引っ越し祝い
翌日、道具屋を呼び、必要な道具類を注文する。
大工を呼び、内装を依頼する。一階は頑丈なテーブルと建物の補強を、そして頑丈な棚も作成して貰い、地下には棚を沢山作って貰う
『工房、上手くいきそうだね』
キリシアはリリシャに言うと
『何だか嬉しくなってきます』
笑顔になる
応接室にフローネ用のソファーとテーブルが届き、部屋にセットして貰い、本棚も取り付ける
『この部屋は庭が良く見えていい部屋ですね』
『はい、いい部屋になって良かったです』
『まだ全然揃って無いですけど、この部屋はフローネ先生の休憩室にしてくださいね』
『え?私にこの部屋を?』
フローネは動揺しながらも苦笑いする
『近所の人に挨拶はしましたか?』
『まだしてないです』
『庭で懇談のパーティーみたいなのをやってみては?』
アニーの提案に
『良いかも!』
『アニー、料理は任せて良いの?』
『任せてください』
『先生、良いですか?』
『良いと思いますよ』
フローネも同意する
『明日やる?』
『大丈夫かな?』
『早い方が良いと思いますよ』
フローネは微笑む
『アニー、準備出来るかな?』
『わかりました。準備します』
『早速、周りの家に挨拶しに行こうか?』
『ギレリムとカセティとヘザーネも呼ぼうね』
『道具屋も呼んでおいた方が、今後も良いと思いますよ』
フローネの言葉にリリシャが頷く
『これから色々とお世話になりそうだからね。ガシリオと何でも屋も呼んだ方が良いかな?』
『そうですね。呼んだ方が良いですね』
『人が多くなりそうだから、警備の人も必要かな?』
『必要は無いとは思いますが、門番代わりに2人、臨時で雇った方が良いでしょうね』
『何でも屋に頼んで1日雇いましょう』
『アニー、結構多くなりそうだし、準備の資金を渡しておきます』
金貨5枚を渡して
『食料と飲み物と簡易テーブルと椅子を準備してね。足りなかったら追加で渡しますので、よろしくね』
『わかりました』
『エミールとミリアも手伝ってくださいね』
『師匠、頑張ります』
『ルメイルは力仕事を任せます』
『師匠、わかりました』
キリシアの言葉にルメイルも同意する
『早速周りの家に挨拶行こうか?』
『その方が良いですね。判断は本当に早いですね』
キリシアとリリシャとマルスはフローネと一緒に周りの家に挨拶に行く
『両隣はそんなに歓迎はしていなかったね』
『仕方ないよ、冒険者だし』
『前の家と裏の家は歓迎してくれたよね。必ず懇親会に参加するって言ってくれたしね』
何でも屋に着いて
『何でも屋さん、いる?』
『何か有りましたか?』
『懇親会するので参加してほしいな?後、1日だけ警備の為に2人雇いたいんだけど、いい人いるかな?』
『門番代わりですね。直ぐに手配します。懇親会も参加します』
『よろしくね』
何でも屋はシュルトと言うそうだった
ギルドでヘザーネとゼタルとバイルを誘い、道具屋グゼンとギレリムとカセティも誘う。ザイトンとライラは仕事があるから参加出来ないとのことだった
翌日、大工達に簡易の椅子とテーブルと魔法のランプ用の引っかけ棒を設置してもらう。料理のメニューはアニーとテスラが考え、作る。下準備をしている
何でも屋シュルトが2人の警備担当を連れて来て、門番をして貰い、夕方になるとギレリムとカセティがやって来る
『まさか、この家だとはな!良い場所だな!』
『ギレリム、カセティ、今日は楽しんで行ってね』
『ゼタルの奴をいじめて楽しむがな』
ギレリムは上機嫌で中に入っていく
何でも屋シュルトと道具屋グゼンもやってきて、ギレリムとフローネと一緒に話を始める
両隣の奥様方がやってきたから、中に案内するとフローネを見て驚いているようだった
『フローネ様のお知り合いで?』
『弟子では無いですが、少し魔法を教えていますよ』
『グゼンも来ていたのですね』
『マスターも呼んだ方が良いとは思いますが、キリシア殿とリリシャ殿とマルス殿は、結構有名な最強の冒険者ですから』
『そんなに有名なのですか?』
『名声と名誉を欲しがらないけど、階層主を倒した本人ですからね。若いから軽く見られますけどね』
『主人に伝言をしてきますね』
そう言って家に一度帰っていく
3人の柄の悪そうな男が中に入ろうとして門番が止める
『呼ばれた客を止めるのか?』
『どなたの招待ですか?』
『この屋敷の主からだよ!どけ!』
『知らない』
キリシアが言うと
『何だ小娘、聞こえないのか?主の客を通さないとお前、首だぞ!』
中に押し通るがマルスが止める
『ガキ、痛い目にあいたいのか?ガキ!!』
マルスに掴み掛かるが、キリシアが手を掴み、投げ飛ばす。それを見ていた2人がナイフを抜いて
『やっちまえ』
襲ってくるが、1人は蹴飛ばして壁に飛ばし、もう1人は股間を蹴飛ばして悶絶させる。最初に投げ飛ばされた男はマルスにナイフを突きたてて、
『動くなよ、ガキを殺すぞ!!』
馬車が止まり、中から警備隊長とガシリオが降りてきて、状況を見て苦笑いする
『お前、誰を人質にしているかわかっているのか?』
『何だ貴様は!!』
