商会代理ミドル
翌日、商業ギルド長クラウスとグゼンとフローネとギレリムとラーケンとカセティと1人の男が訪ねてきた
部屋に入ってきた男を見て
『ミドル!!』
フローネは男を見て驚いていた
『お久しぶりです、師匠』
ミドルは挨拶をして頭を下げる
『ランプの商会の件ですが、このミドルに雑務を任せたいのですが』
『よろしくお願いします。魔法のランプの商会と聞いて是非やりたいと思っています』
『ミドル・・・』
フローネはミドルを見ている
『ミドルさん、よろしくお願いします』
フローネを見ながらリリシャが挨拶をする
『こちらこそ、よろしくお願いします。リリシャ様』
『商会の店の場所だが警備隊詰所の横の家が空き家なのでそこを押さえてある』
『詰所の横?』
『警備隊がいるから安全でしょう』
『隊員達が毎日顔を出してくれたらいいね。こっちも都合がいいよ』
『ランプはどのぐらい出来上がっていますか?』
『それなんですけど、魔法陣の改変が出来たので新しい魔法陣の魔石に替えるつもりです』
『え?改変・・・・そんなこと無理です。ご冗談を・・・』
『魔法陣の改変?まさか・・・』
ミドルとギレリムがそういうと
『ミドル、マルスはとんでもない事をやりますので、常識を捨てなさい』
『え?まさか本当に?』
『魔力制御充填型から魔力制御充填貯蔵型を作りました』
『まさか・・・』
ミドルは驚きの余り、言葉を失う
『今、効果の確認中です』
フローネが言うとエミールが机の上に置く
片方は消えかかり、片方はまだ点いている
『これが効果?長持ちすると言うことですか?』
『そういう事です』
フローネが言うと
『点灯時間が延びるのは良いことですね』
クラウスが言うとギレリムとラーケンとカセティとグゼンは頷く
『国には報告したのですか?』
『まだです。最近作ってしまったので・・・』
フローネは言うと
『国王に報告しましょう!』
『いいけど、魔力制御充填貯蔵型よりも魔力制御充填貯蔵構造強化の方がいいよね』
リリシャが言うと
『え?まさか・・・完成してしまったのですか?』
フローネが驚き、口を開けている
『マルスが夜中にいきなり付与魔法を使い、作ってしまいました』
リリシャが1枚の紙を出してフローネに渡す
『とんでもない事を・・・・・』
フローネの様子に周りは何の事かわからないでいる
『し、師匠・・・・これは?まさか本当に・・・・』
ミドルが言うと
『間違いなく、完成したのでしょうね』
『信じられません・・・』
『マルスだから仕方ないだろ!!ワハハハ』
ギレリムが言って笑い出す
『マルスだからと言うことにしましょう』
フローネも笑う
『マルスだから?』
ミドルとラーケンは意味がわからないでいると
『マルスだからですね、不可能な事をやってしまう事だと思ってください』
グゼンが説明する
『このランプの価値はどのくらいになるのですか?』
クラウスが言うと
『フローネ様のランプが20から30枚ですから、このランプは60枚以上ですね、この魔法陣のランプならば200枚ぐらいの価値になります、古代魔道具クラスです』
『は?そんなになるのか!ミドル!』
『おそらく、作成できる人がいませんので、そうなります』
『そうですね。希少性だったらそうですね。しかし残念ながら、この子達ならば材料が揃えばいくらでも増産するので。私のランプと同じ価値で良いと思いますよ』
フローネの言葉に
『まさか、そんなことは・・・1日に5個ぐらい作れると言うことですか?』
『いえ!この子達なら100個作るかもしれないですよ!ギレリムが用意出来ればの話ですが!』
『そんなことはあり得ない!』
『だから、マルスだからです!』
フローネは苦笑いしながら言うと、ミドルは頭を抱える
『国には報告するにしても、誰がやりますか?』
『バイルに任せる。面倒だから!』
『は?そんなことを・・・地位や名誉は要らないのですか?』
『冒険者に必要ない!』
キッパリ、キリシアが言うと、みんな顔が引きつる
