工房と馬房
翌日、大工達が材料とテーブル等を工房に運び込んで組み立てを始める
『数日で工房の内装は出来上がります』
大工はそう言うと忙しそうに仕事をする
『数日後に私達の工房が出来上がるんだね』
リリシャは嬉しそうに微笑む
『リリシャ、今日もエミールと勉強かな?』
『そうします』
『キリシアはどうする?』
『馬に乗る練習でもしようかな?』
『乗馬ですか?』
『そう!してみたかったから』
『馬車用の馬具しかないので買ってきましょう』
『そうだね!』
キリシアはそう言って笑う
『キリシア、思ったんだけど、馬の世話係が必要だよね』
『そうだね。ルメイルだけじゃ工房が完成して、いない時に襲われたら大変な事になるね』
『シュルトの所に行って孤児院かどこかで見つけよう』
『そうだね。イリア、孤児院で馬の世話出来る男の子居ないかな?』
『え?あ!はい!います』
イリアはいきなり振られて驚きながら言う
『その子は何になりたいとか言っていたかな?』
『商人になりたいとか言っていました』
イリアは考えながら言うと笑顔になる
『ルメイル、ごめん留守番頼んで良いかな?』
『大工もいるので仕方ないです』
『見つけて来たらすぐに馬具買いに行こうね』
『アニーは一緒に来て、ミリアは少し留守番お願いね』
『はい!師匠』
イリアを連れてシュルトの所に向かう
何でも屋に入り
『シュルト、お願いが有るのだけど』
『下男で馬の世話を出来る子居ないかな?』
『早速孤児院に行きましょう』
シュルトはイリアを見て微笑みながら
『イリアは幸せか?』
『驚く事が沢山有りますが、いい人ばかりなので幸せです』
イリアは笑顔で言う
『孤児院は喜ぶでしょうね』
孤児院に着いて、院長にシュルトが話をしてくれて
『馬の世話と屋敷の門番と雑務出来る子は沢山いますので選んでください』
院長は別の部屋に子供たちを集める
『イリアは友達と遊んでくる?』
『良いのですか?』
『私達の家の中と秘密を守ればね』
『ありがとうございます』
イリアは部屋を出ていく
『この子達の中から選んでください』
並んだ子供たちに質問しながら選ぶ
『キリシア、リリシャ、エミール、アニーは決めた?』
『決めたよ』
みんなで相談して決定する。5人で1人の男の子を選ぶ
『院長、この子にします』
『わかりました。ラーザ、良いですか?』
『はい!よろしくお願いします』
ラーザは頭を下げて言う
『イリア』
『はい!帰りますか?』
『帰るよ。もう良いかな?』
イリアは笑顔で頷く
『ラーザを選んだんですね』
『お友達?』
『はい!ラーザは優しいから好きです』
『イリア、恥ずかしい!』
ラーザは顔を赤くする
『ラーザの事もよろしくお願いします』
院長はそう言って頭を下げる
孤児院を出てシュルトが
『院長がお礼を言っていました。イリアの服装と笑顔で、良くしてくれている事がわかりますからね』
『普通だよ。一緒に住んでいるんだから』
『下女にここまでしてくれる人はいませんから。私はここで失礼します』
キリシアは紹介料を渡してシュルトと別れる
『私達はフローネ先生の家に行くね』
リリシャとエミールは2人でフローネの家に向かう
一度家に帰り、
『ラーザの部屋はどこにする?』
『ステラの隣の部屋はまだ空いているからそこでどうかな?』
『良いかな?ステラ、イリア?』
『良いと思います』
ステラはそう言う
『掃除、お願いね』
キリシアとルメイルとマルスとミリアとラーザは市場に向かう
『ラーザの服を選んだら、馬具を買ってから帰る?』
『ラーザの部屋の家具無いから、買わないとね』
『そうだね』
家具屋に入り
『キリシア様、何か必要ですか?』
『この間の二段ベッドとかテーブルとかまだあるかな?』
『有ります』
『家に運んでおいて、これが代金ね』
『畏まりました。いつもありがとうございます』
