エレーヌの付与魔法
エミールとエレーヌが工房にやってくる
『マルス師匠、付与魔法の練習はしていました。こちらが挑戦する魔法陣です』
エミールが微笑みながら、紙を手渡して、マルスが真剣に見ている
『エレーヌ、試し書き込みをしてみよう』
マルスが笑顔で言うと、エレーヌが魔石を持ってきて、書き込み始める
『マルス師匠、どうですか?』
エミールが書き込まれた魔石をマルスに見せながら聞く
『綺麗だね・・・こことここが少しズレているかな?』
マルスが注意深く見て、エミールに言うと、エミールがじっくり見て微笑んでいる
『こんな所が・・・エレーヌ手直ししますよ』
エミールが笑顔で言うと、説明を始め、すぐに手直ししながら書き込み練習を始める
『これで完璧ですか?』
エミールが笑顔で言うと、マルスが注意深く見ている
『指摘する場所が見付からないね』
マルスが笑顔で言うと、エレーヌが少し嬉しそうにしている
エレーヌが剣を受け取り、魔法陣を発動して、剣の魔石に魔法陣を書き込み終わる
『綺麗だね』
マルスが笑顔で言うと、エミールも魔石を見てエレーヌに手渡す
『魔力を流して、魔道具化しましょう』
エミールが微笑みながら言うと、エレーヌが魔力を流して、剣全体が魔力の淡い光に包まれる
ランドレールは、書き込む早さに頷いている
『完成したか? 凄い書き込む速度だ』
ランドレールが笑顔で言う
『どうですか?』
エレーヌが剣をランドレールに手渡すと、ランドレールがじっくり剣を見ている
『凄い魔力だな・・・付加内容は?』
ランドレールがエレーヌを見て聞く
『構造強化と筋力強化と体力回復と状態異常耐性強化と状態異常回復力強化で』
エレーヌが微笑みながら言う
『は? そのどれが付加されているのだ?』
ランドレールが不思議そうに聞く
『5つ全部です』
エミールが笑顔で言う
『は? 何言っている!! 5つなんてあり得ないだろ? 冗談は止めてくれ』
『事実です。何か問題でも?』
エミールが笑顔で言うと、ランドレールがマルスを見ている
『ケーレスとレーゼンに渡そう』
マルスが笑顔で言うと、メトリシアとフローネが入ってくると、フローネとメトリシアが鑑定して微笑んでいる
『エレーヌも古代付与魔法師の仲間入りですね、おめでとう』
フローネが微笑みながら言う
『はい、フローネ様』
エレーヌが嬉しそうに言う
『付加内容を教えてくれ!!』
ランドレールがフローネに聞く
『構造強化と筋力強化と体力回復と状態異常耐性強化と状態異常回復力強化ですので、古代魔道具クラスですね』
フローネが微笑みながら言う
『はーーーーーーー!! 冗談では無いのか? 不可能だろ?』
ランドレールが驚きながら言う
『マルス達は、このぐらいの魔道具を簡単に作りますね・・・マルス達の常識です』
フローネが微笑みながら言う
『恐ろしさを知るか・・・恐ろしいな・・・これが英雄殿の恐ろしさなのか・・・』
ランドレールが考え込んでいる
ケーレスとレーゼンを呼ぶと、エレーヌが剣を手渡している
『早く壊してくださいね! やり直しが出来ますから』
エレーヌが笑顔で言うと、エミールが爆笑する
『は? 壊れることを望むのか!!』
ランドレールが驚いて叫ぶ
『壊れないと、新しい剣を作れませんから!!』
エレーヌが笑顔で言う
『壊れないと・・・この剣クラスは沢山持っているのか?』
『全員持ってます。新しく作る物が無いだけです』
マルスが笑顔で言うと、みんな頷いている
『完璧な魔道具・・・壊せないから新しい剣が作れないのか・・・英雄殿の恐ろしさか・・・』
ランドレールが頭を押さえながら呟く
『マルス様、この剣、凄い剣に見えますけど』
ケーレスが申し訳なさそうに言う
『名前書いてあるでしょ』
マルスが笑顔で言うと、ケーレスとレーゼンが慌てて文字を読んでいる
『ケーレスの剣』
『レーゼンの剣』
ケーレスとレーゼンが呟き、顔を見合わせる
『次は、剣とブーツも作ろうかな?』
マルスが考えて言う
『ケーレス君とレーゼン君の防具は、任せてください!! もっと付与魔法を勉強します!!』
エレーヌが笑顔で言う
『あ! エレーヌのブーツ作ってません』
エミールがエレーヌのブーツを見ている
『革職人いるから、作って貰おう』
マルスが笑顔で言うと、納屋に向かう
『作りますよ!!』
エミールが笑顔で言うと、ランドレールが後ろ姿を見て苦笑いしている
『この剣だけで十分って言えない』
レーゼンが呟く
『もう遅いのかな?』
ケーレスが呟く
『そうか・・・気持ちは解るぞ・・・門番にその剣は必要ないだろう』
ランドレールが苦笑いしながら頷いている
『手加減して貰えたのか、知ってますか?』
ケーレスが少し申し訳なさそうに聞くと、ランドレールが付加内容を教えている
『やった!! 手加減してくれた!! マルス様の最強の付与魔法じゃないぞ』
レーゼンが笑顔で言う
『良かった・・・伝説級じゃない!!』
ケーレスが笑顔で言うと、ランドレールが驚いている
(この剣で手加減? 嘘だろ? もっと凄い武器が有るのか?)
マルス達が納屋に入ると、ドワーフ達がマルスを見る
『ブーツ作れますか?』
マルスが女性のドワーフに聞く
『ブーツなら材料次第で作れます』
女性のドワーフが笑顔で言う
『待っていてください』
マルスが笑顔で言うと、素材庫に向かい、帰ってくる
マルスが戻ってくる
『靴底は、この硬質の革で良いですか? 全体はこれで良いですか?』
マルスが革を渡すと、女性のドワーフが革を見て驚いている
『最高級品の革!! 魔力の通る革をブーツに』
女性ドワーフが驚いている
『エレーヌ、靴のサイズを計って貰ってね』
マルスが笑顔で言うと、エレーヌがドワーフ達と話し始めて、足のサイズを計っている




