王都の屋敷と馬車
翌朝、シルフィード号に向かい、乗り込み、上昇を始め、王都に向かって飛んでいき、城門に向かって降下する
『英雄様、お帰りなさい』
門番が手を振りながら言う
『屋敷に向かいます』
ヒストリアが大声で言うと、門番が手を降っている
シルフィード号が着陸する
『マルス様、お帰りなさい』
カミラが笑顔で言う
『カミラさん、ただいま。何か有ったかな?』
マルスが笑顔で言う
『今日はソリナが、迷宮鍛練の当番しています』
カミラが微笑みながら言うと、リアクラナとクレセが降りてキョロキョロしている
屋敷の前までくると、リアクラナとクレセが唖然と屋敷を見ている
『リアクラナ、クレセお兄様、何しているのですか?』
リリシャが立ち尽くしているリアクラナとクレセを見て聞く
『え! リリシャ・・・ここはどこだ?』
クレセが慌てたように言う
『マルスの王都の屋敷です』
『は? 本当に王都か? この土地どこだ?』
クレセが慌てたように聞く
『魔法学院の横ですよ』
『は? 魔法学院の横・・・』
クレセが呟く
(ちょっと待て!! 魔法学院の横だと!! 王族が住んでいると噂の屋敷だぞ!! リリシャ、なんて所に案内しているんだ!!)
『リリシャ・・・どうしてこんな屋敷に用が有るのですか?』
リアクラナが理解できずにいる
『リアクラナ、早く入りましょう』
リリシャが、腕を引っ張って屋敷に入っていき、リビングに向かう
『マルス様、焼き菓子もう少しで焼けます』
レセナが、笑顔で厨房から顔を出して言う
『レセナ、お腹空いたよ』
キリシアが笑顔で言うと、椅子に座る
『キリシア様、こちらをどうぞ』
リリアがパイを持ってくると、キリシアがつまんで食べる
『美味しい!!』
キリシアが笑顔で言うと、リリアが嬉しそうにしている
リリシャが、リアクラナとクレセを連れてくる
『マルス様、どうなっているのですか? この屋敷は、誰の屋敷なのですか?』
リアクラナが落ち着かないように言う
『え? ここはマルス師匠の王都の屋敷です』
メトリシアが笑顔で言う
『え? しかし、冒険者ですよね?』
リアクラナが慌てたように言う
『冒険者ですよ』
『何故? ここは王族が住んでいると噂の屋敷ですが・・・』
リアクラナがメトリシアを見ながら言う
『ん? 住んでいますけど』
メトリシアが笑顔でリアクラナを見ている
『え? 何故?』
リアクラナが理解できずにリリシャを見る
『リアクラナ、忘れましたか? メトリシアもクライドルト王国の王女様ですよ』
リリシャが微笑みながら、リアクラナを見ている
『え? あぁーーーーー! 申し訳ありません』
リアクラナが思い出して頭を下げると、クレセも慌てている
『リアクラナさんも座って、ゆっくり食べてくださいね』
レセナが、焼き菓子を持ってきて、テーブルにおいて微笑んでいる
『はい・・・え? レセナ王女様!!』
リアクラナが慌てて頭を下げる
『ここでは、お菓子作りの修行に来ている人です』
レセナが笑顔で言うと、みんな微笑んでいる
『え? 何故?』
リアクラナが驚いていると、クレセが青ざめている
『この屋敷では、身分なんて関係有りません。熱い内に食べてくださいね』
レセナが微笑みながら言う
『リリシャ・・・どうして、レセナ様が・・・』
リアクラナが助けを求めるように、リリシャを見ている
『帰ってましたの』
アリシアが笑顔で入ってくると、当然のように座り、レセナの焼き菓子を取り分けて貰って食べ始めると、リアクラナがあまりの事に目を見開き見ている
『アッアッアッアリシア王女様!!』
リアクラナが大声をあげる
『リアクラナ、お久しぶりですのー。ここでは、マルス様の屋敷に居候中の魔法学院の講師ですの』
アリシアが笑顔で言うと、クレセがぎこちなくリリシャを見ている
『アリシア王女様が何故?』
リアクラナが驚きながら呟く
『マルス様の屋敷は快適ですの』
『しかし、ここが襲われたら大変ですが・・・』
『襲ってくれたら、相手してあげますわ!!』
アリシアが笑顔で言うと、みんな微笑んでいる
『愚か者は、お仕置きです!! 早く襲いに来てくれないですか?』
メトリシアが笑顔で言うと、リアクラナが思い出したように、苦笑いしている
(英雄様の屋敷を襲ったら、全員お仕置き?止めれるのは・・・メトリシア様が住んでいるなら、反逆罪? 宣戦布告? 怒らせたら・・・どうなるのでしょうか?)
リアクラナとクレセが落ち着つき、屋敷に帰る準備をしている
『あ! リアクラナ、結婚祝いの馬車、乗って帰ってくださいね』
リリシャが笑顔で言う
『馬車? あ! ありがとうございます』
リアクラナが笑顔で言うと、クレセが青ざめている
(馬車? 本当に馬車なのか?)
『準備してくれていますので、案内しますね』
リリシャが微笑みながら言うと、外にでて、家紋が有る馬車を英雄騎士達が準備をしている
『凄い馬車・・・』
リアクラナが笑顔で言うと、リリシャの案内で外観を見ている
『え!! 何?』
リアクラナが馬車の中を見て、青ざめている
『リアクラナ、こっちに窯と鍋と水差しが有りますよ』
リリシャが笑顔で言うと、クレセが頭を抱えている
『リリシャ!! こんな豪華な馬車、貰う訳にはいきません!!』
リアクラナが慌てて言う
『え! 結婚祝いです!! 家紋も全部つけてあります』
リリシャが言うと、リアクラナが家紋を見て、考え込んで、泣きそうになっている
(快適な馬車は言いましたが・・・シャンデリアから魔道具まで付いているなんて聞いてません!! それ以前にどのぐらいの価値なのですか?)
『ジエル兄さんは知っていたのか? ジエル兄さんには何をプレゼントを?』
クレセが青ざめながら聞く
『メーレス様には、お風呂です』
リリシャが笑顔で言う
『お風呂? お風呂だけなのか?』
『お風呂です!!』
リリシャが笑顔で言うと、みんな笑っている
『リアクラナ様、クレセ様、試乗して帰ってくださいね! 扉の鍵は・・・』
マルスが鍵のかけ方と開け方を教えている
リアクラナとジエルが馬車に乗り込み、屋敷に帰っていく