服屋でラーザの服を選び、着替えさせる
『自分なんかにこんないい服よろしいのですか?』
『ちゃんと仕事をしてくれれば良いよ』
『一生懸命仕事します』
ラーザは喜びながら笑顔で頭を下げる
馬具を買ってからキリシアとルメイルとラーザは帰る
『ミリア、ちょっと魔道書探してから帰ろうか?』
『はい!師匠・・・』
ミリアは何故か少し顔が赤くなっている
市場の店を2人で見て周りながら、付与魔法の古本と魔法についての古文書を買って、ミリアの服を1着買って帰るが、市場を出た所で男に取り囲まれる
『ガキと嬢ちゃん、痛い目みたくなかったら金を出しな!』
『急いでいるから、相手している時間が勿体無い。どいて』
『ガキ!なめているのか!!!』
いきなり殴りつけてくるが避ける
『ガキが避けやがって!!!』
全て避けて
『遅すぎてやる気も起きないから、そろそろ帰るね』
『クソガキ!!』
ナイフを抜いて襲ってくるが
『お前ら押さえろ!切り刻んでやる!!』
3人の男が飛び付いて来るがマルスは3人とも殴り、壁まで殴り飛ばす
『え?何故?まさか・・・』
男は腰が引けて
『まだやる?』
『このガキ!』
ナイフを突き刺しにくるが、マルスはかわしながらナイフを持っていた手を砕き、股間を蹴り上げて悶絶させる
『ばば化物!!』
壁に飛ばされた男たちは大声で言って怯えだす
『ミリア、帰ろうか?』
『警備隊につき出さないで良いですか?』
『面倒だけどそうした方が良いかな?』
『ナイフ振り回したし、余罪有るかもしれないですから』
遠くから警備隊隊員がやってくるのが見え
『マルス殿!こいつらは?』
『金出せと言ってきたのと、襲ってきたから叩き潰しただけですよ。そいつはナイフで突き刺そうとしたから、腕を折っておいた』
ロープで縛り上げ、終わったら
『では預かっておきます。こいつらの性根叩き直したかったら言ってください、手伝いますので』
『わかりました。今から少しお邪魔しようかな?』
ミリアを見ると笑い始めている
『本当ですか?』
警備隊員はニッコリしながら
『良かったな!死ぬより怖い稽古つけてくれるそうだ!死にそうになっても、回復魔法で何回でも回復してくれるから安心して死にそうになればいいぞ』
1人の男が逃げた
『あ!逃げたね。罪状増えたのかな?』
『逃亡罪が増えました』
『捕まえてくるね』
マルスは移動して回り込む
『逃げたらダメだよ』
『くそーこのやろう』
男は体当たりしてくるが、かわして、足をかけて倒してから、足をつかみ、ぐるぐると回して男達目掛けて投げる
『ヒィーー!!』
男達は驚き尻餅をつく
『ミリア、回復魔法かけてあげて』
『わかりました』
『・・・・・・・ヒール』
ミリアはニッコリとして
『後100回は余裕ですから、頑張ってくださいね』
ガクガク震えだして、涙を浮かべて
『助けてくれ!!!!』
他の男達は青ざめていく
『警備隊員様助けてください殺されます』
『殺される前に回復してくれるから大丈夫ですよ』
警備隊員の言葉に
『助けてください・・・お願いします』
『今までの余罪全て吐いてくれたら、牢屋で守ってあげますけど』
警備隊員の言葉に
『この付近で窃盗繰り返していました。この間、女を襲いました。後は、西区の老婆の家で盗みをしました』
男は罪状を次々と言ってくる、
『西区の老婆の家?貴様ー!!殺しもしていたのか!!!』
警備隊員は激怒する
『そうだ!牢屋にいれてくれるだろ』
『しっかり罪を償え!!!』
警備隊員は男達を警備隊の詰め所に連れていく、マルス達もついていく
詰め所に到着して
『こいつらを牢屋にいれる前に、余罪すべての取り調べをするぞ!!』
『どうした?何があった』
警備隊員がマルスを見て
『そいつらが襲ってきたから叩き潰しただけ、その後、ちょっと脅したら余罪を吐いて、それを聞いて激怒した』
