子爵家へ
リリシャ達は、次々とファイヤーストームで焼き払っている。マルスはオルセント号に飛び移り、中に入る
『マルス様、凄いです』
セクラが笑顔で言うと、サリオットが信じられない物を見るようにマルスを見ている
『止める気が無いので、子爵家に向かいませんか? 有力領主様にも挨拶をして、兵を集めましょう』
マルスが真剣に言う
『兵を?』
護衛の騎士が驚いている
『サリオット様の命令で、南の町を奪還して、国の再建の第1歩が必要ですよね?』
『え! はい!! あの町は古来より大きな町で昔王都だった町です』
サリオットが驚きながら言う
『まずは兵を集めましょう・・・その間に飽きて焼き払うの止めると思います』
マルスが炎を見ながら言う
『討伐と言うより、魔法の練習ですか?』
セクラが笑顔で聞く
『大穴より焼き払いなさいと、先生が言うので、焼き尽くす事になりました。交代でやっているので、飽きてくれないと終わらないですね』
『安心して、向かいましょう』
セクラが笑顔で言うと、ルーセントが溜め息をしている
(師匠余計な事を・・・もう止められないのか?)
北西方向に飛んで向かい、山岳部の砦でオーガと戦っているのを見付ける
『あ!! 砦が・・・』
サリオットが悔しそうに見ている
『セクラ様、ちょっと吹き飛ばしてきますね』
マルスが真剣に言うと甲板に歩いていく
オルセント号が降下して、門近くまでくる
『セイントファイヤーテンペスト』
白い炎の玉が次々と発生して、オーガに当たり、オーガを焼き尽くしていく
『ファイヤーノヴァ』
炎の玉が飛んでいくと、大爆発を起こして、爆風の熱風が吹き荒れ、大穴が空き、崖が崩れている
『後始末、よろしくお願いします』
マルスが戻ってくると、セクラとサリオットに言う
『後始末?』
サリオットが驚いて呟く
『女神が降臨して、天罰を与えたと伝えます。オーガ消し飛ばされて良かったです』
セクラが笑顔で言うと、護衛騎士が唖然としている
『砦の方は、後でサリオット王子様から伝えてください』
マルスが笑顔で言うと、サリオットがどうしたら良いか解らず、セクラに助けを求めている
『サリオット王子様が、一言命令を下せば良いですね』
セクラが笑顔で言う
『サリオット様、女神が降臨して、オーガを消し飛ばしたと伝えて下さい。そして、ここで起きたことは、絶対に他言無用と言ってください!! 女神の加護が無くなると伝えれば良いと思います』
ルーセントが慌てて伝えると、オルセント号が降下して、サリオットが甲板から大声で言う
『サリオット様・・・何故オルセントの飛空艇が』
騎士が大声で聞く
『我らを救う為に駆けつけてくれた!! オルセントの飛空艇も見た事は、全て他言無用である!! 我らに出来る事は、感謝の気持ちを忘れない事である! これは残った王族としての命令である!!』
サリオットが大声で言うと、兵士達が疑問に思いつつも、消し飛ばされたオーガを見ている
オルセント号は、町まで飛んでいくと、門に向けて降下する
『オルセント王国よりの使者です。着陸場所を指定してください』
オルセントの国旗を掲げながら兵士が大声で言う
『至急確認を取ります!』
兵士が慌てて領主の館に走っていくと、オルセント号は、ゆっくり領主の館に向かって飛んでいる
『着陸出来そうな場所が見当たりません』
兵士が領主の館付近を見ながら言う
『困りました・・・どこか着陸出来れば良いのですが』
セクラが困惑しながら言う
『しばらく待つしかないのかな? 町の外に着陸して、迎えを待つしかないのかな?』
マルスが周囲を見ている
