オルセントとリリシャ
翌朝、セクラがマルスの元にやってくると、オルセント号が外装が無い状態で、宙に浮いている
『え? 凄い・・・マルス様は何を・・・』
セクラが驚いて見ている
『セクラ様、オルセント号を修理しているのでしょうが・・・作り直していると言った方が早いのか?』
ルーセントが苦笑いしている
『マルス様・・・ありがとうございます・・・対価は何を用意したら・・・』
セクラが真剣に見つめている
『セクラ様、申し訳ありません。マルス師匠は、作り始めたら後先考えないので、暫くお待ちください』
ケニスが微笑みながら伝える
『はい、見学させて頂いても宜しいのでしょうか?』
『余り見ない方が良いですけど・・・マルスだからです』
『はい!マルスだからで済ませます』
セクラが嬉しそうに笑い始める。
『師匠・・・マルスを監視してください』
ルーセントは頭を押さえながら呟く
『主様ーーー シルフィードちゃんとクーレセスちゃん来たよーー』
エスカがマルスの周りを飛びながら言う
『あれ? もう外が明るい・・・徹夜しちゃったか?』
マルスが呟き、空を見上げている
『マルス師匠、出迎えますか?』
エミールが横で微笑んで空を見上げる
『あれ? ミリアは?』
『あそこで寝ています。 寝顔可愛いですよ』
エミールが物影で寝ているミリアを見ている
『ベアーズ号で寝て貰うか?』
マルスがミリアに近付き、お姫様抱っこして飛んで降りる
『あれ? ミリア起きたの? 寝た振りしているの?』
エミールはミリアが少し赤くなって、手が震えているのを見ている
『マルス様、食事の用意させます』
セクラがマルスの元に走ってくる
『ありがとうございます。ミリアを寝かせたら、頂きます』
『あーーーー! ミリア! ズルいです!』
メトリシアが走ってきて、ミリアの顔を見ている
『疲れて寝ちゃっただから』
『え? 寝た振りです!! 恥ずかしくて、顔が赤くなっています』
メトリシアがミリアの顔を見詰めている
『メトリシア、寝ていたのは本当ですよ、メトリシアも眠くて、ヒストリアに付き添って貰ってベットに行きましたよね』
『え! エミール御姉様! 内緒で!!』
メトリシアが慌てたように言うと、ヒストリアが笑っている
『もう少しでシルフィード号も到着するから、出迎えるよ』
マルスが笑顔で言う
『あ! はい! マルス師匠、オーガは大丈夫でしょうか?』
メトリシアが慌てて聞く
『少し近付いてくれないと、キリシアの取り分が無いとキレるよ』
マルスが笑い出して言う
『あ! 近付いてくれないと困ります!!』
メトリシアが笑いながら言う
『えーと、何故到着が解るのですか?』
セクラが疑問そうに聞く
『飛空艇の守護者達は、エスカとシリウスに連絡出来るからね、オルセントが初めて助けを求めたから、飛んできたよ! 内緒にして欲しいけど』
マルスがセクラを見ながら言う
『え! オルセント様が! それで飛んできてくれたのですか? オルセント様・・・感謝します』
セクラが真剣に宙に浮いている、オルセント号を見ている
『1つ困った事が有るんだけど、光推進装置が破損して、浮いても本当の実力が出ないんだよね』
マルスがオルセントを見ている
『え! マルス様・・・必要な物が有れば集めます! 宝物庫から探す許可も貰います』
セクラが真剣に言い、オルセントを見ている
『まずは、骨格が破損しているのを直してからだよね』
マルスが笑顔で言う
『もうマルス師匠を止められる人はいません』
エミールが笑いながら言うと、メトリシアが爆笑して、ミリアも笑い出す
『あ! ミリア起きた?』
マルスがミリアを見る
『あ!! えーと、おはようございます』
ミリアが慌ててマルスの顔を見ている
『ミリアーーー! 早く自分で立ちなさいーーズルいです』
メトリシアがミリアに怒鳴り、マルスがミリアを降ろして、エミールが笑っている
シルフィード号が着陸すると、キリシアとリリシャとフローネとエビリアとクレスタとリシリアとアニーとルメイルが降りてくる
『マルス!! 何あの戦いの跡!!』
キリシアが大声で聞く
『説明しなさいね・・・飛空艇修理始めている理由!!』
リリシャが睨みながら言う
『え? そっち? 先に戦いの事を言いなさい!! 私の取り分は!!』
キリシアが大声で言い
『戦いより、飛空艇の修理を先に説明しなさい』
リリシャが真剣に言うと、フローネが呆れている
『リリシャ様、キリシア様、御来訪感謝します』
セクラが真剣に言い、頭を下げる
『オルセントが可哀想だから、直していたよ、キングオーガとオーガとゴブリンが大群で攻めて来たから、まだ北側にいるよ』
マルスが笑顔で言う
『わかった!! 殲滅する』
キリシアが笑顔で言う
『マルスの学業邪魔したのですから、殲滅しますね・・・あの山消し飛ばしましょうか?』
リリシャが微笑みながら山を見ている
『ほどほどにしなさいね』
フローネが呆れながら言う
『師匠・・・マルスを止められますか?』
ルーセントが真剣に聞く
『え? 何を止めるのですか?』
『オルセント号の修理を・・・』
ルーセントがオルセント号を見ている
『無理ですね・・・逆に早く終らせた方が良いですね、修理中にオーガが攻めてきたら、問答無用で地形が変わりますよ』
フローネが真剣に言うと、リリシャ達が爆笑している
『師匠・・・監視が出来てないです』
『マルスだから、仕方無いですね・・・オルセント号直さなかったら、王家はダメですよね?』
『それは・・・どんな対価を払っても直して欲しいのですが・・・作り直しているように見えます』
『マルスですよ! 今更です! 一から作り直されるよりは良いですね・・・マルス、何を修理しているのですか?』
『骨格に亀裂が入っているので、直してます。オルセントもかなり無理を続けています。外装なんてただ貼ってあるだけで、弱すぎます! 本当なら推進装置も直さないと壊れます』
マルスが笑顔で言う
『ルーセント、これがマルスの直している場所です。解りましたか?止められませんね』
フローネが笑顔で言うと、ルーセントが頭を押さえている
(ちょっと待った!! 師匠も常識が無い! 骨格に亀裂なんて直せない! それどころか外装も貼るしか無いだろう・・・師匠が監視役のはず・・・監視になってない!監視役が常識外になっている)
 




