格闘練習
翌朝、マルス達が魔法学院に向かう
『マルス様、おはようございます』
ルキアが笑顔で言うと、生徒達が立ち上がり挨拶をしている
『ルキア、昨日見事な指揮だったね』
マルスが微笑みながら言う
『あんな賊、冷静なら余裕です!! 何度襲われても撃退します』
ルキアが言うと、リーネが微笑んでいる
『警備が強化されているけど、ハルドとアーセルも襲われて大変だったから、気を付けようね』
マルスが笑顔で言う
『ハルドさんとアーセルさんまで!!』
ルキアが驚いて大声をあげ、生徒達が見ている
『マルス様、賊に対しての接近戦の戦い方を教えてくれませんか? 杖を持ってない時に襲われたら、抵抗出来ません』
生徒が意を決して言うと、生徒達が集まってくる
『魔法戦なら、迷宮で鍛えたから、発動速度で優位に立てるけど・・・格闘訓練か・・・』
マルスが考えながら笑みを浮かべ始める
『マルス師匠が悪巧みしてます!!』
メトリシアが嬉しそうに言うと、生徒達がマルスを見ている
『エリカ達に鍛練させようかな?』
マルスが笑みを浮かべながら言う
『エリカちゃん?』
ルキアが驚いている
『侍女の嗜みで格闘習っていたからね・・・ソリナさんも格闘をこの2年習っていたから、素手で相手を取り押さえられるよ』
マルスが笑顔で言うと、エリカを呼びにミリアとメトリシアが向かう
『マルス師匠、お呼びですか?』
エリカが不思議そうに聞く
『エリカ、格闘をみんなに教えてね』
マルスが笑顔で言う
『え! 私なんて教えられるほど、実力は有りません』
エリカが驚いて叫ぶ
『基礎だけ教えれば、後は、宮廷の侍女を呼び出すから大丈夫』
マルスが笑顔で言うとメトリシアが笑っている
『基礎なら』
エリカが言う
魔法練習場に向かい、エリカに男生徒が捕まえようとする。エリカは、腕を掴み足払いしながら、男生徒を転ばせる
『え! 簡単に・・・』
ルキアが驚いている
『エリカ、怪我させても、みんな回復魔法使えるから、徹底的に投げの練習してね』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠、エリカちゃんの鍛練にしてませんか?』
ミリアがマルスの横顔を見て聞く
『え? エリカもサーリン達相手だと、どのぐらい強くなっているか解ってないからね』
マルスが笑顔で言うと、生徒達がマルスを見て苦笑いしている
(エリカちゃんの鍛練!! 実験台なのか? エリカちゃんに負けるなら、勝てるまでやってやる!!)
生徒達がエリカの真似をして、格闘の練習を始める
エリカと生徒達の姿を入口からリーベルとレズオスが見ている
『マルス、何を始めたのですか?』
リーベルが苦笑いしている
『格闘訓練かな? 格闘訓練も必要ですよね?』
マルスが笑顔で言うと、レズオスが頭を押さえて苦笑いしている
(格闘訓練・・・接近戦闘訓練していても意味無いと宣言したような事だぞ)
『格闘ですか? 誘拐されない為の練習ですか?』
リーベルが考え始める
『必要ですよね? 誰か格闘の講師を引き抜いてきてくれないかな?』
マルスが笑顔で言う
『今回の誘拐未遂事件で対応が必要ですが・・・鍛えてしまえば、誘拐されないのですね・・・時間稼ぎ出来れば魔法で応戦も可能ですね』
リーベルが考え込んでいると、メトリシアが驚いている
(リーベル様が考えるなんて、止めさせるよりもマルス師匠の考え方を取り入れるなんて!!)
『マルス師匠、後数日で卒業ですね』
ミリアが鍛練を見ながら、マルスの隣で呟く
『卒業か・・・あーーーーーー!! 忘れていた!』
マルスが大声をあげる
『マルス師匠、何を?』
ミリアが驚いている
『卒業の記念品作るの忘れていたよ!! 帰って急いで作るよ』
マルスが慌て気味に言うと、練習場を出ていき、生徒達が驚いている
『そのまま忘れて良かったのに・・・』
『マルス様に言えるか?』
『無理だ!! 短時間で作れないから、安心かな?』
生徒達が次々と呟き、苦笑いしている
『マルス師匠なら、一晩で簡単に作りそうですけど』
エリカが呟くと、全員が一斉にエリカを見る
『手加減してくれますか?』
ルキアが呟く
『手加減の意味が解るなら・・・』
リーネが呟く
『マルス師匠なら手加減はしてくれますが・・・マルス師匠のレベルの手加減なので・・・』
エリカが言うと、生徒全員が苦笑いしている
マルスが屋敷に戻り、資材庫に向かい、モデリングでアースタートルの鉱石の形を変え始める
『マルス、何しているのですか?』
リリシャがマルスを見付けて見ている
『リリシャ、みんなの卒業祝い作り忘れていたから、急いで作るよ』
マルスが杖を作りながら言う
『手伝いますか?』
リリシャが微笑みながら言う
『これは自分が作らないと、祝いにならないから』
『解りました。見ていますね』
リリシャが微笑みながらマルスの作業を見ている
『ミリア、メトリシアは、この腕輪の装飾よろしく』
マルスが腕輪を2つ渡すと、ミリアとメトリシアな笑みを浮かべながら、装飾を始める
『リリシャ、杖の形はこれで良いかな?』
マルスが杖を見せると、リリシャが微笑んでいる
『太陽? 雲も良いですね・・・付与魔法は、1つにするのですか?』
リリシャが微笑みながら聞く
『フローネ先生に相談かな? 色々考えているけど』
マルスが笑顔で言うと、マルスは次々と杖をクレーションで作成していき、並べている




