リーベルと魔法練習
リリシャの魔法練習が終わると、エビリアとクレスタが魔法練習を始める。入口から多くの生徒と講師が中を覗いている
『師匠・・・なんで、ここで魔法練習を・・・』
リーベルが泣きそうな声で言う
『リーベル、どうかしたのですか?』
フローネがリーベルを見ている
『どうかした? ここでリリシャ達の魔法練習は禁止してください!! 常識外の魔法過ぎます!!』
リーベルが大声をあげる
『そうですか? このぐらい、普通の魔法ですよ』
フローネが微笑みながら言う
『どこが普通ですか!! どこから見ても、普通では無いです!!』
リーベルが大声で叫ぶと、フローネが魔法を放つ準備をする
『ファイヤーキャノン』
フローネが魔法を放つと、的に当たり大爆発をすると、熱風と爆風が吹き荒れる
『リーベル、このぐらいは出来ますよね?』
フローネが微笑みながら聞く
『師匠まで・・・常識外に・・・』
リーベルが泣きそうな顔で呟く
『リーベル、何ですか?』
『師匠!! 師匠もここで魔法練習はしないで下さい!! 師匠の魔法も最早常識外過ぎます!!』
リーベルが慌てて叫ぶ
『ルキア、最大威力で魔法を放とうか?』
マルスが思い付いて言うと、ルキアが嬉しそうに魔法を放つ
『・・・・ファイヤーキャノン』
ルキアが魔法を放つと、爆風と熱風が吹き荒れ、リーベルが唖然とする
『ルキアも常識外です!! ここで魔法練習しないで下さい!!』
リーベルが慌てて叫ぶ
『え! 生徒に魔法練習禁止にするのですか!!』
ルキアが大声で言うと、みんな笑い出す
『あ!! ルキア・・・生徒でしたね・・・なるべく人が近付かない所で、練習してください』
リーベルが、泣きそうになりながら言う
『全員最大威力で魔法練習してね』
マルスが生徒達に言うと、次々と魔法を放ち始め、爆風が吹き荒れている。講師と生徒達は、青ざめて、立ち尽くしている
『いつの間に・・・マルス!! どんな練習をさせているのですか!! 常識外にも程が有ります!!』
リーベルが大声でマルスに言う
『もう少しで普通の魔法使いかな?』
マルスが笑顔で言うと、レズオスが頭を押さえている
(どこが、普通の魔法使いだ!! 普通の賢者の間違いだろ・・・御母様も完全に常識を忘れている)
『魔法学院の歴代学生で最高クラスの魔法使いが、沢山居て良かったですね』
リリシャが微笑みながら言うと、みんな笑っていると、リーベルが泣きそうになっている
(なんで・・・どうなっているのよ!! マルスをどうにかして!!)
『リーベル様、今年行く宛の無い卒業生は、残っているかな?』
マルスが思い付いて聞く
『誰の所為で・・・全員魔法師団試験と宮廷魔術師試験に合格しました!! マルス達が選んだ人達以外は、全員魔法師団入りです!!』
リーベルが大声で叫ぶ
『魔法師団か・・・魔法師団も再建出来るのかな?』
マルスが呟くと、メトリシアが笑っている
『御父様に確認しておきます!! 魔法師団に入っている人達と比べられたら、大変な事になります』
メトリシアが笑顔で言う
『それは・・・既に問題に・・・試験で魔法師団の練習場を破壊して、国王陛下が笑っていました・・・宮廷魔術師試験は、町中の練習場でやりましたが・・・学生の実力を間の当たりにして、宮廷魔術師達が落ち込んでいました・・・宮廷魔術師から、魔法の指導を頼まれましたが・・・マルスクラスが教えるしか無いので、伝えたら・・・生徒に教えて貰うしか無いと知って、落ち込んでいました』
リーベルが苦笑いしている
『来年の講師の件は、聞きましたか?』
フローネが微笑みながら聞く
『マルスクラスの生徒から3人ずつ交代で、講師をして貰えると、聞きました・・・ウォーレルの弟子達が2人・・・ウォーレルとは、どこで魔法を習ったのですか?』
リーベルが苦笑いしている
『南の大陸の魔導の神と言われた魔法使いです。マルス達が一騎討ちで完膚無きまでに叩き潰して、クライドルト王国預かりになった魔法使いです』
フローネが微笑みながら言う
『やっぱり・・・マルス関連になりますか・・・実力も凄いのは当たり前ですね』
リーベルが溜め息を吐いている
リーベル達が帰っていくと、マルスは3人の生徒を呼び出す
『マルス様、どうかしましたか?』
生徒達が真剣な面持ちで聞く
『君は、左腕だよね。あなたは、足かな? 君は、左膝?』
マルスが生徒達の顔を見てから言う
『え? 何ですか?』
生徒達が顔を強張らせる
『痛みがあるでしょ』
マルスが真剣に見て言うと、生徒が驚いている
『何故解ったのですか・・・申し訳ありません・・・魔力制御が足りないからですか・・・』
(努力しても・・・不治の病になったのが知られたら・・・全て終わりだ・・・)
『確認するから、触るよ』
マルスが真剣に調べ始めると、生徒達が不安そうに見ている
魔力の通りは良いか・・・魔力制御にも余裕があるかな? 闘気は・・・やっぱり闘気か・・・注意しても、鍛練しても、闘気だけは無理だから仕方無い
『ちょっと痛みや違和感が有ったら教えてね』
マルスが微笑みながら言うと、闘気を流している
『ちょっと温かかったのですが・・・何をしたのでしょうか?』
生徒が腕を動かしながら聞く
『痛みや違和感は、有るかな?』
『え? あれ? 痛みが無い・・・何故?』
生徒が驚いて魔力制御や動かしている
『次』
マルスが、次の生徒の足に闘気を流し始める
3人の生徒の闘気の流れを良くする
『違和感は無いかな?』
マルスが笑顔で言う
『はい!! マルス様! あれは何でしょうか?』
生徒達が真剣な顔でマルスを見ている
『不治の病だよ』
『そうなのですか・・・魔力制御で治せなかったのですが・・・』
『不治の病は、魔力の場合と闘気の場合が有るから、今回は闘気が原因だから、魔力制御では治せなかっただけです。 治せるのは内緒にしてね』
マルスが笑顔で言う
『闘気・・・努力して治せるのですか?』
『魔法使いが闘気鍛練するのは難しいから、無理かな? 古来の不治の病だとは思うよ』
マルスが考えながら、症状を教え始めると、生徒達は真剣に聞いている
『マルス様、この御恩は、一生忘れません!! 』
生徒達が頭を下げる
『みんなと鍛錬積んでね』
マルスが笑顔で言うと、みんなの所に帰っていくと、生徒達が頭を下げている
(マルス様、この御恩必ず返します・・・一生かけて!!)




