マルスの剣
シルフィード号は、カーレスト諸島にジエルとメーレスを送ってから、リベリアの町が見えてくると、門に降下していく
『英雄様、お帰りなさい!! どうぞ発着場へ』
門番が笑顔で手を振っている。シルフィード号が発着場に着陸する
『師匠・・・この豪邸、マルス達の屋敷ですか?』
リーベルが発着場を見渡して、青ざめている
『マルスが作った発着場です・・・魔法練習場と訓練場が欲しいと言っていたから、建物の上が発着場です・・・マルスですよ! キリシアが迷宮から遠いから住まないの一言です』
フローネが微笑みながら言う
『え? 発着場? ・・・豪邸ですが・・・』
リーベルが言葉を失い呆然と見ている
『良い発着場ですね・・・厨房は有りますか?』
クレシアが嬉しそうに言うと、みんな笑い出す
『クレシア御姉様、誰も住んでいません!! 英雄様の屋敷も快適になっています』
クリスが満面の笑顔で言う
『楽しみですね・・・マルス様』
クレシアが微笑みながら見ている
『クレシア様、案内しますね』
マルスが笑顔で言うと、屋敷の厨房に向かう
『広いですが、使ってないのですね』
クレシアが厨房を一周して戻ってくる
『誰も住んでません・・・迷宮から遠いので』
マルスが笑顔で言う
『マルスが気合い入れて作った、発着場です』
リリシャが笑顔で言うと、みんな笑っている
『倉庫代わりですね』
マルスが書庫を見て言う
『あ!! いらない書物置き場になってます』
メトリシアが思い出した様に言う
『その内片付けましょう』
リリシャが微笑みながら言うと、外に出る
ウイントレスがフローネと話している
『クレシアも帰ってきたのか?』
ウイントレスが気が付いてクレシアに聞く
『英雄様の付き添いです』
クレシアが笑顔で言う
『すぐに寝る部屋も準備させる』
ウイントレスが笑顔で言う
『クレシア御姉様も、一緒に泊まりましょう』
クリスが大声で言い、ウイントレスの顔がひきつる
『部屋に余裕があるなら、良いですね』
クレシアが笑顔で言うと、みんな笑い出す
馬車に乗り、屋敷に到着すると、ケメルとロメイルが門を開けてくれる
『キリシア様、お帰りなさい』
ケメルとロメイルが笑顔で言う
『何か有ったかな?』
『平和でした』
ケメルが笑顔で言うと、ラーザと話し始める
屋敷の玄関に向かうと、リーベルが青ざめて立ち尽くしている
『リーベル、どうしました?』
フローネが聞くと、リーベルがフローネを見ている
『ししししっ師匠!! 何で建て替えているのですか!! 物凄い豪邸です・・・』
リーベルが青ざめながら言う
『マルス達の人が多くなったから、建て替えるの一言です。 マルスの御両親とライオちゃんの部屋を作ったつもりですね』
フローネが笑顔で言うと、みんなリーベルを見ている
『師匠・・・マルスを止めて下さい』
リーベルが涙目になって言う
『この程度の建物なら、どうでも良いですね・・・快適ですから』
フローネが微笑みながら言う
『師匠・・・・』
リーベルが泣きそうになって言う
『厨房はどうなっていますか?』
クレシアが嬉しそうに聞くと、みんなクレシアを見ている
『案内しますね』
アニーが笑顔で言うと、屋敷に入っていく。ウイントレスは、クレシアの後ろ姿を見てガッカリしている
(帰る気無しか・・・王太子妃だから、領主の館に帰ったら、歓迎パーティーが必要なのか?)
『お帰りなさい』
クレシアとすれ違い、ステラが笑顔で出てくる
『ただいま、何か有った?』
キリシアが聞くと、ステラが入口を見てから
『部屋を使えるように準備をさせます』
ステラが真剣に言う
『厨房も占領かな?』
キリシアがマルスを見ている
『食材足りるかな?』
マルスが考え始めると、みんな笑い出す
『沢山作りそう』
メトリシアが笑いながら言う
『あ!! お父さん倒れないかな?』
マルスが心配そうに言う
『倒れたら、ウイントレスの所為だから、仕方ないですね』
リリシャがウイントレスを見ている
『大人しく帰るようにするか・・・後でウルスト達を連れてくる』
ウイントレスが言うと、馬車に乗って帰っていく
『別に来なくても良いのに』
クリスが馬車を見て言う
『ウイントレスも可哀想に・・・』
フローネが馬車を見送っている
リビングで寛いでいると、ギレリムがやって来る
『マルス、完成しているぞ』
ギレリムが笑顔で言う
『完成した? 早速付与魔法の準備をするね』
マルスが笑顔で言うと、馬車に剣を受取に向かう
『傑作だ!! 刃を鍛えただけだがな!!』
ギレリムが笑顔で剣を差し出すと、マルスが受け取り、魔力を流して確認をしている
『準備をするね』
マルスが剣を浮かして、工房に歩いていく
『ランプを作っておくぞ』
ギレリムが笑顔で言うと、帰ろうとする
『ギレリム、後で食事に来て下さいね、ウイントレスもくるでしょうから』
フローネが屋敷から出てきて、微笑みながら言う
『わかった!! 後で食べにくるぞ』
ギレリムが笑顔で言うと、帰っていく
マルスは、魔力と剣に闘気を全力で込めると、悲鳴のような音がしている
『これなら壊れないかな?』
マルスが笑みを浮かべながら、剣を見ている。マルスは4本の剣を全部終わらせると、付与魔法の魔方陣を使い、剣の魔石に書き込みをしていき、全て書き込みを終わらせる
『マルス、終わりましたか?』
フローネが部屋の入口から見ている
『フローネ先生、確認をお願いします』
マルスが振り向き、笑顔で言うと、フローネが魔石の魔方陣を真剣に見ている
『完璧ですね・・・エリスナさんの剣は手加減したのですね』
フローネが微笑みながら言うと、次々の魔力を流して、剣が魔力の光に包まれていく
『完成しました。ヒストリアに渡しますね』
マルスが笑顔で言う
『ヒストリアの剣は、完全に手加減抜きですね』
フローネが鑑定して言う
『光属性構造強化と体力強化回復と生命力強化回復と状態異常防御耐性強化回復と精神魔法防御耐性強化回復と魔法防御耐性強化貯蔵です。宝剣と同じです』
マルスが笑顔で言う
『マルスの剣は?』
フローネが剣を見ながら言う
『こっちは・・・内緒にしてください、聖属性上級構造強化と光属性魔力増幅貯蔵制御強化と体力生命力強化回復と状態異常防御耐性強化回復と精神魔法防御耐性強化回復と魔法防御耐性強化反射です』
マルスが真剣に言う
『リリシャが怒りますね』
フローネが少し呆れながら言う
『みんな怒りそう』
マルスが呟くと、フローネが笑い出す