『マルス殿を襲った馬鹿ですね!余罪で激怒?』
『西区の老婆の家に盗みって言っていたかな?』
『西区の老婆・・・殺しですね。それもあいつの知り合いだから激怒か・・・わかりました。お手数おかけしました』
『じゃあ帰るね』
『ありがとうございました』
警備隊員達は男を取り囲み
『本当に西区の老婆の家に盗みに入ったんだな!!盗んだものはどこにある!!言わないとマルス殿に性根を叩き直して貰うぞ!!』
男達は怯えながら次々と答える。そして取り調べが終わり、牢屋に入れる
『マルス殿の効果、凄いですね』
『片手で男をぐるぐる回して投げて、すぐにミリア殿の回復魔法で回復をした後に[後100回出来るから頑張ってください]って聞いたら流石に怯えますよ』
警備隊員達は苦笑いしながら
『拷問する必要がなくて良いですね』
『隊長も同じ事を言っていましたけど』
『拷問と同じですが、見ているだけで恐怖しますからね』
『ミリア、大分遅くなっちゃたね』
『楽しかったから良いです』
『おいガキ!痛い目に合いたくなかったら有り金全部出せ!!』
振り向くと1人の男が剣を抜いて立っていた
『またか・・・はぁー』
『急いでいるので失礼します』
マルスを見てからミリアが言うと
『死にたい様だな!!』
いきなり剣を振りかぶって、ミリアに斬りかかるが、マルスはミリアの手を引いてかわさせる
『ミリアに攻撃したな!!』
『ガキが死ね』
男はマルスに剣を振るうが、マルスは間合いの中に入り、腕を掴み投げ飛ばす
『まだやる?』
『このクソガキ』
男は向かってくるが、マルスは片腕を砕いてから殴り倒す
『ぐぁー』
痛みに男はうずくまる
ミリアがこっちに来たのを見た男は、ナイフを出して
『キャー』
ミリアを刺しにくるがマルスは腕を砕き、股間を蹴りあげる
男はうつ伏せに倒れ、白目を剥いている
『ミリア、大丈夫?』
『すいません、油断しました』
『こいつの剣とナイフを持ってきてくれる?』
『わかりました』
マルスは男の足を掴み、引きずって警備隊詰め所に行く
『すいません』
『どうしましたか?』
『また返り討ちにしたので渡しておきます』
『こいつは!!手配されていた奴だ!』
警備隊員は男を問い詰めると認めた
『ありがとうございます』
『また帰り道襲ってくる奴いるかな?』
『馬車で送らせます』
『良いのですか?』
『また襲われたら、持ってきて頂くの大変だと思いますので』
警備隊員は笑いだす
『ちょっと面倒ですね。だけどそいつはミリアに斬りかかったから、みんなで仕置きしようかな?』
『面白そうですね』
警備隊員は男を睨めつけながら言う
『キリシアに相談してみよう』
マルスの言葉に警備隊員は笑いだす
警備隊員に送って貰い家に入ると
『どうしたの?警備隊に送って貰うなんて?』
『襲われたから返り討ちにしたよ。その帰り道にまた襲われて、返り討ちにして、警備隊に突き出したら送ってくれた』
『マルスを襲った馬鹿いるんだね』
キリシアが言うと
『見た目は子供ですから・・・危険でしたね』
ルメイルが言うとみんな同意する
『キリシア、明日警備隊行かない?ミリア襲った奴にお仕置きしたいし』
『マルスを怒らせるとは・・・』
リリシャが言うとエミールが笑う
『師匠を怒らせたらどうなるか見たいですね』
アニーが軽く言うとみんな笑いだす
『あの~マルス様を襲われた事を心配しないのですか?』
ステラが言いイリアとラーザが見ている
『相手が人じゃ、手加減が難しいからそっちが心配』
キリシアが言うと
『え?相手が心配?』
『マルス師匠は警備隊隊長を軽く叩き潰すぐらいの使い手ですから』
『え?え・・・・・本当でしょうか?』
『マルスだからで理解してください』
アニーは笑いながら言うと
『承知しました』




