セレスバインと魔法学院 後編
2年生が練習を始めると、セレスバインが真剣に見ている
『凄いな・・・メーレスが言う通り、留学が必要だな』
セレスバインが2年生の魔法練習を見ながら言う
『この程度まだまだです』
メーレスが微笑みながら言う
『この程度?』
セレスバインが苦笑いしていると、隣の練習場を覗きに向かう
3年生が練習をしていると、セレスバインの血の気が引いていく
『これが学生・・・』
セレスバインが呟きながら見ている
『まだ普通のクラスです。 あ!! ちょっと待っていてください』
アーセルが気が付いて、2人の生徒を連れてくる
『ジエル様、メーレス様、はじめまして、ルーオルゼです』
ルーオルゼが頭を下げながら言う
『ジエル様、メーレス様、はじめまして、一生懸命カーレスト諸島の為に働きます。ファミーと申します』
ファミーが緊張したように頭を下げる
『あ!! ファミーさん、ルーオルゼさん、来年は頼みます』
メーレスが笑顔で言う
『まだまだ未熟者ですが、頑張ります』
ルーオルゼが満面の笑顔で言うと、ファミーも嬉しそうにしている。ジエルとメーレスと話し込み始める
『あれは?』
セレスバインが不思議そうに聞く
『カーレスト諸島に仕官した、魔法使いです。魔道具の魔力補充係です』
マルスが笑顔で言う
『良い人材を・・・』
セレスバインが羨ましそうに呟く
『カミラとソリナが1人前にする為に、今教え込んでいます』
マルスが笑顔で言うと、アーセルが微笑んでいる
『マルス様、え! セレスバイン様』
ルキアがやってくると、セレスバインを見て驚いている
『確か・・・王国に来ていた・・・ルキア殿だったかな?』
セレスバインが考えて言う
『はい! 覚えて貰えて嬉しく思います』
ルキアが笑顔で言う
『魔法学院の生徒達は素晴らしい実力者だ!! メーレスが派遣するように言うだけの事は有るな!』
セレスバインが3年生の魔法練習を見て微笑んでいる
『え? マルス様、クラスの練習させますか?』
ルキアが思い出したように言うと、呼びに向かい、ゾロゾロと生徒達が降りてくる
『あの生徒達は?』
セレスバインが驚いている
『来年の宮廷魔術師達です』
アーセルが微笑みながら言うと、みんなが魔法練習の準備を始めている
『宮廷魔術師達? 全員なのか?』
セレスバインが驚きながら見ている
『はい! 王家以外に仕官は面倒になりますので』
アーセルが微笑みながら言うと、次々と魔法を放ち始める
爆発と熱風にセレスバインが唖然と見ている。ジエルは、尻餅をついている
『セレスバインお兄様、解りましたか? クライドルト王国の魔法使いの実力が』
メーレスが微笑みながら言う
『は? 本当に生徒か? こんな魔法使いがこんなに』
セレスバインが呟き、苦笑いしている
(なんだ!! この威力・・・1人で良いから、仕官を・・・)
『マルスクラスと言われる、歴代最高のクラスです。マルス様が基礎を教えた魔法使いの集まりです』
アーセルが微笑みながら言う
『講師が何一つ教えられない生徒達です』
ルキアが笑顔で言う
『留学に派遣して正解ですよね?』
メーレスが微笑みながら聞く
『3年生の実力でも、我が国最高の宮廷魔術師と言われるだろう・・・3年後楽しみにした方が良いな』
セレスバインが考え込んでいる
(ちょっと待て!! このレベルの魔法使いがこんなに!! リベリアの英雄無しでも、クライドルト王国の戦力は物凄いぞ!! 騎士も凄い実力者が沢山いるのに・・・絶対にクライドルト王国とは仲良くしないと!!)
『講師に基礎が無いのが、魔法使いが退化した理由ですから、才能が有れば、このぐらい誰でも出来ます』
マルスが笑顔で言う
『才能が無くても、半人前になれました』
ルキアが嬉しそうに言う
『才能が無い?』
セレスバインがルキアを見ている
『ルキア先生は、マルス様と弟子達以外で、この学院トップの実力者です』
アーセルが微笑みながら言う
『アーセルさん、半人前の私なんかトップではないです!!』
ルキアが抗議している
『ルキア先生、事実です。 マルス様と弟子以外なのですから・・・手本を見せてください』
アーセルが微笑みながら言うと、セレスバインがルキアの後ろ姿を見ている
『・・・・ファイヤーキャノン』
ルキアが魔法を放つと、爆風と熱風が吹き荒れる
『これが学生か? 才能が無いと言ってなかったか?』
セレスバインが苦笑いしている
(ウォーレルの弟子達並みの実力者が才能が無い!!この国の基準が狂っているのか? リベリアの英雄の戦いを見てなければ、とんでもない実力者として、警戒する所だ!!)
『マルス様が出掛けている間、魔法を教えてくれました。 多くの人が先生と呼んでいます』
アーセルが微笑みながら言う
『先生か・・・魔法を教えるのも凄いのか?』
『丁寧で使える魔法の説明なので、完璧です』
アーセルが微笑みながら言う
『セレスバイン御兄様、カーレスト諸島やヘルゼレス王国からしたら、最大の交易相手になります。アーメルド伯爵家に嫁ぐので・・・羨ましいぐらいの仲の良さですが・・・』
メーレスが笑顔で言う
『アーメルド伯爵家に!! アーメルドの港町か! それは仲良くしなくては!!』
セレスバインが驚いている
マルスが屋敷に帰ると、アニーが待っている
『マルス様、御茶会の建物を作られた時の魔道具を作って欲しいのです』
アニーが笑顔で言うと、説明を始める
『わかった。泡立てと鉄板系を作れば良いのね・・・保温のワゴン有ったかな?』
マルスが笑顔で言うと、一緒に工房に歩いていく




