食料買い物と倉庫作り
王都の外にシルフィード号が着陸して待っていると、騎士と商人がやってくる
『食料が必要との事でしたが、どのぐらい必要ですか?』
商人がシルフィード号を気にしながら聞く
『小麦や豆や干し肉等保存が出来る物を集めて欲しいです。今の価格はどのぐらいですか?』
マルスが真剣に聞くと、商人が考えながら説明を始める
『大量に必要なのですが・・・沢山買ったら、王都で困りませんか?』
マルスが真剣に聞く
『近隣の町に備蓄も有りますので、大丈夫です』
商人が笑顔で言う
『マルス、これで買えるだけ買っておいて』
キリシアが、金貨の袋を3つ持ってきて言うと、商人が見て苦笑いする
『金貨300枚・・・相当な量ですが、王都の備蓄だけでは足りないですが・・・粉にする時間が必要です』
商人が苦笑いして言う
(イキナリ金貨3袋!! 何を考えているんだ!!)
『保存が必要なので、粉にしないで良いです。時間も早くしたいので・・・足りなければ、他で買い取らないといけないので』
マルスが真剣に言う
『畏まりました・・・金貨100枚分の小麦と豆や干し肉等を金貨100枚分直ぐに持ってきます』
商人が真剣に言うと、帰ろうとする
『薪も大量に欲しいです』
マルスが思い付いたように言うと、商人が笑顔で頷き帰っていく
待っていると、商人と荷車の列が近付いてくる
『順次運ばせますので、どこに置けばよろしいですか?』
商人が真剣に聞く
『運び込むのは自分達でやりますので、あの付近に集めてください』
マルスが笑顔で言うと、商人が指示をしている
(この量簡単に積み込めないだろうに・・・)
『マルス、どうします?』
リリシャが微笑みながら聞く
『小麦からベアーズ号に乗せよう』
マルスが笑顔で言うと、みんなレビテーションを使い、浮かして持っていく
『はぁーーーーーーー!!』
商人が浮いている積荷を見て大声をあげる
(何が!!浮かせるのか!! 何故だ!!)
『秘密にしてくださいね』
セクラとルーセントが慌てて口止めする
『簡単に・・・これなら倉庫まで取りに来て貰えば良かった?』
商人が苦笑いして言う
『着陸出来ないので無理です。 偉大なる英雄様なので何でもありです』
セクラがマルス達を見ながら言う
『偉大なる英雄様・・・名前すらわからない英雄様ですか・・・何故でしょうか?』
商人が真剣にセクラに聞く
『有名になる事を嫌っています!! 絶対に内緒です!! 魔工王国の国王陛下に、バラしたらどうなるか聞いてください』
セクラが真剣に言うと、商人が騎士に聞いていると、商人が青ざめている
(そんな・・・怖い人なのか!! もし、誤魔化して儲けていたら・・・殺される・・・どんな仕打ちが・・・)
食料等を積み込み終わると、シルフィード号は、北に向かって飛んでいき、魔工王国の騎士達は、ホッとしながら、見送っている
ドワーグニが見えてくると、シルフィード号とオルセント号が着陸する
『マルス師匠、お帰りなさい』
エミールが笑顔で言うと、ドワーフ達が集まり始める
『エミール、増えてない?』
マルスが周囲を見ながら聞く
『はい! 他の坑道等に隠れていた人達が集まりました! 1000人ぐらいになりました』
エミールが真剣に言うと、何が有ったか説明している
『足りないかな?』
マルスが呟く
『仕方ないですね・・・増えるのは考えてなかったです』
リリシャがドワーフ達を見て言う
『地下室などに隠していた食料等が有りましたので、大丈夫だと思います』
エミールが真剣に言う
『倉庫に食料を移してから考えようか?』
マルスが真剣に言うと、ベアーズ号が着陸して、食料を降ろし始めると、セクラとルーセントがドワーフ達に聞き取りをしている
『マルス師匠、小麦なのですが・・・粉にする道具が有りません』
アニーが考えてから、マルスに言いに来る
『え? そうか・・・何を作れば良いかな?』
マルスが考え始める
『石臼を作りませんか?』
アニーが真剣に言うと、構造を説明している
『石の材質も考えて作らないと・・・ちょっと探すね』
マルスが町中に歩いていくと、大きな岩をマテリアルコンバージョンを使った後に、セパレーションで材質を別けてから、モデリングで形を作り始める
『アニー、こんな感じで良いかな?』
マルスが持ってくると、アニーが真剣に見てから、レビテーションで分離して、中も見ている
『マルス師匠、これなら使えます・・・あ!! 外で使うのは良くなかったです』
アニーが思い出したように言う
『小麦用の建物を作るか・・・』
マルスが考えている
『マルス、倉庫が足りません』
リリシャがやってきて言う
『倉庫も増設か・・・』
マルスが呟き、瓦礫をマテリアルコンバージョンで魔力の通る材質に変えてから、ブロックに変えていく
日が暮れ、ドワーフ達が食事後、それぞれ寝始める。オルガー達が近付かないように伝え、マルス達は、倉庫の横に材料を移動して、倉庫を作り始める
『また、作っているのですか・・・マルスを止められないですが・・・自重するつもりも無いのですね』
フローネが、マルス達の作業を見て頭に手を当てて失笑している
『暗いので見なかった事にします・・・ついていけません』
ルーセントがため息を吐いてから言う
『マルス様、凄いです・・・食料を保管する場所は、沢山必要です』
セクラが、マルス達を見ながら嬉しそうに言う
『師匠も監視ぐらいはしてください』
ルーセントがフローネを見て言う
『今回は止める訳にいきません・・・作らなければ、餓死と暴動に成りかねない状況ですから』
『それは・・・必要ですが・・・』
ルーセントが、諦めてマルス達を見ている
翌朝、朝日が登ると、ドワーフ達が驚きながら、建物を見ている
『残りの食料もしまいましょう』
エミールがドワーフ達に言うと、ドワーフ達がエミールを見ている
『エミール様、本当に何が・・・簡単に2棟建つなんて・・・それにあの建物、家ですか?』
男が目を見開きながら言う
『厨房です。薪を使うパン用窯等も完成しているので、料理も出来ます。 小麦を粉にする石臼も2階に有ります』
『感謝します・・・』
男が頭を下げて言うと、ドワーフ達が頭を下げている
(一生掛けて、感謝します・・・永代に伝え、永遠に感謝は忘れません・・・救いの女神エミール様)
『これで食料問題も解決ですね・・・後は住む場所です』
エミールが微笑みながら言うと、ベアーズ号が着陸して、倉庫に食料を運んで貰っている




