オルセントで報告
翌朝、マルス達はシルフィード号に乗り込み、エクラーゼと2人のドワーフは、オルセント号に乗り込み、出発する
オルセントの王都が見えてくると、王城の裏に着陸する。騎士達と王太子が慌てて迎えに来る
『あ! 御兄様』
セクラが笑顔で言うと、マルス達も集まる
『セクラ、英雄殿、ラーゼリア王国の状況はどうなっている?』
王太子が真剣にセクラを見つめながら聞く
『ラーゼリア王国は、王都もオーガに占領されていました』
セクラが笑顔で言うと、王太子が驚いている
(笑顔で言うところか? もう諦めたのか?)
『そうか・・・どのぐらいの被害なのだ? 滅んでいたのか?』
王太子が心配そうに言う
『英雄様が、第2の都市を奪還してくれました。詳しくは、サーシャリア王女様に聞いてください』
セクラがサーシャリアを見て言う
『サーシャリア・ラーゼリアです。 御相談が有り、参りました』
サーシャリアが慌てて挨拶をすると、王太子がマルスを見てからエクラーゼ達を見て、溜め息をする
(まさか、押し付けるつもりか?・・・)
『どうかしましたか?』
セクラが王太子の顔色を見て聞く
『いや・・・ドワーフにラーゼリアの王女様までいると、後始末しろと言われそうだから・・・』
王太子が苦笑いして言うと、みんな爆笑する
『御兄様、よろしくお願いします!! 理解してくれて嬉しいです!』
セクラが笑いながら言うと、ルーセントが苦笑いしている
『2度目・・・いや!3度目だからな・・・セクラも少し手伝え!! いくらなんでも他国の事まで、後始末は手が足りない』
王太子が呆れながら言う
『マルス様の手伝いならします!』
セクラが笑顔で言う
『国の手伝いよりも、マルス殿の手伝いか・・・ここで話す内容では無いか・・・』
王太子が諦め気味に言うと、王城に歩いていく
王城内に案内されると、国王と王妃が待っている
『リベリアの英雄殿、ラーゼリア王国はやはり、滅亡ですか?』
国王が真剣にマルスに聞く
『サリオット王子様が頑張れば、復興出来ると思います。状況は、セクラ様に聞いてください』
マルスが真剣に言うと、セクラが詳しく出来事を説明している。 国王と王妃と王太子が青ざめながら聞いて、考え込んでいる
(国土を焼き尽くしたのか!! 復興出来るのか?)
『メトリシア王女様、クライドルト王国と相談をしたいのですが・・・』
国王がメトリシアを見ながら言う
『え! メトリシア王女様!!』
サーシャリアが驚いて声をあげる
『はい? どうかしましたか?』
メトリシアが、不思議そうにサーシャリアを見ている
『御挨拶遅れて申し訳ありません! サーシャリア・ラーゼリアです』
サーシャリアご慌てて挨拶をする
『え? あーーーーーー!! 挨拶をしてませんでした!!』
メトリシアが大声をあげると、みんな笑い出す
『あれ? ラーゼリアで1度も挨拶も、サリオット様にも会ってないよね?』
マルスが笑顔で言う
『え? はい! シルフィード号から吹き飛ばしていましたから!!』
メトリシアが笑顔で言う
『クライドルト王国は関係ないよね』
マルスが笑顔で言う
『そうです!! あ!! 国王陛下、親書を書いてください! 御父様に黙って飛び出してきたので、帰ったら怒られます!! だから居なかったことにしてください!!』
メトリシアが大声で言うと、国王と王妃と王太子が頭を抱える
『メトリシア王女様、自由過ぎるのも、良いですが・・・国を救って、クライドルト王国に益が無いですが良いのですか? ・・・リベリアの英雄でした。褒美や国益などで動く訳有りませんでした・・・』
国王が諦めて言う
『完全に後始末を押し付けるつもりだったのか? セクラ、気が付いていたのか?』
王太子が苦笑いしながら、セクラを見ている
『同行した時から、押し付けるつもりでした』
セクラが笑顔で言うと、マルス達が笑い出す
『事が大き過ぎる・・・クライドルト王国を中心に、同盟各国と相談してから、ラーゼリア王国との件は決定する』
国王が諦めて言う
『続けて、ドワーグニ地方ですが、エクラーゼ殿の意向を伺いたい』
国王がエクラーゼを見て聞く
『決断は出来てない・・・魔法王国の北側の状況は、復興に時間が掛かるはずだ』
エクラーゼが考えてから言う
『オーガ殲滅戦の跡ですが、あれは全部英雄殿の戦った跡です』
王太子がエクラーゼを見て言う
『予想より酷い状況だ!! 交易も簡単には出来ないだろう・・・貴国も支援が必要なのではないか?』
『普通ならそうだろう・・・実は、東側と南側の全兵士を招集して、一気に後始末をしている!! 東側の国が警戒して、国境に兵力を集めているが・・・簡単には攻めてこない』
王太子がマルス達を見てから言う
『簡単に信用は出来ないだろう? 包囲殲滅戦をやられるぞ!! 本当に大丈夫なのか?』
『オルフェスタ・ガゼルド王国と魔工王国は、リベリアの英雄様を怒らせる事は出来ません・・・魔工王国は、国王陛下から親書が来ましたが、キリシア殿だけは、謁見に来ないで欲しいそうです。いくらでも食料を出すから頼むと言われています』
王太子が笑いを堪えて言う
『は? 国王陛下が? 何故?』
エクラーゼがマルスを見て呟く
『あいつ!! 次見付けたら、お仕置きしておく!』
キリシアが笑いながら言い、みんな爆笑していると、サーシャリアとエクラーゼがキョロキョロしている
『帰りに魔工王国の飛空艇修理してから、乗って帰ろうか? ついでに挨拶もする?』
マルスが笑いながら言う
『行くよ!!』
キリシアが笑顔で言う
『マルス、キリシア、今回は早く帰りましょうね。マルスは魔法学院を卒業してからにしましょう』
フローネが微笑みながら言う
『仕方ないなーー今回は沢山食料売ってくれたから、次来た時の為に残しておくか』
キリシアが笑顔で言うと、王太子が苦笑いしている
(遊びで、1国の国王を脅して、笑い事になるのは、リベリアの英雄様だけだ!!)




