ついでの階層主討伐
7層に到着すると、数組の冒険者が座り込んでいる
『どうかしたの?』
キリシアが冒険者に聞くと、冒険者が驚いている
『階層主だ! モンスターパレードが発生している』
冒険者が不安そうに言う
『マルス。どうする? 雑魚面倒だよね?』
キリシアが笑顔で言う
『ちょっと相談かな? ルキア!!』
マルスがルキアを呼ぶと、ルキアとリーネが走ってくる
『マルス様どうかしましたか?』
ルキアが冒険者を見てから聞く
『階層主だから、数人選んで討伐に行くよ』
マルスが笑顔で言う
『どの班にしますか?』
ルキアが笑顔で言うと、マルスと生徒達の所に向かい、マルスが魔力視で5人と英雄騎士2人を選び、残りの学生達は、回復魔法で冒険者達の傷を癒し始める
マルスとミリアとオルガーとオリスとイースとルキアとリーネと生徒5人と英雄騎士2人を連れて、6層に上り始める
『結構いますね』
オルガーが気配を感じなから言う
『オルガー、斬り込みよろしく』
マルスが笑顔で言うと、オルガーとイースとオリスが階段を上がりながら、カークロッチを次々と斬って進み、階段の近くのカークロッチを殲滅している
『凄い・・・早い』
生徒が呟き、呆然と見ている
(あれが人間の動き? 早すぎて、腕が見えない)
『何している!! 離れず付いてこい』
マルスが生徒達を見て言うと、ルキアが指示を出して、警戒しながら集まる
『英雄騎士2人はここから前衛として、雑魚を近付けない役目を! ルキアとリーネの班に別れて魔法で援護するように!!』
マルスが言うと、英雄騎士隊員がマルスの指示した方に、斬り込み始め、ルキアとリーネの指示で魔法を放ちながら、進み始める
『ルキア班は、この小部屋を焼き尽くせ』
マルスが言う
『・・・・ファイヤーストーム!!!』
ルキアと生徒2人が魔法を放つと、炎の柱が3つ出来上がり、次々とカークロッチを飲み込んで、黒い煙に変えて、次々とカークロッチを焼き払いながら進む
大部屋まで到着すると、交代で中を覗いて確認している
『あれが階層主・・・』
生徒が呟くと、中央に大きなカークロッチと沢山のカークロッチがいる
『全員で焼き払って!! リーネは、階層主を狙って魔法を放ってね』
マルスが大きなカークロッチを見ながら言う
『・・・・ファイヤーストーム!!!!!!』
ルキアと生徒5人が魔法を放ち、炎の柱が6本出来上がりカークロッチを飲み込み、動き始める
『・・・・ファイヤーボール』
リーネが魔法を放つと、大きなカークロッチに当たり、爆発すると、ルキアの放った炎の柱に弾き飛ばされ、脱け出そうと暴れている
炎が晴れて、黒い霧も晴れ始めると、英雄騎士が中を覗きながら警戒をしている
『簡単に終わったか』
マルスが大部屋を覗きながら言う
『雑魚過ぎます』
ルキアが笑顔で言う
『ごめんなさい、弾き飛ばしたら、ルキア師匠の魔法に飲み込まれるなんて・・・』
リーネが反省したように言う
『階層主も弱すぎます! また間違いで消えてしまいました』
ルキアが笑顔で言うと、生徒達がミリアを見て苦笑いする
(え? 階層主を倒したのか? 魔法一発で・・・階層主って物凄く強いと聞いていたけど・・・これって良いのか?)
『面倒だけど、オルガー達は魔石を拾ってきてね』
マルスが笑顔で言うと、マルスは生徒達の魔力制御を見ている
『限界越えちゃったか・・・不治の病になるから、魔力制御を全力で始めなさい』
マルスが言うと、生徒達が慌てて魔力制御を始める
『あれ? 全く乱れてないです』
リーネが呟く
『残念です・・・不治の病になりませんでした。久々になると思ったのに・・・』
ルキアが呟くと、生徒達がルキアとリーネを見ている
『雑魚じゃ仕方無いよ』
マルスが笑顔で言うと、生徒達がマルスを見て苦笑いしている
(階層主を雑魚と言った!!)
オルガー達が魔石を持って帰ってくる
『ルキア、魔石は任せるね』
オルガーが集めた魔石の袋を、マルスに手渡そうとすると、マルスがルキアに袋を手渡す
『はい! 大魔石どうしましょうか?』
ルシアが魔石を見ながら聞く
『売って山分けして良いよ。必要無いし』
マルスが笑顔で言う
『みんなで話し合います』
ルキアが笑顔で言うと、戻っていく
『マルス、終わった?』
キリシアが笑顔で聞く
『リーネの魔法で吹き飛び、ルキアのストームに飲み込まれちゃった』
マルスが笑顔で言うと、みんな顔を見合わせて笑い始める
『雑魚じゃ仕方無いよね!! 帰るよ』
キリシアが笑顔で言うと、待っていた冒険者達を連れて、迷宮を上がっていく
迷宮を出ると、騎士が集まっている
『キリシア殿!! もしかして、階層主倒しましたか?』
デストラが走ってきて聞く
『倒した人達に聞いてね』
キリシアが笑顔で言うと、デストラが苦笑いしている
(5層だから、ヒストリアか?)
『ヒストリアが討伐したのか?』
『いえ、討伐してません』
ヒストリアが微笑みながら聞く
『エレーヌ殿』
デストラがエレーヌを見て聞く
『討伐した人に聞いてください』
エレーヌが微笑みながら言う
『誰だ? 英雄騎士隊員は、確認したか?』
デストラが英雄騎士を見付けて聞く
『学生5人とルキア様とリーネ様が、魔法で倒しました』
英雄騎士が笑顔で言い、詳細に説明している
『学生で倒したのか・・・』
デストラが苦笑いしながら、マルスを見てから、生徒達を見て苦笑いしてから、考え込んでいる
(来年の宮廷魔術師達か・・・報告はどうしたら? 階層主騒ぎになったから・・・騒ぐの面倒だな)
『デストラ、面倒だから任せたよ』
キリシアが笑顔で言うと、エリスナが馬車で迎えに来ているのを見付けて、ソリを荷台に乗せている
『みんな気を付けて帰るように』
マルスが笑顔で言うと、生徒達は寮に向かって歩いていく
『あ!! 英雄殿! なんて報告したら・・・・え! 帰った』
デストラが慌てて言う、マルス達の後ろ姿を見て慌てている
(なんて報告したら・・・英雄殿だからで済ませるしか無いか・・・)
『隊長・・・何て説明を?』
騎士達が苦笑いしている
『何も無かったように、帰ってしまいました』
騎士が学生達の後ろ姿を見ている
『騎士団より強い英雄騎士隊と来年の宮廷魔術師だけ招集した方が早くないか・・・もう緊急招集の意味ないだろう』
デストラががっかりしながら呟くと、騎士達が顔を見合せて、溜め息をしている




