魔方陣の作成
その夜、マルスは魔力制御しながら魔方陣の事を考えていた。どうやったら維持できるだろうと・・・・・だんだん目の前が暗くなる・・・・・
「この魔方陣は難しいな!維持が難しい」
掌の上に魔方陣を描きながら、魔方陣を維持しているが端がブレている
「こうしたらどうだ?」
魔方陣の大きさが変わる
「次はこうだ!これならば・・・どうだ!・・・これは?こっちはこうしたら・・・これならば大丈夫か?」
魔方陣が綺麗に維持されている
「ドローイングが無くては魔方陣を完成出来ないな」
『ん?夢?』
マルスは寝ていたみたいだった
『だけどもしかしたら・・・・前世の記憶?』
魔力を掌に集めて
『ドローイング』
掌の上の空中に魔方陣を描き始める。そして魔力制御充填貯蔵構造強化型にした時
『え?魔方陣が崩れる』
『もしかしたら、これを利用して構造強化出来るのかな?』
もう一度魔方陣を作り、色々形を変えてみるが、上手くいかない。外側の維持が出来ない。ならば外側の輪郭を太くしたらどうだろう
『維持出来るようになった!もしかしたら、これで付与魔法が出来るかも知れない』
マルスは部屋を出て工房に行き、魔方陣を発動して中魔石に魔方陣を書き込む。完成したら魔力を通しても壊れない
すぐに作ってあったランプ用の魔石に付与魔法で魔方陣を書き込む、そして魔力を通してみる
『成功した!』
笑顔で点灯消灯しながら確認する
『これで完成した』
『誰!!』
キリシアとリリシャがやってくる
『起こしちゃった?ゴメン』
『マルス!!夜中にどうしたの?』
『構造強化型の魔方陣を思い付いたから試していた!』
『ん?何?』
キリシアは首を傾げる
『もしかして、魔力制御充填貯蔵構造強化型?』
『そう!それが完成したよ』
『え?まさか本当に?』
『試したい。あ!キリシア、そのナイフで糸を斬れるか試して見て!!』
キリシアはナイフで糸を切ろうとする
『え?切れない!!』
『うそ!本当に・・・これ強化された糸、まさか・・・』
リリシャは驚きながら言う
『これでランプは壊れなくなるね』
マルスの言葉に
『フローネ先生は驚くだろうね』
キリシアは笑顔で言う
『魔方陣を見てみる?』
『見せてくれるの?』
マルスは魔方陣の書いてある紙を見せて説明する
『外側が構造強化だね中魔石に書くのは大きさ的に無理かも・・・』
リリシャが言うと、魔方陣を発動して中魔石に書き込んでみる。しかし途中で魔石は壊れる
『失敗した。やっぱり難しいね』
リリシャは苦笑いする
『細かく書き込めるようにならないと難しいよね。魔力制御頑張ろう!』
マルスの言葉にリリシャは頷く、そして2人は笑いだす。それを見ていたキリシアも笑いだす
『そろそろ寝よう』
キリシアが言って部屋に戻ることにした
朝、ゆっくり起きてギルドに向かう
『ヘザーネ、おはよう』
『キリシアさん、リリシャさん、マルス君、エミールさん、ルメイルさん、おはようございます』
『ギルドカード出来たかな?』
『こちらをどうぞ』
『銅のギルドカード?』
ルメイルは嬉しそうに笑みを浮かべている
『これが階層主の証ですね』
エミールは嬉しそうに言う
『これって・・・何?』
ギルドカードに特別聴取者と拷問許可と書いてあった
『意味はわかりませんが、警備隊からの証です。リリシャさんが一番適任だそうです』
ヘザーネも疑問そうに言うと、みんな大笑いする
『拷問許可ね・・・・あれのせいだね』
『まさか、あれでこれを?』
『あと隊長からの伝言です。極悪人を相手にする時に助けを求めるかも知れないが、ギルドへ依頼するようにするとの事でした』
『わかった。その時はリリシャがまた悪乗りしないようにしようね』
『キリシア!もう!!』
キリシアの言葉にリリシャが怒り、そして笑い出す
『ん?これは?捕縛者?』
『マルス君にはもう1つ追加されています。極悪人を捕らえた報奨です』
『この間、マルスを襲ったバカの事かな?』
『え?襲われたのですか?』
『1日に2回もだから、警備隊に突き出したけど』
『極悪人で手配されていた人だったみたいですね』
ヘザーネも軽く言う
『マルスを襲う馬鹿は牢屋行きだよね。弟子を襲ったら地獄以上の苦しみだけど』
キリシアがマルスを見て笑う
『ヘザーネ、そろそろ帰るね』
帰り道に鍛冶屋に寄る
『おはよう』
『おはよう、カセティ』
『ギレリムは?』
『ちょっと出掛けています』
『じゃあランプの外装、あるだけ持ってきてって言っておいてもらえるかな?』
『工房、完成したのですね』
『そうです。完成しました』
『またね』
家に帰るとアニーとミリアは工房でランプの魔石を作っていた
『ただいま』
『マルス師匠、お帰りなさい』
『ランプ作るの楽しいので、やっていました』
『ありがとう』
ミリアとアニーに微笑んで言うと
『私もやりますね』
リリシャも魔石の確認を始める
『エミールはちょっと魔力制御の練習ね。まだ魔力が乱れているから』
『わかりました』
『ルメイルも闘気を練らないとね』
ルメイルは頷く
『エミール、まずは魔力を移動してくれるかな?』
『はい!マルス師匠』
魔力制御をして魔力を色々な所に集める
『じゃあ魔力を脚に集めて筋肉と骨を強化するイメージをしてみて』
『え?はい!マルス師匠』
エミールは魔力を脚に集めている
『高く跳ぶことをイメージしてみて跳んでみて』
エミールは跳びはねる
『え?高い!!』
着地に失敗して転ぶエミール
『なぜ?』
『出来たね。魔力に依る身体強化だよ』
マルスは微笑みながら言う
『瞬間的に筋力を上げる事が出来るよ。詠唱魔法でやってもいいけど』
『わかりました。マルス師匠!』
しばらく動き回り、エミールは疲れて言う
『魔力が切れたのかな?消費が凄い』
『そうだね。だから緊急時しか使えないけどね』
マルスは笑うとエミールも笑う。休憩しながら
『体が軽くなりました』
『今のうちに魔力制御を体全体にするといいよ』
『わかりました、マルス師匠!』
キリシアは門の近くでラーザの剣の稽古をしている。そして勢い余ってラーザが転んで痛がっている
『回復魔法必要だね』
マルスが歩きだすと、エミールも一緒にラーザの所に行く
『ラーザ、大丈夫?』
『はい!このぐらいは全然大丈夫です』
『・・・・・ヒール』
ラーザのキズを癒すと
『え?これが魔法!』
『もう痛くない?』
『はい!マルス様』
『まだ腕の筋肉が出来てないから、素振りしながら体を鍛えようね』
『はい!マルス様』
ラーザはキリシアと剣の稽古を続ける