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異世界転生失敗から始まる魔法使いの生活  作者: 桂崇
第17章 オルセント王国の危機と北の国
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試食会

家具や食料を侍女が運び込み始めると、クレシアは厨房でアニーと料理を作り始める

『メトリシア、マルス殿、少し密談が有ります』

王妃が微笑みながら言うと、3階に向かう

『御母様、密談と言うと?』

メトリシアが人が居ないのを確認して聞く

『国内の貴族の事は、大体解っていますね?』

王妃が微笑みながら聞く

『かなり減っていますけど、面倒な貴族もいます』

メトリシアが考えてから言う

『その通りです。 今年の宮廷魔術師の大量雇用で、魔法師の勢力図が一気に変わりました。 その頂点にマルス殿が居るので、厄介事が舞い込む可能性が有りますが、リベリア公爵家とアーメルド伯爵家とリーガルト伯爵家とトリエスト子爵家が、後ろ楯なので、手出しは出来ないでしょう。』

王妃が微笑みながら言う

『面倒事持ち込んだら、叩き潰します』

メトリシアが笑顔で言う

『もう一つ、トリエスト子爵家とカーレスト諸島とアーメルド伯爵家に魔法使いが仕官したのは、良い事ですが、実力は有るのでしょうか?』

王妃が真剣にマルスを見ている

『今、カーレスト諸島とトリエスト子爵家とリベリアと王都とアーメルドの担当者は、カミラとソリナが鍛えています。魔力補充位は出来ます』

マルスが笑顔で言う

『はい! マルス師匠、船一隻位吹き飛ばせるぐらいの実力しか有りません』

メトリシアが笑顔で言う

『それは良かった・・・後は北側と西側に良い魔法使いを送ります。 国内安定出来て良い事です』

王妃が嬉しそうに言う


『本当の密談は、どこの事ですか?』

マルスが笑顔で聞く

『北の国々です・・・北のあの後始末の為に、信用出来る者達を送り、調査してましたが・・・事態は深刻です。 北の諸国では、魔獣の大量発生や大国同士の戦争準備等が有ります。 そこにラーゼリア王国の崩壊で、いつ大戦が始まってもおかしく無い状況です』

王妃が説明を始める

『マルス師匠、どうしますか?』

メトリシアがマルスを見ている

『しばらく放置かな? 手出ししたら、色々面倒だから』

マルスが興味無さそうに言う

『それが良いですね・・・3年前だったら、大慌てする事態ですが、南の大陸の安定に、西の諸島の安定に東の国々も復興が進んでいますが、実は、クライドルド王国も人材に余裕が有りません』

王妃が笑顔で言う

『御母様、笑顔で言う事ですか?』

メトリシアが笑いなら聞く

『魔法学院の留学生と外交担当達の来訪で、周辺諸国の状況が解りました。騎士学院のゼダルの研究室設立で、達人を目指す人達の成長が解っています。 今年の仕官する騎士達も、おごりなど有り得ません。何故なら、ヒストリアと言う剣姫を間近で見ていますから・・・英雄騎士隊に志願したい騎士も増えていますね』

王妃が笑顔で言う

『騎士団も再建出来そうですか?』

『騎士団入団試験で、昨年卒業の騎士達が全員滅多打ちにされて、今年の卒業生は、過去数十年で最高の実力を示しています。 落ち込む騎士団長の姿が、傑作でしたよ! 宮廷魔術師達なんて、マルスクラスではなく、一般の生徒の試験で、実力の違いから、絶望して泣いていました。 嬉しくて大笑いしましたわ! 全員、宮廷魔術師にしたら、大変な事になりますので、魔法師団特別研究隊にしますよ』

王妃が満足そうに言う

『御母様楽しみ過ぎですか?』

『今が1番楽しいですね! 権力争いも出来ない貴族達と、新しい人材達に、隣国各国の状況・・・可愛い王女達とのお茶会・・・ふふふ、この建物も凄く楽しみにしてましたわ!!』

王妃が嬉しそうに言う

『クレシア御姉様よりも、御母様が早く作って欲しかったのですね』

メトリシアが呟く

『ヘルトが早く頼まないから、諦めていましたが、まさか、子供の為にすぐに作ってくれるなんて・・・嬉しすぎて、叫びたくなりますわ』

王妃が嬉しそうに笑っている


『マルス師匠、試食が完成しましたので、下に来て下さい』

ヒストリアが呼びに来ると、2階に向かい、みんなが待っている

『マルス様、凄く使いやすいですね! あの鉄板焦げつかないので、わざと焦がして見ましたが、逆に美味しい物になりました。 窯は最高ですね・・・掃除も出来ますが、何より熱が均等に広がり、凄く使いやすいですね・・・この鍋は、野菜や魚を炒める事も、スープも、何でも出来ます。』

クレシアが、上機嫌で嬉しそうにしている

『この短時間で、こんなに作ったのですか?』

マルスが並んでいる料理を見る

『同時進行で作れました・・・今パイを焼いて貰っています』

クレシアが笑顔で言う

『お茶会が楽しみですね・・・クレシア、疲れたら休みなさいね』

王妃が微笑みながらクレシアを見ている

『はい、実はあまり歩いてません、アニーが一緒ですから』

クレシアが笑顔で言うと、みんな料理をつまみ始める

『この魚・・・油使ってないのですか?』

王妃が食べながら聞く

『焦げつかないので、焼いてから、ソースを掛けています』

『この肉も・・・塩と香辛料だけですね』

王妃が美味しそうに食べながら言う

『この鍋と鉄板のお陰です。 野菜炒めも油なんて入れなくても、作れて良いです』

クレシアが嬉しそうに言う

『パンは少し焦げていますね』

王妃が不思議そうに言う

『火力調節を、失敗しました。 すぐになれますが、最新式は凄いですね』

クレシアが笑顔で言う

『マルスの所為です。あんな改造するなんて、マルスだからです』

リリシャが嬉しそうに笑っている

『あの構造なら、火力の必要な料理が沢山作れます。今もパイを焼いて貰っています』

クレシアが笑顔で言うと、王妃が嬉しそうに見ている

『お茶会が楽しみですね。セクラ王女とレセナ王女とメーレシア王女とメリアとヒリアとサトメル王女とサーシャリア王女を呼んで楽しみましょうね』

王妃が笑顔で言う

『レイナール様とミーレスも仲間に入れてくれますか?』

マルスが思い出したように言う

『あ!! 忘れていましたね・・・レイナール王女は、魔法学院で学んでいますか?』

王妃が思い出して聞く

『マルスクラスと、ルキア先生の生徒です。 エリカちゃんの弟子かも』

メトリシアが笑顔で言う

『それは楽しみですね・・・あの国も思い知るでしょう。英雄殿の生徒ですら、各国の宮廷魔術師以上の魔法使いだと』

王妃が笑いながら言う

『楽しいお茶会になりますね』

クレシアも楽しそうに笑う

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