ジエルとメーレスの結婚式 前編
マルス達は、結婚式場に向かい、中に入ると、既に侍女達と料理人により、準備が進められている
『ヘルト御兄様、準備はどうですか?』
メトリシアがヘルトを見付けて聞く
『順調に進められているが、新しい魔道具の事は昨日知った』
『アニーが作ってと言ったから作ったよ』
マルスが笑顔で言う
『簡単に作るのか・・・進化した魔道具をクレシアが見て、離宮に欲しいと言っていたが・・・』
ヘルトが苦笑いして言うとメトリシアが笑っている
『クレシア様も来ていたのですね』
『アニーと厨房に行った・・・もう帰ってこないだろう』
ヘルトが苦笑いしながら奥の方を見ている
『マルス様、メーレス様とジエル様が到着しました』
侍女が呼びに来ると、マルス達が出迎えに行く
『マルス様、今日が楽しみでした』
メーレスが笑顔で言うと、ジエルが緊張している
『ジエル御兄様、しっかりしてくださいね』
リリシャが笑顔で言う
『本当にこの会場でやるのか?』
ジエルが会場内を見て呟く
『不服でも? 専用の式場作った方が良かったですか?』
リリシャが微笑みながら言う
『どこに作ろうか?』
マルスが笑みを浮かべる
『作らないで欲しい!! この会場も王家から使用許可が出たと言うが、何故だか知っているか?』
ジエルが考えながら聞く
『クレシア様に貸したので、王家が管理してます』
リリシャが微笑みながら言う
『は? 貸したから? リリシャが作ったのか?』
ジエルが驚いている
『みんなで作りましたよ、レズオスの結婚式するために』
リリシャが微笑みながら言うと、ジエルが苦笑いしている
(聞いても無駄か・・・あの日の集まりが結婚式なのか? 今日の集まる人達が解らないが・・・)
『マルス様ーー!』
メーレシアが馬車から降りると、笑顔で歩いてくる。後ろにルシエラが微笑みながら歩いてくる
『メーレシア様も祝いに来てくれたのですね』
メーレスが微笑みながら見ている
『はい、メーレス様』
メーレシアが笑顔で言うと、メーレスと仲良く話している。ジエルが緊張したように見ている
『マルス様、お久しぶりです』
セクラが馬車から降りて小走りでマルスの前に来ると、みんな微笑みながら見ている
『セクラ様、今日は楽しみましょう』
マルスが笑顔で言う
『はい!マルス様』
セクラが笑顔で言う
『祝いに来たと言うより、マルス様に会いに来たのですか?』
メーレスが微笑みながら言うと、ジエルが苦笑いする
『え! もちろんオルセントを代表して、メーレス様のお祝いです』
セクラが少し慌てて言うと、みんな笑っている
『そう言う事にしておきますね』
メーレスが微笑みながら言うと、メーレスとジエルは準備の為に奥に向かう
クレセとリアクラナと両親がやってくる
『リリシャ、こんな豪華な屋敷でやるのか?』
父親が驚きながら聞く
『早く入ってください。準備は終わってます』
リリシャが笑顔で言うと、中に入って、天井を見て驚いている
『凄い・・・魔法のランプが・・・王城でしか見たこと無い・・・アーメリア様の彫刻・・・素晴らしい』
父親が唖然と見上げている
『あれ? お祖父様は?』
リリシャが聞く
『国王陛下に挨拶に向かった』
父親が言う
『え? ここに来れば会えるのに?』
リリシャが不思議そうに言う
『え! 何故?』
父親が驚いていると、リリシャが国王を見ている
『え!! ここここっ国王陛下!!』
父親が驚いて叫ぶと、母親が慌てて頭を下げている
『まさか、来賓なのか・・・』
クレセが青ざめて言うと、リアクラナが青ざめて立ち尽くしている
(リリシャ、国王陛下が祝いに来るなんて・・・どうすれば・・・あ!! メーレス様は、ヘルゼレス王国の王女様だった・・・)
『堅くならなくて良いぞ! 今日は祝いだ!』
国王が笑顔で言う
『今日が楽しみでしたから』
王妃が微笑みながら言う
『どうしたら・・・』
父親が青ざめて震えている
(御無礼をしたら・・・)
『マルス様、遅くなりました』
レセナが笑顔で入ってくると、サトメルとメリアとリリアとヒリアとサーシャリアとミーレスが後をついてくる
『レセナ様、こちらへ』
マルスが笑顔で言うと、みんなそれぞれの席に座っていく
『え! レセナ王女様!!』
父親が慌てて言うと、母親が慌てている
『今日はお祝いに参りました』
レセナが微笑みながら言う
『はじめまして、サトメル・リオンド・ベクラードです。本日は、おめでとうございます』
サトメルが微笑みながら頭を下げる
『はじめまして、サーシャリア・ラーゼリアです。本日はおめでとうございます』
サーシャリアが緊張して言う
『御丁寧にありがとうございます』
父親が慌てて言う
(どこの貴族だ? リオンド・ベクラード・・・聞いたことが有るような・・・ラーゼリアもどこの貴族だ? ヘルゼレス王国の貴族か?)
『メトリシア様、遅くなりました』
レイナールとクセリオが慌てたように入ってくる
『レイナール様、クセリオ様は、こちらです』
メトリシアが微笑みながら言うと、ハルドとアーセルの隣に座る
『間に合ったか・・・』
トリエスト子爵が慌てたように入ってくると、集まっている人を見て驚きの余り、目を見開いている
『あ! お祖父様、早く席について下さい!!』
リリシャが笑顔で言う
『は? リリシャ・・・何故国王陛下が・・・』
子爵が青ざめながら言う
(え! 国王陛下だけでなく、前国王陛下に王妃様まで・・・ヘルト殿下も)
『お祖父様、早く座ってください』
リリシャが笑顔で言うと、子爵が慌てて座り、周囲を見ている
(あの人は・・・レセナ王女様!! あの人は、レイナール王女様とクセリオ王子様!! 他の人も普通じゃない・・・リリシャ、何人王族を集めた!!)




