ヒストリアと
翌朝、マルス達はシルフィード号に乗り込むと、王都に向けて飛んで行き、王都が見えてくると、門に近付く
『王城に向かいます』
ヒストリアが大声で言う
『連絡しておきます』
門番が大声で言うと、シルフィード号はゆっくり王城に向かって進み、王城の裏に着陸する
『メトリシア様、何か有りましたか?』
騎士団長が慌ててやってくる
『何か? 何言っているのですか!! すぐに御父様に会いに行きますよ』
メトリシアが言うと、足早に城に入っていくと、騎士団長が不安そうな顔をしている
(何が起きた? 北に飛んで行くのか?)
部屋に入ると、国王とヘルトが待っている
『メトリシア、何か有ったのか?』
ヘルトがメトリシアの様子を見て聞く
『ヘルト御兄様!! ヒストリア護衛役ですよね!』
メトリシアが大声で聞く
『そうだが何か?』
ヘルトが驚いて言う
『王家に仕官してません!! ヒストリアにお祖父様が護衛役と言っただけです!! 騎士団長、何故仕官させてないのですか!!』
メトリシアが大声で言うと、国王とヘルトが顔を見合わせてから、騎士団長を見ている
『え? 何を? 護衛役だよな?』
騎士団長が驚いている
『御父様・・・お小遣いはマルス師匠がくれてました・・・その・・・護衛役と言われたので、そうだと思ってましたけど、ケニスさんに聞いたら、契約結んでませんでした』
ヒストリアが申し訳なさそうに言う
『契約? してないのか? え? 誰が上官だ!!』
騎士団長が国王を見ている
『重臣だろうが・・・騎士団長か? 護衛騎士隊長か?』
国王が呟くと考えている
王妃とクレシアと前国王が入ってくる
『何か有ったのか?』
前国王が全員の様子を見て聞くと、ヘルトと騎士団長が説明していると、全員苦笑いして、ヒストリアを見てから、慌てて重臣を呼び出して、調べさせている
『結論から言いますが、ヒストリア様は、仕官してません・・・護衛役では無いです。 誰が手続きを忘れていたのか解りません』
重臣が調べた内容を言う
『これはどうしたら良いのか? 騎士団長なんとかせよ』
国王が頭を抱えて言う
『困ったな・・・ヒストリア、護衛役続けて欲しい・・・護衛役になって欲しいか?』
前国王が考え込んでいる
『これって、言葉だけで、ヒストリアは、行動していたの? ヒストリアに誰も命令出来ないの? 親が親だから仕方無いの?』
キリシアが笑いながら言う
『え! 護衛役は・・・護衛騎士がやるものだから、権限が無い・・・』
騎士団長が苦笑いしている
『未成年が護衛役の契約結ぶなら、親が一緒に契約書見るよね?』
マルスが笑顔で聞く
『それは・・・見てない』
騎士団長が苦笑いしている
『騎士団長は、ヒストリアを捨てたの?捨てられたヒストリアが可哀想』
キリシアが笑いながら言う
『すすすすっ捨てた!! 大事なヒストリアを捨てるなんて無い!!』
騎士団長が慌てて叫ぶ
『お小遣いも渡さず・・・マルスに全て養わせていたよね? 良いのかなーーー!』
『え! そそそそそそっそれは!! 知らなかったから』
『騎士団長は、ヒストリアに興味無いのね・・・ヒストリア可哀想』
キリシアが言うと、ヒストリアが騎士団長を見ている
『騎士団長しっかりしなさいね・・・ヒストリアさん、これからも護衛役して貰えますか?』
王妃が微笑みながら聞く
『護衛役・・・・』
ヒストリアがマルスを見ている
『ヒストリア、弟子だけど自由だよ、姉妹弟子同士仲良くね』
『はい、マルス師匠』
ヒストリアが笑顔で言う
『事が事だけに、少し考えさせて欲しい・・・ここまでいい加減だと、調査も必要だ』
