3話 夜の魔法練習
部屋で魔力制御していると
コンコンと扉を叩く音がして
『マルス部屋にいる?』
リリシャの声が聞こえてきた
扉を開けると本を持って立っていた
『初級魔道書見る?あと魔力制御一緒にしましょう』
頷いて部屋に迎え入れる
魔道書を受け取り椅子に座り魔道書を読み始めた。リリシャは寝具に腰を掛けて集中して魔力制御を始めた。右手に淡い光を集めることをしばらく続けていたが
『やはりマルスのように玉を作れない。魔力が少ないのかな?』
リリシャは呟く
自分も魔道書を読むのを止めて魔力制御をすることにした。片手に魔力を集めて玉を作り出す。しかし、少し歪になってしまう
『マルスどうしたの?』
『ちょっと制御しきれないみたい?』
首を傾げながらそういうと
『何故だろう?魔法発動できる?』
『ここで発動したら大変なことになるよね』
リリシャも笑みを浮かべて
『町の外に魔法練習できる場所があるから行ってみる?』
『そうだね!魔法の練習したいかな』
『準備してくる』
リリシャは部屋に準備に戻った
町を出て少し歩くと岩場で開けた場所があり、ギルドでもここで魔法練習を推奨しているとのことでおもいっきり魔法を使って良い場所であった
魔力制御して炎の玉のイメージをすると火の玉になり、岩に当たり弾け飛ぶ
『魔法の発動は大丈夫みたいだね』
リリシャはそう言うと詠唱を始めて、魔法を打ち始める
それを眺めていた時、ふと思い魔力制御で魔力の流れを見て、リリシャの詠唱が始まると喉の付近から魔力の光が強くなり杖の先に魔力が集まる。そして、詠唱が終わると火の玉になって飛んでいく
『リリシャさん聞きたいのだけど、魔法詠唱している時どこに魔力集めているの?』
リリシャは少し首を傾げながら
『詠唱に集中しているから良くはわからない』
『もう一度魔力制御で右手に魔力を集めてみて?』
リリシャは魔力制御で右手に魔力を集める。魔力の淡い光が現れるが、それ以外の事は起きない
『魔力を掌の上で玉になるようにイメージしてみて』
リリシャは頷き、掌の上で玉になろうとして崩れていく
『やっぱり』
そう言うとリリシャは怪訝な表情になり
『どうしたの?』
『玉のイメージがされないから出来ないか制御が上手くいってない、だから出来ないんだと思う』
リリシャは首を傾げる
『詠唱は魔力のイメージを確定するために魔力を声で制御して魔法を発動しているから、ある程度制御できていれば魔法は使えるけど、それ以上の事は出来ない』
リリシャは驚きの表情になり
『魔力制御ができるようになれば無詠唱魔法を使えるって事?』
『多分出来ると思う』
真剣な目になり魔力制御をもう一度始めたリリシャだった
リリシャの魔力制御で魔力の流れを確認して気づいた、右手に近い部分しか魔力制御出来ていない
もしかしたら自分もそうなのかもしれないと思い今度は体全体の魔力制御をしてみようと魔力を動かし始めたがなかなか上手くいかない
時間を掛けて練習するしかないか・・・
しばらく続けて2人で宿屋に帰ることにした