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異世界転生失敗から始まる魔法使いの生活  作者: 桂崇
第18章 魔法結社と魔法学院卒業
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ナセリ

男が泣き止み、放心状態になる

『ナディアさん、幸せですか?』

母親が少し心配そうに聞く

『偉大なる師匠のお陰で毎日楽しいです』

ナディアが微笑みながら言う

『この馬鹿には、2度とナディアさんに近付かさせないと、約束させます。 この町を楽しんでくださいね』

母親が涙目で言う

『何故、ナセリさんがここに?』

ナディアが少女を見ている

『魔法学院に入学が出来なかったので、戻って来ましたが・・・両親から追い出されて、両親から報酬代わりに奴隷として引き取れと言われました・・・』

母親が悲しそうに言う

『奴隷として売りたくは無いが・・・』

男達が悔しそうに呟く

『ナセリさんは、どうしたいの?』

ナディアが心配そうに聞く

『もう・・・希望は有りません・・・家にはもう帰れません・・・借金も相当して魔法を学ばせてくれましたが、期待を裏切ってしまいました・・・行く場所も無いです』

ナセリが泣きそうな顔をして言うと、ナディアの母親と兄達が暗い顔をしている

『魔法使いを目指すなら、魔法使いの弟子になる方法も有りますけど』

『断られてしまいました・・・借金の返済も有りますので・・・』

ナセリが絶望した顔で言う

『使えない者等、早く奴隷として売り払えと、この人が・・・金貨3枚ぐらいにしかならないですが・・・もうどうする事も・・・』

母親がナセリを見て、悔しそうに言う

『酷い!! 魔法を教えられないだけでなく、ナセリを売る? 娼婦にするつもり!! 追い出しても生活なんて出来ないのに!! 何考えている!!』

ナディアが怒り怒鳴っている

『どうする事も・・・宛にしていた収入が入らないだけでなく・・・生活が成り立たなくなる・・・ナセリには申し訳ないが、追い出すしか出来ない』

ナディアの兄達が申し訳なさそうに言うと、現状を説明している


『弟子に・・・』

ナディアが考え込んで、マルスとリリシャを見ている

『師匠・・・良いですか?』

リシリアが考え込んで、フローネを見ている

『リシリアより、リーベルかレズオスが弟子を取って欲しいですが・・・常識は教えます』

フローネが微笑みながら言う

『ナセリさんでしたね、弟子になるなら、魔法を教えます。 ただし条件は有ります』

リシリアがナセリを見て言う

『弟子に・・・借金が有っても・・・』

ナセリが呟いている

『ナセリさん、条件は、何が有っても逃げ出さない事と、秘密を死ぬまで守る事と、親や親類から何を言われても、無視する事です。 1人前になり、親や親類が近付いてきても無視できますか? 魔法使いになったら、どんな魔法使いになりたいですか?』

リシリアが考えてから聞く

『もう・・・帰る家も無いです・・・親や親類が近付いてきても、無視出来ます・・・娼婦になるより良いですけど・・・希望も何も有りません』

ナセリが呟く

『良いのですか? ナセリは、魔法学院に入れない程の実力しか有りませんが・・・』

母親が驚きながら聞く

『後は、ナセリさんが決めることです』

リシリアがナセリを見て言う

『弟子にして貰えるなら・・・秘密も何でも守ります!! 借金も必死に返して、魔法使いになりたいです』

ナセリが涙目で頭を下げる


『リシリアさんの弟子にするのは、反対かな?』

マルスが考えてから言う

『え!! 何故ですか!! 行く場所も無いのですよ!!』

リシリアが驚いて、マルスを見て言う

『ナセリさんが1人前に育てても、親から帰ってこいと言われたら、帰るしか無くなるからね・・・リシリアさんの弟子だと、断りにくいからね・・・リシリアさんの両親が困る顔を見たくない』

マルスが考えながら言う

『それは・・・だけど』

リシリアが考えながら、マルスを見ていると、ナセリが泣きそうになっている

『そうですね・・・リシリアさん諦めてください。マルスはもう決めていますよね?』

リリシャが微笑みながら言う

『ナディア、頑張ってくださいね』

マルスがナディアを見て言う

『え! 頑張る? えーーーーー!! 私なんて半人前です!! 弟子なんて無理です!!』

ナディアが慌てて言うと、母親が驚いている

『ナディアなら、大丈夫ですけど、実質マルスの弟子になるのですね』

リリシャが微笑みながら言う

『嫌味には丁度良いからね』

マルスが笑顔で言うと、全員が爆笑する

『は? それだけですか!! 弟子なんて育てられません!!』

ナディアが慌てて言う

『ナディア先生、何故ですか?』

クリスが疑問そうに呟く

『え! 弟子なんて教える実力が有りません!! 半人前ですから!! それに養えません!!』

ナディアが慌てたように言う

『クリス様を教えたよね?』

『え! それはレティナちゃんと仲良しだから』

『育てられるなら、任せるよ・・・養うのも一緒に暮らせば良いだけだから』

マルスが笑顔で言う

『それでも恐れ多いです!! 半人前ですから!!』

『マルスと私の弟子にしても、ナディアが面倒を見るだけです。良いですね』

リリシャが微笑みながら言う

『それなら良いです!!』

ナディアが笑顔で言う

『ナセリさん、良いですか?』

マルスが笑顔で聞く

『はい! よろしくお願いいたします・・・あ!! 借金は?』

ナセリが言う

『メリア頼んだ・・・どうせなら約束させる相手は・・』

マルスが笑みを浮かべて、騎士に耳打ちすると、騎士が出ていく


領主がやって来ると、マルスとナディアの親が説明をしている

『解りました。この娘の借金返済の証人とこの娘の親達に約束をさせます』

領主が頭を下げながら言うと、兵士が慌てて出ていき、ナセリの両親を連れてくる

『もう娘でも何でもない!! 好きにしてください! 娼婦にでもして、借金返済でもさせれば良い!』

ナセリの両親が言うと、ナセリが泣き始める

『偉大な魔法使いになろうとも、2度と近付かないと約束できますね』

リリシャが睨みながら言う

『わかった! 好きにしろ!! こんなデキぞこない。逆に親とか言って支援しろとか言うなよ!!』

『領主様証人になって、書類を残しておいてくださいね』

『解りました』

領主が約束すると、両親に書類にサインをさせている


領主にナディアの父親を連れて帰って貰い、ナセリが座り込んでいる

『徹底的に鍛えます。覚悟してくださいね』

ナディアがナセリに言う

『才能が有りませんが、よろしくお願いします』

ナセリがナディア見て言うと、みんな微笑んでいる

『沢山教えます!!』

ミリアが笑顔で言う

『ミリアは教えないでくださいね、常識知らずの魔法使いになってしまいます』

フローネがミリアを見て言う

『そんな・・・妹弟子に教えられないなんて!! 才能の欠片も無いからって、酷いです!!』

ミリアが言うと、みんな笑っている

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