帰り道のついでに
翌朝、シルフィード号で出発の準備をしていると、サリオットとセクラ達がやってくる
『マルス師匠、セクラ様達が来ました』
外を見張っていたオルガーが呼びに来て、マルスがシルフィード号から降りる。セクラ達は、城壁を呆然と見ている
『セクラ様、準備出来ましたか?』
マルスが近付き聞く
『え! はい! 出来ていますが・・・城壁の穴を塞いでくれたのですか?』
セクラが驚きながらマルスを見て言うと、サリオットが呆然とマルスを見る
『暇潰しで塞いだだけですので、簡単に穴は空きます』
『はい、マルス様、すぐに出発しますか?』
セクラが笑顔で言う
『その前に、どうやって穴を塞いだのですか?』
サリオットが慌てて聞く
『秘密です。 面倒事になりそうだし』
マルスがサリオットを見ながら言う
『サリオット様、約束通り秘密にしてください!! 破ったらどうなるか、解りますよね?』
セクラが慌てて言う
『あ!! はい、秘密にします』
サリオットが慌ててセクラに言うと、マルスを見ている
『オルセントに向けて、出発しますよ』
マルスが笑顔で言う
『マルス様、ドワーグニの町にも寄って下さい! ラーゼリア王国は、ドワーグニ地方を放棄して、独立するかオルセント王国に編入になります。1度話し合いが必要になりました』
セクラがマルスを見つめながら言う
『セクラ様に任せます』
マルスが微笑みながら言う
『はい! 任せてください!! 御父様に伝えます』
セクラが笑顔で言うと、サリオットが苦笑いしている。ルーセントは、頭を押さえて溜め息をしている
(完全に丸投げか・・・ドワーグニの町は、英雄殿の町にして欲しい!!)
『サリオット様、準備が整いましたので、失礼します』
マルスが笑顔で言うと、セクラに何かを伝えている
『英雄様、この国を救って頂いた事、感謝します。いつか御恩を返せるように国の復興を支えます』
リーシナが真剣な顔で言うと、礼儀正しく頭を下げる
マルスがシルフィード号に乗り込むと、シルフィード号は上昇して飛んでいく
シルフィード号は、ラーゼリア王国の西側の国境付近に到着する
『まだ沢山居ました!!』
メトリシアが笑顔で双眼鏡を覗いている
『予想通り、隣国に相当侵入しているか・・・あの大群は、殲滅して帰ろう』
マルスが笑顔で言うと甲板に向かおうとする
『全員で大穴をあけましょう』
リリシャが微笑みながら言う
『1人1発ずつ撃つよ』
マルスがみんなの顔を見てから、甲板に出ていく
『マルス師匠、1ヵ所に放ちますか?』
エミールが山々を見ながら聞く
『順番にあの付近から、あそこまで吹き飛ばそう』
マルスが、オーガの大群が密集している数ヵ所を含む場所を説明している
『マルス師匠も反則ですね。エスカちゃんに完全に調べて貰ったのですね』
エミールがマルスの顔を見てから言うと、みんな誰から放つか、相談を始めている
『ファイヤーノヴァ』
『ファイヤーノヴァ』
『ファイヤーノヴァ』
『ファイヤーノヴァ』
『ファイヤーノヴァ』
『ファイヤーノヴァ』
『ファイヤーノヴァ』
『ファイヤーノヴァ』
エミールとミリアとアニーとメトリシアとエビリアとクレスタとリシリアとリリシャが魔法を放ち、次々と大爆発を起こして、周囲に土煙と熱風が吹き荒れている
『あれ? マルス師匠だけ放ってないです!!』
メトリシアがマルスを見て言う
『範囲全部吹き飛ばしちゃったから、必要ないかな?』
マルスが周囲を見ながら言う
『マルスも本気で1発放ってください』
リリシャがマルスを微笑みながら見ていると、マルスが頷き、魔力を集めている
『ファイヤーノヴァ』
マルスが魔法を放つと、山に当たり、大爆発と共に山が崩れ落ちている
『マルス師匠! 本気で放ちすぎです!! 山が消し飛びました』
メトリシアが嬉しそうに言うと、みんなマルスを見て笑い始める
『マルス、怒ってましたか? 八つ当たりですか?』
リリシャが微笑みながら言う
『ちょっとね・・・サリオット、約束守りそうに無さそうだから・・・リーシナ様は、真面目で約束守ってくれそうだから良いけど』
マルスが真剣な顔付きで説明を始める
『挨拶してないから、どうでも良いですね』
リリシャが笑顔で言う
『あれ? 挨拶してませんでした!!』
メトリシアが思い出したように大声をあげる
『どうでも良いけど・・・後始末は、セクラ様がやってくれるから・・・塔どうしよう』
マルスが考え込んでいる
『マルスは魔法学院卒業したら、家に帰らなそうですね』
リリシャが微笑みながら言う
『各国を旅するのも良いかな?』
マルスが考えてから、笑顔で言う
『どこまでも付いていきます』
エミールが微笑みながら言う
『飛空艇ならどこでも出掛けられますね』
リリシャが嬉しそうに言う
『楽しみです』
メトリシアが満面の笑顔で言う
『あれ? メトリシア、王女様だから、他国に簡単に行けないですよね?』
ミリアが思い出したように聞く
『え? ・・・あ!! 今回許可は取ってませんから・・・御父様に怒られそう』
メトリシアが少し不安そうに言う
『メトリシア、帰ったら国王陛下に謝りましょうね・・・オルセント国王に感謝の親書を書いて貰いましょう』
エミールが微笑みながら言う
『はい、エミール御姉様・・・一緒に謝ってくれますか?』
メトリシアがエミールに聞くと、リリシャが笑い始める
『家出娘が帰ってきましたと言えば許してくれるかな?』
マルスが考えてから言う
『あ!! それです!!』
メトリシアが笑顔になって言う
『家出娘が帰ってきたなら、王城に引っ越しですね』
エミールがいたずらっぽく笑いながら言う
『え? えーーーーーーーー!! 絶対に嫌です!! マルス師匠から離れません!! 王女も辞めます』
メトリシアが大声で言うと、みんな爆笑する
『メトリシアの自爆ですね』
エミールが笑いながら言う
『え? 自爆・・・』
メトリシアが真っ赤になって溜まり込む




