魔法学院後期
数日後、夏休みが終わり、マルスとメトリシアとミリアとエリカが魔法学院に通学する
『マルス師匠、教室に行きます』
エリカが笑顔で言うと、少し離れた所で数人がエリカを見ている
『友達かな?』
マルスが見ながら聞く
『はい! 友達です』
エリカが元気良く言うと、歩いていく
『マルス師匠、部屋に向かいましょ』
ミリアが笑顔で言うと、魔法練習場の上の部屋に向かう
『みんな夏休みは、楽しめたかな?』
マルスが笑顔で聞く
『はい! マルス様、有意義に過ごしました』
生徒達が口々に出来事を話している
『マルス様、仕官の話が有ったのですが・・・』
生徒の1人が言うと、説明をしている
『え? 宮廷魔術師に決定なのですけど・・・あ!!ヘルト御兄様が召喚状出してないです!! 直ぐに出させます』
メトリシアが気が付いて大声をあげる
『呑気だな・・・』
マルスが呟く
『今からヘルト御兄様を呼び出します!! ハルドとアーセルも呼び出します』
メトリシアが大声で言うと、部屋を出ていき、生徒達は、メトリシアを見送って、顔を見合わせて失笑する。
『マルス様・・・後でグラベル様が来るのですが・・・御一緒して貰っても良いですか?』
リーネが真剣に言うと、ルキアが見ている
『グラベルが? 何の用だろう?』
『えーと、杖が完成したと・・・夏休み前に杖の形状を聞きに来たのですが・・・マルス様の紹介ですよね?』
『紹介したかな・・・あ!! 大魔石の代金代わりに何でも作ると言うから、リーネの卒業研究の杖を作ってあげてって言ったね』
マルスが思い出して言う
『マルス様・・・先に言ってください!! 名工グラベル様がイキナリ来て、杖の話を始めるから、驚きました・・・それも材料も料金も全部話が終わっているって言うから、どうして良いか解らなかったです』
リーネが真剣に言うと、生徒達が苦笑いしている
(あの、名工グラベル様が、作ってくれるのか・・・凄い杖に・・・グラベル様を小間使いなのか?)
『どの程度の杖か見てあげるね・・・付与魔法の準備は解るかな?』
『はい!! マジックポーションも魔石の粉も準備出来てます』
リーネが笑顔で言うと、ミリアが疑問そうに聞いている
『マジックポーション使うのですか?』
ミリアが真剣に言うと、みんなミリアを見ている
『普通のやり方だよね・・・もう忘れちゃった?』
マルスが笑顔で言うと、やり方を真剣に聞いている
『あ!! 忘れていました!! いつもマルス師匠流でやってましたから!!』
ミリアが笑顔で言う
『それなりに時間が掛かるからね・・・アースタートルの鉱石だから、結構魔力通すから、早く準備できるかな?』
マルスが笑顔で言うと、リーネが驚いている
レズオスが入ってくる
『夏休みも終わったから、本格的に仕官話が有ると思うが、真剣に考え悩むように、一生が決まる話だ』
レズオスが真剣に言うと、生徒達が真剣に聞いている
『接近戦訓練以外、免除になるから、卒業研究を早く仕上げるように・・・一部の生徒はもう終わっているが・・・』
レズオスがマルスを見て言う
『卒業研究終わった人から、実戦訓練に移るから覚悟しておいてね』
マルスが笑顔で言う
『実戦訓練に? マルス様何をするのですか?』
ルキアが真剣に聞く
『迷宮訓練だよ!! レズオス、文句有る?』
マルスがレズオスを見て言うと、生徒達が驚いてレズオスを見ている
『マルスのお供なら文句無い・・・』
レズオスが苦笑いしながら言うと、生徒達がマルスを見ている
『マルス様、楽しみです!! デカイの出て来てくれますか?』
ルキアが満面の笑顔で言うと、リーネが笑っている
『楽しみにしておいてね』
マルスが笑顔で言う
メトリシアとヘルトとハルドとアーセルが部屋に入ってくる
『マルス師匠、呼び出しました』
メトリシアが笑顔で言うと、生徒達が慌てて立ち上がる
『今、召喚状を国王陛下が急いで作ってます。このクラスの生徒は、全員宮廷魔術師に召喚します』
ヘルトが真剣に言うと、生徒達が真剣に聞いている
『ヘルト、一年前から決まっていたのに、何で召喚状書いてなかったの?』
『マルス殿・・・口頭で言っていたので、卒業間近で良いかと、忘れられてました・・・逆に宮廷魔術師以外に仕官されると、面倒になるので、全員宮廷魔術師になる事!!』
ヘルトが真剣に言う
『魔法練習場も町中に有るので、研究も訓練も沢山出来ます。安心して宮廷魔術師になってください』
ハルドが真剣に言うと、生徒達が笑顔になる
『マルス様は、宮廷魔術師になられないのですか?』
生徒が真剣に聞く
『就任は断られています。もう気付いているとは思いますが・・・口外はしないように、それが王家とマルス様との約束です』
ハルドが真剣に言うと、生徒達が真剣な顔で頷き、約束する
(やっぱり・・・リベリアの英雄様なのか・・・)
『ヘルト、全員実戦経験積ませるから、許可しておいてね』
マルスが笑顔で言う
『どうせなら、騎士学院も鍛え上げて欲しい』
ヘルトが真剣に言う
『ヘルト御兄様!! マルス師匠を教育機関代わりにしないで下さい!! 外交も魔法使い教育も全部押し付けて!!』
メトリシアが真剣にヘルトと話し始め、生徒達が苦笑いしながら聞いている
(ここで話す事なのか?)
マルス達は、研究室でゆっくりしていると、グラベルがやってくる
『マルス殿、これが自慢の力作の杖です』
グラベルがマルスに杖を見せる
『リーネ、どうかな? 希望通りかな?』
マルスが笑顔で聞くと、リーネが受け取り真剣に見ている
『凄い・・・失敗したらどうしよう』
リーネが少し震える手で言う
『何度でも作り直すぞ!!』
グラベルが笑顔で言う
『リーネ、早速準備を始めようね』
マルスが笑顔で言うと、リーネは、杖を大事そうに持って、準備してある布を巻き付け始める
『噂は聞いたが・・・リーネ殿も相当な実力者だな・・・もっと魔道具作ってくれないか?』
グラベルが真剣に言う
『ポーション作りが好きだからね・・・卒業したら、アーメルドに行くから、もうグラベルと関わらないかな?』
『アーメルドに・・・残念だ』
グラベルが残念そうに呟き帰っていくと、マルスとミリアとメトリシアは、リーネの準備しているのを見ている
『マルス師匠がやれば、直ぐなのに・・・面倒ですね』
メトリシアが真剣に言う
『手出ししたらダメだよ! 卒業研究にならないからね』
マルスが真剣に言うと、ミリアが残念そうにしている