『私の方で研究報告書は書くので、献上してきてもらえますか?クラウス』
『わかりました。バイルと相談してやっておきます』
クラウスが言うと、クラウスとグゼンは帰ることにする
『師匠、今日は驚き過ぎて疲れました』
ミドルが溜め息を吐き言う
『ミドル、私も驚きました。ミドルが来るとは思いもよりませんでしたよ』
『師匠が元気で、こんな弟子を持っているなんて』
『いえ!弟子では無いですよ。弟子はとりませんから』
フローネの言葉にミドルは落胆する
『やはり、まだリシリアの事を・・・・』
『ミドル!!』
『すいませんでした』
『ラーケン、アニーの採寸の前に、1つ頼みたいのだけど』
『なんだ?』
『馬具を作って!』
『馬具だと?どうするんだ?』
『付与魔法に使うから』
『は?なんだと!まさかあの革でか?勿体ない!!!』
『ラーケン諦めろ!この子達ならとんでもない物にするから!国宝級ばかり作り出すからな!』
『ギレリムどう言うことだ!国宝級だと!』
『目の前に沢山あるだろう?わからないのか?』
『なんだ?魔道具などわからん!フローネ教えろ!』
『そうですね・・・ミドルあなたが鑑定しなさい。出来るでしょ?』
『はい!出来ますがどれを?』
『この短剣は?』
光天の短剣を渡しミドルは鑑定しだし
『そんなことが・・・』
『どうした?』
フローネを見てフローネが頷くのを見て
『構造強化と光属性と体力回復と生命力強化が付加されています』
『それがどうした!』
『古代魔道具級の短剣です。絶対に作成は不可能です』
ミドルの言葉にラーケンは顔色を変える
『柄の刻印が証拠だ!俺が作成したからな』
ギレリムの言葉に
『まさか、本当に国宝級か?』
『国宝級を越えています。古代魔道具クラスですから・・・』
ミドルが言うとラーケンは苦笑いする
『馬具は売るか貸し出すから1つしか付加しないですよ』
『そうなのですか?』
『大変な金額になりますからね。警備隊に貸すつもりらしいですよ』
フローネの言葉にラーケンは
『馬具の魔道具を量産したらどうなる?』
『国王から依頼が入ると思いますよ』
フローネの言葉にラーケンは驚きの表情になる
『何故だ!』
『身体強化と体力回復と体力強化を付けた馬はどうなりますか?ミドル!』
『速く動けて、体力が上がり、体力が殆ど減らない?まさか・・・』
『その通りです。馬車を引く馬の休憩が少なくなり、長く動けるようになります。騎士団ならば、長い時間行動出来るので直ぐに欲しがるでしょうね』
フローネの言葉にラーケンとミドルは凄いことだと自覚する
『そんなものを簡単に作るのですか?』
『マルスだから!!』
キリシアの言葉に2人は溜め息を漏らす
『ミドルさんよろしくね。馬具の貸し出しも、出来上がったら警備隊隊長に話すし』
『え?私がですか?え?あ!商会を通して貸し出す?』
『そうですよ!よろしくね』
キリシアの言葉に戸惑いながらフローネを見る
『諦めなさい。もう逃げられませんよ』
フローネは微笑みながら言うと
『わかりました。この事は勿論ここだけの秘密にします』
ミドルはそう言って頭を下げる
『格好よりも実用性か・・・やるしか無いのだな!』
ラーケンも決心する
『ランプ作ったら、エミールを王都に送った後、アーメルドに寄って材料を集めましょうか?』
リリシャの言葉に
『そうだね。エミールを魔法学院に送ったら素材を集めよう』
キリシアが言い笑う
『また常識が無いのを広めないように、気をつけてください』
フローネも苦笑いする
『そうだね。ギルドカードも見せにくくなったからね』
『え?何をしたのですか?』
リリシャがギルドカードを見せて
『特別聴取者と拷問許可?公式の許可証!何をしたのですか?』
『ちょっと訓練ついでにマルスとミリアを襲った馬鹿者にお仕置きをしただけですよ。リリシャが悪乗りしたけど』
『あなた達の少しは信用出来ません』
『警備隊に聞いてください』
リリシャの言葉にフローネは嫌な予感しかしてなかった