんて・・・公爵軍の食料を全部リベリアの英雄様が買ったなんて・・・商人にも言えない・・・)
『ルーセント様、後の始末はよろしくお願いします』
マルスが笑顔で言う
『え! 何故だ!!』
ルーセントが慌てている
『自分達は、ここにはいませんからーーあ!降伏勧告もセクラ様の名前でしてましたよね? あれれ、オルセント王国が戦ったと言うことだ!』
マルスが笑顔で言う
『は? ・・・それは・・・』
ルーセントが青ざめている
『マルス様、全部オルフェスタ・ガゼルド国王陛下に押し付けます。内戦が早く終わって良かったですね』
セクラが笑顔で言うと、ルーセントが国王を見ている
『後始末はしておきます・・・ルーセント殿少し相談を』
国王が苦笑いして言う
『セクラ様の用事は終ったのかな? 魔工王国に向かいましょう』
マルスが笑顔で言う
『はい! マルス様』
セクラが嬉しそうに言う
『セクラ様!! マルス殿を優先しすぎです!』
ルーセントが慌てて言う
『早く魔工王国に行きたかったから、用事を終らせたのに、ダメなのですか?』
セクラが笑顔で言うと、国王が頭を抱え始める
(今、言った!! 魔工王国に行きたいから、用事を早く終らせたと! 重臣が知ったら、怒るぞ・・・国民は喜ぶか・・・内戦を回避出来たのだから・・・死者は処刑された人だけなんて・・・)
『セクラ様、少しは冷静な判断をお願いします。本当の事でも、言ってはダメです。 今回の件の後始末も大変な事になりかねないと思ってください』
ルーセントがセクラを見詰めて言う
『良かったですね。オルセント王国も復興に必要な交易相手が内戦にならなくて、本当に良かったですね』
マルスが笑顔で言う
『え! あ!! はい! そうです! オルフェスタ・ガゼルド王国が混乱したら、オルセント王国も大変な事になります!! まさか・・・マルス様はそこまで考えていたのですか?』
セクラが満面の笑顔で言う
『思い付きですが、ルーセント様は、後始末頑張ってくださいね。オルセント王国とオルフェスタ・ガゼルド王国の利益になるように』
マルスが笑顔で言う
『え! 利益になるように・・・』
ルーセントが苦笑いしている
『マルス様、色々気遣って貰い、ありがとう御座います。御兄様にも伝えて頑張って貰います』
セクラが笑顔で言う
『はぁ・・・目の前で言う事なのですか?』
国王が呆れ気味に言う
『面倒なので、良いですよね? プライドが邪魔しなくて良いですから、食料を早く買い取って次に行きたいですから、ルーセント様も早く話を終らせてくださいね』
『これが、英雄殿か・・・噂に聞く完全な丸投げか・・・』
国王が呆れて呟くと、ルーセントと話し合いを始める
マルス達は王都の外に向かい、騎士と商人が運んで集めている物資の近くにキャス号が着陸して、搬入準備を始める
『英雄様、こちらが目録です』
重臣が笑顔で言うと、マルスが読み始めて、エミールにも確認して貰う
『マルス師匠、順番に運び込みます』
エミールが笑顔で言うと、エレーヌとアニーに食料を数えてもらいながら、みんなで浮かせて運び込んでいく
『マルス様、商人が話したいそうです』
セクラが笑顔で商人を連れてくると、商人が丁寧に挨拶をしてくる
『何か必要な物が有ったのですか?』
マルスが商人を観察しながら聞く
『これだけの物資を購入して頂いた御礼を言いたかっただけです』
商人が笑みを浮かべて言う
『余分な食料でしょうから、買い取っただけです』
マルスが商人を見ながら言う
『え! ・・・どこに運ぶのでしょうか?』
商人が考えながら、マルスを見据えて聞く
『ドワーグニの町にあげるつもりです』
『ドワーグニ!! ・・・町が壊滅したのは、本当でしょうか?』
『オーガに滅ぼされそうになっていたよ。復興にはかなり時間がかかると思うけど・・・』
マルスが考えている
『もし・・・ドワーフ達の工芸品や武器が手に入るなら、是非我が国にも運んで貰えませんか? いくらでも買い取らさせて貰います』
商人が頭を下げて言う
『面倒だから、気が向いたらね』
マルスが嫌そうに言う
『面倒だからですか・・・あ! 魔石はお持ちでは無いですか? 実はこの頃手に入らないで困ってます』
商人が慌てて言う
『魔石? 何故ですか?』
『一時期大量に手に入りましたが、急に少なくなって・・・在庫不足です』
商人がマルスを見て言う
『何故そんなに必要なのですか?』
『魔剣作成に沢山必要です。需要が有りますので』
商人が笑顔で言うと、マルスが考えている
魔剣か・・・そんなに沢山作成するのか? 戦争の武器作りかも・・・魔石を売らない方が良いのか? 様子を見た方が良いかな?
『エミール、大魔石が1個残っていたと思うから、持ってきて』
マルスが考えながら言うと、エミールが微笑みながら取りに向かい、商人が驚きながら見ている
『何か必要な物は御座いますか? 魔石を譲って貰えるなら、何でも用意します』
商人がマルスを見て聞く
『必要な物? そうだな・・・金属の屑が欲しいかな? 魔導具作製に失敗した金属で大丈夫だけど』
マルスが考えながら言う
『金属屑? そんなものゴミですが・・・言えばいくらでも譲って貰えます・・・』
商人が驚きながら言う
『よろしくお願いします』
マルスが笑顔で言うと、エミールが戻って来るのを待っている
『マルス師匠、これで良いですか?』
エミールが大魔石を持って戻ってくると、大魔石を商人に見せる
『大魔石を簡単に・・・金貨10枚で引き取らせて下さい』
商人が笑顔で言う
『金属屑よろしくね』
マルスが笑顔で言うと、商人が大魔石を受け取り帰っていく




