オーガ殲滅開始
オルセント号で待っていると、サリオット王子と両脇に侍女と男が歩いてくる。その後ろに少女と伯爵達が歩いてくる
『セクラ様、この侍女とこの者は王都からここまで一緒に逃れてきた、宮中騎士です』
サリオットが真剣に言う
『御案内します』
セクラが微笑みながら言う
『サリオット様、御無事に・・・』
少女が泣きそうな顔で言う
『必ず迎えに戻ってきます』
サリオットが決意をした顔で言うと、伯爵達が見ている
『セクラ様、1人ぐらい増えても構いませんよね?』
マルスが少女を見て言う
『はい、構いません・・・サリオット王子様の奥様候補ですか?』
セクラが笑顔で言う
『え! それは・・・ここに逃れたのは・・・』
サリオットが真っ赤になっていると、伯爵達が微笑みながら見ている
『先に決めた方が復興を早められます。オーガを殲滅してからだと、隣国諸侯が色々煩いと思いますよ』
セクラが笑顔で言う
『リーシナ・・・一緒にいてくれるか?』
サリオットが手を差し出して言う
『え! はい!! どこまでも一緒に!!』
リーシナが涙目で手を取ると、伯爵の目がうるうるしている
オルセント号が上昇を始める
『本当に飛んでいる・・・』
サリオットが驚きながら見ている。その腕にリーシナがしがみついている
『セクラ様、サリオット様、殲滅を始めますので、これから起きる事は、内緒にしてくださいね』
マルスが笑顔で言う
『はい! マルス様!!』
セクラが満面の笑顔で言うと、オルセントは、南に向かって飛んでいく
眼前にオーガの集団が見えてくる
『避難も済んでいるのかな?』
マルスがサリオットに聞く
『この付近は、あそこの砦で戦う準備をしています』
サリオットが砦を見付けて言う
『ゆっくり見学していてくださいね』
マルスが笑顔で言うと、外に出て、フライでシルフィード号に飛んでいく
『え! 飛んだ・・・』
サリオット達が唖然と口を開けている
『あ!! マルス様の事は内緒で!!』
セクラが慌てて口止めする
『英雄殿は、この頃飛べるのも常識になっているのか? 師匠に注意して貰わないと・・・』
ルーセントが苦笑いしている
『マルス様だからです!! それ以上の事を見られるのですから!!』
セクラが笑顔で言う
『え? 何が起きるのですか?』
サリオットが驚きながらセクラを見ている
『女神が降臨して、オーガに天罰を与えるだけです』
セクラがシルフィード号を見ている
(何が起きるのでしょうか?)
シルフィード号にマルスが戻る
『マルス、どこから吹き飛ばしますか?』
リリシャが笑顔で言うと、みんな微笑みながら見ている
『この先にいるオーガの大群から始めるけど、人がいないか調べよう』
マルスが笑顔で見ている
『マルス師匠、任せてください!! 大穴を開けます』
メトリシアが笑顔で言うと、みんな微笑みながら見ている
『マルス様、デカイオーガが数匹います』
オルガーが甲板に出てきて言うと、みんなオーガの方を見ている
キングオーガが木を引き抜き、投げ飛ばしてくると、シルフィード号は高度をあげる。木は地面に落ちていく
『やり合うつもりですね! やり返しますよ』
リリシャが嬉しそうに魔力を集め始める
『合わせます』
エミールが微笑みながら準備をすると、全員準備をする
『ファイヤーノヴァ!!!!!!!』
リリシャとエミールとミリアとクレスタとエビリアとメトリシアとリシリアが魔法を放ち、キングオーガに当たると、大爆発して熱風と爆風が吹き荒れる
『やり過ぎ』
爆風が収まると、マルスが呟く
『え? 全力で放っただけです』
リリシャが笑顔で言う
『7人で全力出したから、大穴空いたね・・・見なかったことにして、次に行こう』
マルスが笑顔で言うと、シルフィード号は山地の斜面にいるオーガの方に向かう
『・・・・』
サリオット達が立ち尽くしている
『見ましたか!! リベリアの英雄様の魔法!! 凄いです』
セクラが満面の笑顔で言う
『もう魔法よりも・・・女神が降臨して天罰を与えた事にしましょう・・・人に影響が無いと良いのですが・・・』
ルーセントが苦笑いして呟く
『えーと・・・夢ですか?』
サリオットが、呆然と立ち尽くしながら呟く
『夢・・・魔導兵器なのですか?』
リーシナが呟く
『魔導砲なんかより凄いです!! リベリアの英雄様だからです!! 良いですね』
『リベリアの英雄様だから?』
サリオットとリーシナが顔を見合わせている
『不可能な事や意味不明な事は、リベリアの英雄だからで、済ませる事になっています。オルセント王国は、2度リベリアの英雄様に救って貰いました。救国の英雄にして・・・偉大なる英雄として、永代に伝える事にしています。そして、名前は絶対にあかさないと約束しています』
ルーセントが真剣に説明している
『名も無き英雄様・・・』
サリオットが呟き、大穴を見ている
(人の力だなんて思えない!! 女神が降臨して天罰を与えたって言われた方が納得いく!!)
シルフィード号は山地近くに到着する
『オーガです!! 結構います』
メトリシアが嬉しそうに言う
『吹き飛ばしますよ』
リリシャが笑顔で言うと、甲板に出ていく
『もう的としか見てませんね・・・面倒だから、地平線まで焼き払えば良いのに』
フローネが呟く
『あ!! フローネ先生、ストームで焼き払うようにします』
リリシャが振り向き笑顔で言う
『範囲を決めましょう』
メトリシアが笑顔で言う
『頑張ります!! オーガ逃しません』
ミリアが笑顔で言う
『適当に焼き払ってきて』
マルスが笑顔で言うと、リリシャ達が出ていく
『余計でしたね・・・これは草木も全部焼き払いそうですね』
フローネが反省しながら呟く
『殲滅だから早い方が良いです・・・範囲決めないと・・・地図は・・・』
マルスが地図を見ながら考えているのをフローネが見ている
(止めたら、余計に範囲が広がりそうですね)




