閑話 魔法学院の試験
実技試験になり、ミーレスの番になる
『ミーレスか・・・全力であの的に当てなさい』
レズオスが言う
『はい! レズオス様!!』
『・・・・ファイヤーボール』
ミーレスの杖から魔法が放たれると、的に当たり、爆風と熱風が吹き荒れる
『ミーレスは、終わりだ!次』
レズオスが言うと、次の人が立ち尽くしている
『何をしている!! このぐらいの魔法で驚いていたら、魔法学院のトップレベルの実力者についていけないぞ』
レズオスが大声で言うと、次々と試験が続いていく
『リリアの番か・・・』
レズオスが呟く
『・・・・ファイヤーボール』
リリアが魔法を放つと、的に当たり熱風と爆風が吹き荒れている
『レズオス様、何が起きているのですか?』
講師が慌てて聞く
『リリアは、妻の妹だ!! シーリスの親友だから、あのぐらい簡単だろう』
レズオスが興味無さそうに言う
『シーリス? どこかで聞いたような・・・』
『エミールの弟子だ!! この意味解るだろう』
レズオスが言う
『エミールの弟子の親友!! 折角卒業したのに、また化物が入学するのか!!』
講師が慌てて叫ぶ
『もう1人だな・・・』
レズオスが呟くと、クリスが入ってくる
『あれは?』
『マルスの妹の親友だ・・・実力は知らないが・・・』
レズオスが苦笑いして言うと、講師が泣きそうになっている
『・・・・ファイヤーストーム』
クリスが魔法を放つと、炎の柱が出来上がり、的を焼いている。他の受験生は、口を開けて立ち尽くしている
『嘘だろ・・・イキナリ、ファイヤーストームなんて・・・不可能だ!!』
講師が涙目で言う
『発動も完璧だったな・・・リリシャの弟子なのか?』
レズオスが溜め息をしている
試験が終わり、試験官が集まっている
『何か有りましたか? 』
リーベルが試験官達の顔を見て聞く
『3人凄い実力者がいました・・・』
『近接戦闘で? 誰ですか?』
リーベルが慌てて聞く
『ミーレスさんとリリアさんとクリスさんです』
試験官が慌てて説明をしている
『その3人だ!! 実技試験でファイヤーボールやファイヤーストームを放ったのは!!』
試験官が大声で言う
『化物の再来か!! もう嫌だ!!』
『折角卒業したのに何故だ!!』
『どこの誰だ!! そんな実力者を入学させようとしているのは!!』
講師達が口々に言う
『レズオス兄さん、知ってましたか?』
リーベルがレズオスを見て聞くと、講師達が一斉にレズオスを見る
『ミーレスとリリアは、一緒に住んでいるから、知っている。クリスはリーベルの方が知っているだろ?』
レズオスがリーベルを見て言うと、講師達が一斉にリーベルを見る
『え? クリス・・・誰でしたか?』
リーベルが考え込む
『リベリア公爵様が後見人ですが・・・』
資料を見ていた講師が言う
『リベリアのクリス・・・マルス関係にはいませんが・・・・え? もしかしてあの少女? 』
リーベルが思い出したように説明をしている
『その通りですが・・・何者ですか?』
試験官が聞く
『マルスの屋敷に出入りしてましたね・・・誰の娘でしょう?』
リーベルが考え込んでいる
『ウイントレス様の次女だ!』
レズオスが呆れて言う
『え! あ!! リベリア公女様でしたね』
リーベルが慌てて言うと、講師達が驚いている
『親友は、レティナだから、ナディアの生徒だな』
レズオスが苦笑いしている
『常識が飛んでいますね・・・リベリア公女と言う事は、試験で落としたら、大問題ですね・・・』
リーベルが苦笑いして言うと、講師達が青ざめている
(リベリア公女だと!! 王太子妃の妹様!! あの実力で・・・恐ろしい・・・)
『リリアは、誰でしたか?』
『ヒリアの妹だ!! その意味は解るな! 国家機密にされそうだが』
『無理ですね・・・クリスちゃんと一緒に居させた方が良いですね・・・ミーレスは?』
『マルスの直弟子だ!! 魔法をほとんど教えてないが、姉妹弟子達が勝手に回復魔法と攻撃魔法を教えている!! それに毎日シーリスと遊んでいるから、勝手に学んでいるな・・・』
レズオスが苦笑いすると、講師達が慌てている
『不可能ですね・・・虐めたら、師匠達が乗り込んできますね・・・その前に国王陛下が後ろ楯ですね』
リーベルが苦笑いして資料を見ている
『どうしますか?』
リーベルが講師達を見て聞く
『もう無理です・・・あんな化物に関わりたくない』
講師が呟く
『今年の卒業生が担任ですね・・・レズオス兄さん面倒を見てください』
リーベルがレズオスを見て言うと、講師達が一斉に見ている
『2年間教えたからな・・・後ろ楯がハルドとアーセルだから心配ないだろう』
レズオスが考えて言う
『逆に心配ですね・・・教え過ぎて、マルス達が教えに来たら困りますので、監視しておいてください』
リーベルが言うと、講師達がレズオスを見ている
『間違いが無いように見ておく』
レズオスが言うと、講師達が安心している
一方、翌日テシウスが騎士学院の試験を受けに行く




