ナセリとリベリア
クランドルの町中を楽しみ、帰る日になり、シルフィード号が着陸して、乗り込み始める
『え! ひひひひ飛空艇!!』
ナセリが青ざめて震えている
『早く乗ってくださいね』
ナディアが微笑みながら言う
『早く乗るよ』
レティナがナセリの手を掴み、引っ張って食堂に案内する
『うそ・・・凄い魔道具が・・・』
ナセリが震えながら言う
(何で・・・もしかして、とんでもない人の弟子に? 飛空艇に簡単に乗れるなんて・・・)
シルフィード号が上昇して、リベリアに向かって飛んでいき、リベリアが見えてくると門に向かって降下していく
『英雄様お帰りなさい! 発着場へ』
門番が手を振りながら言うと、シルフィード号は発着場に着陸する
シルフィード号を降りると、ナセリが呆然と立ち尽くしている
『ナセリ、どうしましたか?』
ナディアが微笑みながら聞く
『え! ここは? 屋敷なのですか?』
『ここは、魔法練習場と飛空艇発着場です』
ナディアが笑顔で言う
『誰が住んでいるのでしょうか?』
『住んでませんよ! 発着場ですから』
ナディアが微笑みながら言うと、ナセリが驚いている
(え! 誰も住んでない?凄い豪邸に見えてますけど・・・)
『ナディア、帰るよ』
マルスが大声で呼ぶと、ナディアとナセリ達が慌てて下に降りてくる
馬車が止まると、ウイントレスが降りてくる
『クリス!! 帰ったか!』
ウイントレスが笑顔で言う
『あ! レティナちゃんの屋敷に帰りますね』
クリスが笑顔で言うと、ウイントレスの顔がひきつる
『クリス、魔法学院に向かう前に、1度屋敷に帰りなさい』
ウイントレスがひきつる顔で言う
『え? 嫌です!! レティナちゃんと遊ぶ時間が無くなります。 ミーレス行こう』
クリスが嫌そうに言うと、クリスがミーレスの手を引いて歩いていく
『クリス・・・』
ウイントレスがクリスの後ろ姿を見ながら呟く
『ウイントレス、クリスちゃん自由すぎますね』
フローネが苦笑いしながら言う
『育て方間違えたが・・・更に酷くなったか・・・魔法学院どうやって通うつもりだ? まさか、マルス殿の屋敷から』
『今更ですね・・・そのつもりでしょう・・・リリアちゃんとミーレスちゃんと一緒に通ってくれますね』
フローネが微笑みながら言う
『社交性無いままだったら・・・』
『ミーレスちゃんは、滅んだ公爵家の最後の生き残りす、それにリリアちゃんは、ガベラス王国の王族でエリゼトス公爵家の縁戚・・・良い友達ですね』
フローネが微笑みながら言う
『滅んだ公爵家の? 知らないぞ! どこの公爵家だ!!』
ウイントレスが驚いている
『知りませんでしたか? リオンド・ベラクード王国のクレゼオルド・リオンド公爵家の最後の生き残りです。 クライドルト王国に編入されましたが、卒業したら公爵になるのでしょうね』
フローネが微笑みながら言う
『は? そんな大事なこと・・・国家機密か?』
『そうですね・・・秘密にしてますね、サトメル王女の親友ですから』
『あははは・・・クリス良い友達を・・・マルス殿のお陰か・・・サトメル王女の友達になるのか?』
『もう友達ですね・・・マルスの近くに居るだけで、多くの王族と一緒にいますから・・・ ミーレスも孤児院に居たなんて、知られたら、ウイントレスも大変な事になりますね』
フローネが微笑みながら言う
『は? まさか・・・孤児院か・・・マルス殿のお陰か・・・』
ウイントレスが苦笑いしていると、屋敷に話しながら歩いていく
『キリシア様、お帰りなさい』
ラーザが嬉しそうに言うと、門を開けてくれる
『何か有ったかな?』
『平和でした』
ラーザが笑顔で言うと、みんな屋敷に入っていく
『嘘・・・ここが屋敷・・・』
ナセリが立ち尽くしている
『あ!! ナセリの部屋どこにする?』
マルスがナセリを見て言う
『そうですね・・・3階が空いてます』
リリシャが微笑みながら言う
『ステラさんに任せて良いよね』
マルスが笑顔で言うと、出てきたステラに伝えている
『ナセリ、早く入ってください』
リリシャがナセリを呼ぶと、慌てて走ってくる
『リリシャ様、ここは貴族様の屋敷ですか? 凄い豪邸ですが・・・』
ナセリが泣きそうな顔で言う
『冒険者ですよ、ステラさんに部屋を案内して貰いなさいね』
リリシャが微笑みながら言う
『驚きますね、侍女のステラです。部屋を用意しますので、落ち着くようにしてくださいね』
ステラが微笑みながら言う
『マルス殿、あの娘は?』
ウイントレスが気にして聞く
『ナディアの弟子にします。今年の魔法学院入学できなかった、可哀想な人ですから』
マルスが笑顔で言う
『そうですね・・・3年前なら余裕で入学出来ていたでしょう・・・マルスの所為でも、教育が進んでいなかったのが、原因ですね』
フローネが考えながら言う
『そうか・・・クリスは運が良いな・・・良い先生に出会えて』
ウイントレスがナディアの後ろ姿を見ている
『ナディアの親が失敗したのですから、ナディアが責任を取ったような感じですね』
フローネが微笑みながら言うと、説明をしている。ウイントレスは話を真剣に聞いて、溜め息をしている
(簡単に運ではなく、教育の違いか・・・魔法学院に通うより、運が良いな)




