リベリアとリアクラナ
屋敷の前に来ると、レセリオーナとセリカが唖然と見上げている
『何しているのですか?』
メリアが笑顔で聞く
『メリア様・・・ここは誰の豪邸ですか?』
レセリオーナが不安そうに聞く
『マルス様の屋敷です。 早く行きますよ』
メリアが微笑みながら言うと、レセリオーナとセリカが慌ててメリアの後を付いてくる
『マルス様・・・追加の部屋が必要なのですね』
クエリスがレセリオーナとセリカを見て聞く
『奴隷のレセリオーナとセリカです。納屋の上の部屋は空いてますか?』
メリアが笑顔で聞く
『はい、空いておりますが・・・身分有る人ですよね?』
クエリスが怪しみながら聞く
『ガベラス王国で反乱を起こした公爵家の元令嬢ですが、既に公爵家は取り潰されています。』
メリアが笑顔で言う
『畏まりました。それでは侍女として躾ますか?』
クエリスが考えて聞く
『お願いしますが、商会の手伝いもさせます』
メリアが笑顔で言うと、ヒリアがやってくる
『あれ? レセリオーナとセリカ? 何故ここに?』
ヒリアが笑顔で聞く
『え!! ヒリア姫様!!』
レセリオーナが驚いて声をあげる
『姫では無いですよ、レズオスの妻です』
ヒリアが笑顔で言う
『レズオス師の? えーーーーーーーー!! けけけけけ結婚したのですか!!』
セリカが目を見開き声をあげる
『王国を追放された方が幸せになれるなんて思ってませんでした』
ヒリアが微笑みながら言う
『幸せに・・・こんな怖い人達と一緒で?』
セリカが不安そうに言う
『怖い? 敵には物凄く怖いですね・・・2人でガベラス王国全滅させれます。 怒らせないようにしなさいね! それと秘密は守るように!!』
『はい・・・怒らせたら・・・早く死なせて欲しいです』
レセリオーナが泣きそうになりながら言う
『ヒリアさん、少し案内を頼みますね』
マルスが笑顔で言うと、メリアとヒリアが案内に向かう
暫くして、戻ってくると、レセリオーナとセリカが青ざめている
『クエリスさん、躾お願いしますね』
マルスが笑顔で言う
『英雄様・・・部屋が豪華なのですが・・・』
レセリオーナが泣きそうになりながら言う
『普通の部屋だよ』
マルスが笑顔で言う
『マルス様に豪華と言う概念が有りません! 黙って使いなさい! あの部屋は下女と下男用の部屋です』
クエリスが微笑みながら言う
『城より凄いのですが・・・』
セリカが呟く
『あ!! 追加で何か欲しい魔導具有るかな?』
マルスが笑顔で聞く
『え! 追加・・・』
レセリオーナが助けを求めるようにヒリアを見る
『こうなるので、文句は言わないように』
ヒリアが笑いながら言うと、レセリオーナとセリカが頷いている
メトリシアとアニーが帰ってくると、シルフィード号は上昇を始め、東に飛んでいき、リベリアが見えてくると、降下して城門に近付く
『お帰りなさい!! 発着場にどうぞ!!』
門番が手を振りながら言うと、シルフィード号が発着場に着陸して、荷物を下ろし始める
馬車がやってくると、ウイントレスとクレセとリアクラナが降りてくる
『帰ってきたか?』
ウイントレスが笑顔で言う
『リアクラナ、ようこそリベリアに』
リリシャが笑顔で言う
『リリシャの屋敷なのですか?』
リアクラナが周囲を見て言うと、クレセが呆然と見ている
『ここは、発着場です』
リリシャが微笑みながら言う
『え? 発着場? 豪邸なのですが・・・』
リアクラナが建物を見て言う
『マルスが楽しくて作った発着場です。練習場が欲しかったから、発着場の下に色々部屋が有るだけです』
リリシャが笑顔で言うと、クレセが頭を抱えている
『何を言っても無駄だ!! 発着場の土地を与えたら、豪邸が簡単に数日で建って、住むと思ったら、迷宮から遠いから、住まないそうだ!! あそこに監視の兵士が滞在しているだけの、発着場だ!!』
ウイントレスが笑いながら言う
『家に案内しますね』
リリシャが嬉しそうに、リアクラナに言う
歩いて、家の前まで来ると、ラーザが笑顔で門を開けてくれる
『お帰りなさい』
ラーザが笑顔で言う
『ラーザただいま、何か有ったかな?』
キリシアが笑顔で聞く
『キリシア師匠、平和です』
ラーザが笑顔で言うと、中に入っていく
リアクラナとクレセが建物を見て、立ち尽くしている
『何しているのですか?』
リリシャが笑顔で聞く
『リリシャ!! こんな豪邸に住んでいるのですか?』
リアクラナが驚きながら聞く
『マルスが手狭で建て替えました!! 楽しかったですよ』
『は? 建て替えた・・・こんな豪邸に冒険者が住めるのか?』
クレセが慌てたように聞く
『普通です』
リリシャが笑顔で言うと、屋敷に入っていく
『あり得ない・・・』
クレセが呟いて苦笑いしている
『クレセ、気持ちは解るが、中を見たら驚くぞ』
ウイントレスがニヤリして、クレセを屋敷内に連れていく
応接室に入ると、リアクラナとクレセが唖然としている
『少し待っていてください、すぐに部屋を用意して貰います』
リリシャが笑顔で言うと、ステラがやってくる
『キリシア様、お客様ですか?』
ステラが笑顔で聞く
『リリシャのお兄さんと奥さん!! 部屋用意して』
キリシアが言うと、ステラが頭を下げて出ていく
『お父様が、リリシャの生活を見てこいと言われて、ついでに寄りました・・・まさか、こんな豪邸に住んでいたなんて・・・』
リアクラナが落ち着いてから、リリシャを見ている
『弟子が出来たので、家を買っただけです。手狭になったから、周囲の土地も買ったけど、手狭になって、建て替えましたよ』
リリシャが笑顔で言う
『かなり苦労を重ねたのですね・・・』
リアクラナが呟く
『困ってないのは、事実だろうけど・・・』
クレセが呟く
(リリシャ、相当な資産を持っているのか? それ以前に、こんなに魔法のランプが有るんだ?)




