リベリアとナセリ
翌朝、オルクスと革屋に挨拶してから、リベリアに飛び立ち、リベリアの門が見えてくると、降下していく
『お帰りなさい、英雄様』
門番が笑顔で言うと、発着場に着陸する
『あ! お兄ちゃん、お帰りなさい』
レティナが魔法練習場から出てきて、笑顔で言う
『レティナただいま、魔法練習中?』
マルスが微笑みながら聞く
『ナディア先生と練習です』
レティナが笑顔で言うと、みんな練習場に入ると、ナセリが落ち込んでいる
『ナセリ、どうしましたか?』
リリシャが心配そうに聞く
『リリシャ師匠・・・今まで教えて貰った内容が全部否定されてしまいました・・・自信の欠片も残ってません』
ナセリが泣き出して言う
『一から魔法を覚えようね。ナディア、魔力制御は?』
マルスがナディアを見て聞く
『素人です。アクアやファイヤーしか使えません』
ナディアが言うと、ナセリが暗い顔をしている
『ルキアが入学した時と同じぐらいかな?』
マルスが微笑みながら言う
『ルキア様ぐらいに早く成長させます』
ナディアが微笑みながら言う
『ナセリちゃん、一緒に基礎をしようね』
レティナが笑顔で言う
『基礎を・・・詠唱じゃないなんて・・・』
ナセリが呟く
『ナセリ、魔法の練習を見せてね』
マルスが微笑みながら言う
『・・・・・・・ファイヤー』
『・・・・・・・アクア』
ナセリが魔法を放つ
『ナセリ、魔力制御をしてみて』
マルスが微笑みながら言うと、魔力を集め始める
『その魔力をここに集めて』
マルスが指差した場所に魔力を集めようとしている
『次は、喉に』
マルスが言うと、ナセリが魔力を動かそうとしている
『次は、杖の先に魔力を集中して・・・・そうそう、そんなに感じに・・・ゆっくり魔力に念じる様に魔法を放ってね』
マルスが微笑みながら言う
『・・・・・ファイヤー』
ナセリが魔法を放つと、的から外れた場所に当たる
『え! 放てた』
ナセリが驚いている
『今の感じで、練習してね』
マルスが微笑みながら言うと、ナセリが焦らず、魔法を放っている
『疲れたかな?』
マルスが微笑みながら言う
『はい、しかし魔法使えました・・・』
ナセリが笑顔で言う
『魔力制御と魔力が上がれば、魔法を放てる様になるから焦らないように』
マルスが笑顔で言う
『はい! マルス師匠』
ナセリが大声で嬉しそうに言う
『後は任せたよ』
マルスがナディアに言う
『マルス師匠の指導を早く受けれるなんて、どんなに凄い事か解ったと思います』
ナディアが微笑みながら言う
『あ! ナディア、もう少ししたら、リベリア担当とアーメルド担当が来るからね』
『はい、マルス師匠、エビリアさんとクレスタさんの手伝いもします』
ナディアが微笑みながら言う
『久々に本気で魔法練習しましょう』
リリシャが笑顔で言うと、みんな順番に魔法を放ち始める
『・・・・・・・』
ナセリが尻餅をつきながら、呆然としている
『ナセリ、これが世界最強の魔法使いの集まりです。 その弟子なのですから、大変ですよ』
ナディアが微笑みながら言う
『え? ・・・・』
(あり得ない・・・これが魔法? もしかして、魔法学院に入れない程度の実力者が・・・いきなり、最強の魔法使いの弟子になったの!!!)
屋敷に帰ると、ロメイルとケメルが門を開けてくれる
『キリシア様、お帰りなさい』
ケメルが笑顔で言う
『何か有った?』
『平和です』
ケメルが笑顔で言うと、みんな屋敷に入っていく
『マルス、すぐに出掛けるのですか?』
フローネが微笑みながら聞く
『キャス号の改造してからです』
マルスが笑顔で言う
『担当者達が到着するまで、ゆっくりするのですね』
フローネが微笑みながら言う
『そう!! 迷宮殲滅しに行くから、数日は楽しむよ』
キリシアが笑顔で言う
『キリシアがしたいだけだよね?』
マルスが笑顔で言う
『マルスが帰ってこないと、リリシャが獲物用意してくれないから!!』
キリシアが大声で言う
『雑魚ですから』
リリシャが微笑みながら言う
『マルス、何とかしなさい!!』
キリシアが大声で言う
『迷宮殲滅ではなく、迷宮探索と言いなさいね』
フローネが呆れ気味に言う
『マルスが居るから、殲滅になる!!』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑っている
『マルスだからです!! 40層のゴーレムを全部一刀両断して、殲滅します』
リリシャが笑いながら言う
『仕方無いですね・・・マルス、鉱石が欲しいからって、殲滅ばかりしていたらダメですよ』
フローネが諦めて言う
フローネが落ち込んでいる、ナセリを見付ける
『ナセリさん、どうしましたか?』
『フローネ様・・・あんな魔法・・・知りません』
ナセリがフローネに言うと、何が有ったか説明をしている
『あの子達の遊び半分の魔法を見ましたか・・・真似はしないでくださいね』
フローネがため息をしてから言う
『真似なんて出来ません』
ナセリが真剣な目付きで言う
『そうですね・・・ナディアさんの魔法はどうでしたか?』
『正確で真似できません』
『ナディアさんは、マルス達に出会うまで、ほとんど魔法を習得してませんでした。そう、1年で・・・気が付いたら、手遅れになってました』
フローネが残念そうに言う
『手遅れに?』
『常識知らずのリリシャとマルスの所為で魔法使いになりましたが、常識が吹き飛んでいます。レティナちゃんとイリアちゃんも凄い速度で成長したので、常識を教える暇が有りませんでした。 ナセリさん、ゆっくり成長してくださいね・・・これ以上失敗はしたくないですから』
フローネが微笑みながら言う
『何を失敗したくないのですか?』
ナセリが疑問そうに聞く
『常識知らずの魔法使いになることです!! あの子達は無詠唱が普通だと、この頃思っています。古代魔法を使えるのが普通だと思っている人もいます。 絶対に真似はしないでくださいね』
『え? 無詠唱? こっこっこっ古代魔法!!!!』
ナセリが驚いて叫ぶ
『良い子は真似をしないでくださいね・・・ゆっくり学びましょうね』
フローネがナセリを見詰めて言う
『はい、フローネ様・・・』
ナセリが不安そうに言う
(何言っているの? 古代魔法なんて、簡単に有るわけ無いでしょう)
 