国王が考えながら言うと、マルス達は屋敷に帰っていく
翌朝、マルス達は王城にに向かい部屋に入る
『御父様、決まりましたか?』
メトリシアが笑顔で聞く
『聞きましたわ! ヒストリアが可哀想ですの』
アリシアが笑顔で言う
『こんな時じゃないと、帰ってこないのか?』
ヘルトがアリシアを見て言う
『マルス様の屋敷快適ですの』
アリシアが笑顔で言う
『アリシア、マルス殿がリベリアに帰られたら、護衛を増やさなくて良いのですか? カジェリアだけで心配ですね』
王妃が微笑みながら言う
『心配ですのーーケーレス君とレーリス君を倒せる人がいたら大変ですの』
アリシアが笑顔で言う
『騎士団長はどう思いますか?』
王妃が微笑みながら聞く
『え! あの2人は、非常に強いので・・・安全と思われます』
騎士団長が苦笑いして言う
『まだ子供ですね・・・騎士団長勝てますか?』
『え! そそそそそっそれは!! 勝てないです』
騎士団長が慌てて小声で言う
『聞こえませんよ!! 騎士団長が子供に負けるような事は無いですよね?』
王妃が笑みを浮かべている
『マルス殿の弟子です!! 凄く強いです。それに英雄騎士隊が駐屯してます』
騎士団長が慌てて言う
『マルス殿の弟子だからって、言い訳になりませんよ! 勝てますよね!』
王妃が笑みを浮かべている
『それは・・・負けました』
騎士団長が苦笑いして言う
『あぁーーー騎士団長が情けない・・・もっと鍛練してくださいね』
王妃が言うと、みんな笑っている
『お母様も楽しんでますの』
アリシアが笑いながら言う
『ヒストリア、情けない騎士団長の所為でも、これは由々しき事態である。 そしてこれまでの数々の実績を鑑みて、ヒストリア殿にメトリシアの名誉護衛役に就任して貰いたい・・・クライドルト王家に仕える必要も無いが・・・メトリシアと仲良くしてくれるか?』
国王がヒストリアを見ながら言う
『はい、メトリシア様は守ります』
ヒストリアが微笑みながら言う
『ヒストリア殿に、名誉護衛役の就任と王国名誉子爵位を与える。ケニス殿に名誉教育係と王国名誉子爵位を与える』
『え? 私もですか? 辞退しても良いですか?』
ケニスが微笑みながら聞く
『メトリシアが迷惑でも、引き受けて欲しい! 馬鹿重臣の言うことを聞く必要は無い!! 名誉子爵位は、貴族避けだ!! 今回も子爵の子息が迷惑をかけたからな・・・貴族の子息達の教育を頼む』
国王が頭を下げる
『ん? 貴族の子息の教育? メトリシアの教育じゃないの?』
キリシアが驚いて聞く
『面倒だから、貴族の子息が無礼を働いたら、問答無用で教育してくれ!』
国王が笑いながら言う
『愚か者に天罰を与えてくださいね』
王妃が笑いながら言う
『この子の教育係になってくださいね』
クレシアが微笑みながら言う
『お断りします。メトリシアだけで、精一杯です』
ケニスが笑いながら言う
『え? ケニスそれはどう言うこと?』
メトリシアが慌てて聞く
『教育お願いしますね・・・メトリシアが一番手を焼きますね』
王妃が笑いながら言う
『そうですの! メトリシア可愛いですのーーマルス様が好き過ぎて、私物化しますの』
アリシアが笑いながら言う
『え!! お母様!! アリシアお姉さま!! 酷いです!! 私物化って、私のマルス師匠を私物化してません』
メトリシアが大きな声で叫ぶ
『あ! 言った!!』
キリシアが笑いながら言う
『え? 何ですか!! キリシア師匠、私のマルス師匠って・・・・あーーーーーーー!!』
メトリシアが叫び、真っ赤になっている
『可愛いですのーー!』
アリシアが抱きついて言う