兵士の指示で町の外に向かい、着陸すると、町中から馬車が数台やってきて、男達が降りて出迎えの準備をしている。オルセント号から、セクラとルーセントとマルスとサリオットとリーシナと騎士と侍女が降りる
『魔法王国からの使者の方、来訪の目的は何でしょうか?』
子爵が真剣に聞く
『ちょっと相談に来ました。詳細は、サリオット様に聞いてください』
セクラが後ろにいる、サリオットを見ながら言う
『サリオット様!! 御無事で何よりです』
子爵慌てて声を上げる
『子爵、妹は無事に到着しましたか?』
サリオットが少し心配そうに聞くと、リーシナも心配そうにしている
『はい! サーシャリア様は、無事に到着しています』
『よかった・・・他の王族は避難出来ましたか?』
『いえ・・・近隣にも使者が確認しましたが、誰も・・・サリオット様が何故魔法王国の飛空艇に?』
子爵が真剣に聞く
『詳しい話は、ここでする事で無い・・・飛空艇の事は口外しないように、箝口令を出してください。砦から報告が来ても、一切を秘密にする事を約束してください』
サリオットが真剣に言うと、子爵が頭を下げて約束する
マルス達が領主の館に向かうと、オルセント号は上昇して、監視を始める
『サリオット御兄様!!』
サーシャリアが、サリオットを見て涙を浮かべて、抱きついている
『サーシャ、無事で良かった・・・』
サリオットが優しく抱き締めると、子爵が微笑みながら見ている
応接室に向かい、サリオットが子爵達に説明をする
『サリオット王子様・・・信じられません、オーガを殲滅しているなんて・・・それにオーガ以上の脅威となります』
子爵が真剣に言い、セクラを見ている
『それは・・・』
サリオットが考え込んでいる
『マルス様、世界征服したいですか?』
セクラが笑顔で聞く
『え? 面倒!! 冒険者の方が良いよ』
マルスが笑顔で言う
『オルフェスタ・ガゼルド王国から割譲した領地をそろそろ貰ってください』
セクラが笑顔で言う
『面倒だよ。欲しい人にあげる』
『国王になりませんか?』
『え? なりたい人がなれば良いよね』
マルスが笑顔で言う
『今回、国を救ってくれた褒美は要りますか?』
『仲良くしてくれたら良いよ! 秘密にする事が褒美と言う事で!!』
マルスが笑顔で言う
『この間、喧嘩を売ってきた国はどうなりましたか? 滅ぼしましたよね?』
『グゼリオンス王国なら、ヘルゼレス王国に押し付けたよ! 滅ぼされていた国は、国王陛下に後始末任せたから、どうなったのかな? 副団長が頑張っているかな? 聞いてないな・・・』
マルスが笑顔で言うと、ルーセントが頭を抱えて苦笑いしている
『こう言う事です。 だから、リベリアの英雄様の事は、秘密にしてくださいね! 因みに、オルフェスタ・ガゼルド王国と魔工王国は、御父様に一言、後始末よろしくって言って、押し付けて帰っていきました。』
セクラが笑顔で言うと、子爵達が驚いている
『意味不明なのですが・・・もしかして、リベリアの英雄様は、褒美を受け取らないのですか?』
子爵が真剣に聞く
『受け取ったのは、魔導書や飛空艇の残骸や人が野心を抱きそうな物です。後は・・・何か作るのに必要な物が有れば、受け取ってくれます』
セクラが笑顔で言う
『信じられませんが・・・もし秘密にせず、怒らせたら、どうなるのですか?』
『10か国とドラゴンを相手に戦争したいなら、してください!! 』
『子爵、リベリアの英雄様の戦いを少し拝見しましたが、我が国の精鋭が全く通じなかったキングオーガを簡単に消し飛ばしていた・・・もしその気なら、この町も一瞬で滅ぼされる・・・怒らせない事が最重要だと思う・・・砦に迫るオーガも一瞬で壊滅させていた・・・報告が来たらわかる』
サリオットが真剣に説明をしている




