ドワーフ達
マルス達は、瓦礫になった町の外れに集まる
『マルス、キリシア、説明してね』
リリシャが微笑みながらマルスを見ている
『坑道にドワーフ達が逃れて、生き残っていたよ。200人はいるよ』
マルスが笑顔で説明を始める
『食料必要だから買いに行くよ!!』
キリシアが笑顔で言うと、みんなキリシアを見ている
『結構な量が必要です・・・オルセントだけで買うのは、難しいかも・・・』
メトリシアが考えている
『魔工王国とオルフェスタ・ガゼルド王国まで買いに行くよ!!』
キリシアが笑顔で言う
『持ってきている食料を降ろして出発準備しましょう』
リリシャが笑顔で言う
『住民を守る人も必要です』
メトリシアが真剣に言うと、みんなマルスを見ている
『エミール、エレーヌ、残るの任せても良いかな?』
マルスが考えてから、エミールを見て言う
『マルス師匠が言うなら、残ります』
エミールが考えてから言うと、エレーヌも頷いている
『オルガー、オリス、イースもエミールの護衛を任せても良いかな?』
『はい! マルス師匠!! 飛空艇に乗っていても、やること無いので、エミール様の護衛させてください!』
オルガーが真剣に言う
『もう少し護衛を残したいですね・・・』
リリシャが不安そうにマルスを見ている
『魔導車とゴーレム降ろすから・・・後は、ドワーフの男達に協力して貰えるか、聞いてみよう』
マルスが考えてから言う
『魔導車が有れば大丈夫ですね』
リリシャが安心したように言う
『マルス、過剰な戦力ですね・・・魔導車とゴーレムが有れば、1国滅ぼせますよ・・・それも人目が有りますよ』
フローネが苦笑いしている
『食料を運ぶ事を考えたら、魔導車とゴーレム降ろしたいから』
『それで、エミール御姉様が残るのですね!』
メトリシアが納得して言う
『後は、結界の魔道具も追加するか・・・大型が良いかな?・・・ちょっと作ってくるね』
マルスが呟きながら、シルフィード号に歩いていく
『マルス師匠を止められません!!』
メトリシアが大声で言うと、リリシャとキリシアが顔を見合わせてから、笑い出す
男達が坑道から出て歩いてくる
『お待たせしました』
男達が集まり、周囲を気にしながら言う
『少し食料を買ってくるので、少しの間、警戒を手伝って貰っても良いですか?』
マルスが笑顔で聞く
『それは良いですが・・・言い難いのですが、年寄り達が、この地を離れたくないと言ってます』
男が真剣に言うと、後ろの人達がマルスを見ている
『帰った後で、何か有ると申し訳ないです』
マルスが考え始める
『それは・・・残る者の自己責任にします』
男が真剣に言う
『そうなると・・・住む場所を作らないと・・・その前に、食料を作るには、オーガの処分も』
マルスが周囲を見て言うと、男達が顔を見合わせて笑い出す
『英雄殿!! 自分達で何とかする!! 当面の食料が有れば、何でも出来るぞ!! デカイオーガが居なければ、ゴブリンなど敵ではない!!』
男が笑いながら言う
『マルスの国では無いですよ。過保護過ぎますね』
フローネが微笑みながら言う
『マルス様の国にしても良いです!! お父様が大喜びします』
セクラが満面の笑顔で言う
『え? 国は面倒!!』
マルスが慌てて言う
『マルス様です!!』
セクラが笑顔で言うと、みんな笑っている
『簡単に国は作れないと思うが・・・』
男達がセクラを見ている
(この女性は・・・何者なのだろう?)
『何かありますか?』
セクラが視線を気にして聞く
『え! ・・・もしかして、オルセント王国の重鎮なのでしょうか?』
男が申し訳なさそうに聞く
『あ! セクラ様、名乗ってないですね』
マルスが思い付いたように言う
『え! あぁーーー! 忘れていました。オルセント王国王女セクラ・オルセントです。リベリアの英雄様からしたら、偉くも無いです』
セクラが笑顔で言うと、ルーセントが苦笑いしている
『え? 王女様!!! ご無礼お許しください』
男達が慌てて言うと、全員頭を下げている
『気にしないで良いです!! リベリアの英雄様の事を秘密にしてくれれば、それで良いです。マルス様の勇姿を見に来ただけですから』
セクラが慌てて言うと、男達が驚いている
『セクラ様・・・マルス様を優先しすぎです。戦場なので、挨拶は後でなどと言ってください』
ルーセントが呆れたように言い、セクラを見ている
『セクラ様、本当の事を言い過ぎです。気を付けましょう』
メトリシアが笑顔で言う
『はい! メトリシア様』
セクラが笑顔で言う
ドワーフ達は、オルセント号から降ろした食料を別けて食事を始め、話し合いもしている
ベアーズ号が着陸すると、エミールとエレーヌが魔導車とゴーレムを降ろしている。マルスはベアーズ号の影で石にマテリアルコンバージョンを使い、モデリングで形を変えている
『マルス、こんな感じかな?』
リリシャが笑顔で床を作り始め、ミリアとメトリシアが柱を作っている
『後で床にも紋様魔法と紋章魔法を書き込まないと・・・』
マルスが真剣に言うと、エビリアとクレスタが石の形を変えて積み上げている
ベアーズ号が上昇をすると、石の建物の骨組みが出来ている
『あの子達は・・・』
フローネが苦笑いしている
『マルス師匠です・・・遊んでいます』
リシリアが笑いながら言う
『自重と言う言葉を覚えさせないと・・・不可能ですが・・・』
フローネが諦めたように呟く
クーレセス号が着陸すると、エミールとリシリアがレビテーションで浮かせて、食料を降ろしている
クーレセス号が上昇すると、マルスとリリシャが紋様魔法と紋章魔法を壁や屋根に書き込んでいる
『フローネ様、マルス様は? ドワーフ達が警戒を手伝ってくれるそうです』
セクラがフローネの元にやって来て聞く
『あそこで遊んでますね・・・』
フローネが建物を見て言う
『え? 建物・・・有りましたか? 廃墟だったはず』
セクラが呟き、見ている
『師匠、あれは何をしているのですか?』
ルーセントが理解できずに聞く
『壁を強化してますね・・・遊び半分で作ってます・・・いくら必要でも、全力で作らなくても』
フローネが諦めたように言う
『えーと、これは秘密にした方が良いのですか?』
ルーセントが苦笑いして聞く
『任せます・・・誰も信じないでしょう』
フローネが呆れながら言うと、ルーセントがため息を吐いている
(何を言っても無駄なのか? あの建物、倉庫か? 食料を保管出来れば良いのか? リベリアの英雄だからもうどうでもよい・・・)