マルスはナイフを持つ手を掴み[バキバキ]握りつぶしてナイフを地面に落とさせる
『ギャーァーー』
悲鳴をあげるが、マルスはおかまいなしで、握ったまま地面に何度も叩きつける
『静かになったね』
気絶した男に
『・・・・・・・ヒール』
キズを癒して、
『もう一回やるから早く起きてね』
男は目を覚まし
『ヒィーー!』
怯え出すがおかまいなしで、マルスはもう一度ボコボコにする。そして、『・・・・・・ヒール』
もう一度回復させる
『マルス何回やるの?あそこの2人も回復させてやる?』
キリシアの言葉に警備隊長とガシリオは大笑いする
『襲った相手が悪すぎる。殺さない様に回復させながら何回でも痛めつけられるからな!』
警備隊長は3人を睨み付けて
『そろそろ警備隊で預かるか?』
『そうだね!今度行ったときに性根を叩き直す?』
『ワハハハ、拷問より怖いキリシア殿の鬼特訓だな!!!お前達、覚悟した方が良いぞ!警備隊に保護してほしければ、余罪ことごとく吐くことだな』
ガシリオの言葉に男達は怯えながら縛り上げられる。丁度通りかかった隊員に
『丁度良かった。こいつらを牢屋にぶちこんでおけ、キリシア殿とマルス殿を襲った可哀想な賊だ!キリシア殿の性根叩き直しが既に決まっているから同情するなよ!』
ガシリオが隊員に言うと
『え?本当ですか・・・死ぬよりも怖い事を』
隊員が連れて行こうとすると
『また今度ね。じっくり叩き直してあげるからね』
イタズラっぽく言うと賊は理解したのか
『たったすけてくれ!!!』
『余罪全て吐けば、キリシア殿の性根叩き直しは回避できるぞ』
隊員の言葉に
『強盗と盗みを前の町でやりました・・・』『俺は街道で商人を襲いました・・・・』
隊長は男どもを睨み付けて
『連れていけ!!』
『牢屋で預かっておきます』
隊員は3人を連れて行く
『どうした?何か有ったのか?』
ゼタルとヘザーネがやってきて
『ゼタル殿!馬鹿なやつがキリシア殿を襲い、マルス殿を人質にした愚か者を牢屋で預かっただけです』
『襲った家が悪いな』
ゼタルが大笑いする
『この前の事もあるから中で話しましょう』
隊長とゼタルは仲良く中に入っていく
『ヘザーネ、ようこそ!』
『今日は楽しませて貰います』
キリシアはヘザーネと中に入っていく
『門番さん、後はよろしくね』
『はい!わかりました』
隣の奥様が1人の男を連れて帰ってきた
『どうぞ、中へ』
『招待ありがとうございます』
2人は中に入り、少し驚く
裏の奥様と子供がやってきた
『子供も良かったかしら?』
『歓迎します』
『あ!あそこ明るい!お父さん!!』
子供は隊長の元に走っていく
『これは魔法のランプですか?こんなに沢山・・・』
『自分で作った物です』
奥様も隊長の元に向かう
『マルス殿、お邪魔しますよ』
『ギルドマスター、正面の家の奥様?』
『あの家が私の家ですよ。こちらは妻です』
『え?バイルさんの家だったのですか?』
『近所ですので、よろしくお願いしますね』
『こちらこそ、よろしくお願いします』
『先程の賊はどうなりますか?』
『キリシアが性根を叩き直すと言っていたから、訓練所でボコボコにした後、回復させてまたボコボコかな?永遠に続くと思うけど・・・』
『なるほど、警備隊員に助けを求めるまで永遠にですな。全て白状しますね!拷問より効果が有りますね』
バイルと奥様は苦笑いする
みんな集まったので楽しく会話を始めている。ゼタルと隊長はギルドとエミールを襲った相手の末路を笑いながら話している。奥様達はそれを聞いて驚いているが、楽しそうに笑っている
子供はエミールが仲良く話をしている
『本日は御招待、ありがとうございます』
『こちらこそ、これからもよろしくお願いします』
『グゼンが来た方が良いと言うのも納得しますね。ギレリムとフローネだけでなくギルドマスターと警備隊長に、ゼタルまで来ているとは思いませんでした』
『知り合いなだけだけど』
『申し遅れました。商業ギルド長のクラウスと申します。今後共、よろしくお願いしますね』
『ギルド長ですか?知らなくてすいませんでした』
『お隣が噂の冒険者だとは思いませんでしたから』
クラウスが笑う
『ギルド長だと、アーメルドの町に仕入れを頼むときお願いしても良いのかな?』
『勿論です。用命の物を仕入れて見せますよ』
『今は大丈夫だけど、ミリアとアニーの防具を作るときにオスクルと革屋から取り寄せを頼むと思います』
『オスクル?アーメルドの生地屋と知り合いなのですか?』
『ローブの仕立を頼んだからね。また作る時に生地の調達を頼む約束してあるから』
『素晴らしい!!一流の生地が手に入る伝手があるのは素晴らしい事です』
クラウスは驚きながら言う
『クラウス、どうしたのですか?』
グゼンとシュルトがやって来る
『グゼン!キリシア殿はあのオスクルから生地を買えるそうだ!アーメルドの、あのオスクルからだ!』
『あの男から?凄いですね』
『そんなに凄いの?』
『オスクルは仕立の腕が良いが、中々に会って貰えないので、直接取引は中々出来ないので有名です』
『職人だから、キリシアと直ぐ意気投合していたけどね』