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異世界転生失敗から始まる魔法使いの生活  作者: 桂崇
16章 天空の城と夏休み
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シルフィーニ王女

造船所に向かうと、シルフィード号は着陸している

『マルス、すぐに向かいますか?』

リリシャが微笑みながら聞く

『迎えに行く船に、羅針盤と風の魔道具を作って貸した方が良いから、ちょっと待ってね。後、食料を少し届けたいから』

マルスが真剣に言う

『すぐに作りますよ!』

リリシャが嬉しそうに言うと、みんなを呼んで工房に入っていく


リリシャ達がモデリングで風の魔道具を作り始め、マルスが羅針盤を作っている

『マルスーー紋章入れる?』

リリシャが微笑みながら聞く

『クライドルト王国の紋章入れておこう』

マルスが真剣に考えてから言う

『入れておきます』

リリシャが笑顔で言うと、戻っていく

『勝手に王家の紋章使って良いのですか?』

エミールが思い出したように聞く

『クレシア様経由で貸し出すから、良いよ! 盗まれたら、騎士団が血眼になって探してくれるよ』

マルスが笑顔で言うと、エミールが笑い出す


『アルクオドール様、これが羅針盤です』

工房を出ると、アルクオドールとジエルが話をしている

『マルス殿、お借りします。貸出し賃は?』

アルクオドールが真剣に聞く

『魔道具じゃないけど、クレシア様に任せます』

マルスが笑顔で言う

『クレシア様に相談します』

『風の魔道具も貸出しします、早く向かってくださいね』

リリシャが微笑みながら言うと、風の魔道具をリリシャとエビリアとクレスタとミリアとメトリシアとリシリアが差し出す

『え? 全部貸して貰えるのですか?』

アルクオドールが驚きながら聞く

『誰の風の魔道具を借りますか?』

リリシャが微笑みながら言うと、フローネとリーベルが呆れた顔をする

『え? どうしたら?』

アルクオドールがリリシャの風の魔道具を受け取ろうとして、メトリシアの顔を見て困惑する

(リリシャ様から受け取ると、メトリシア様に失礼か・・・メトリシア様から受け取ったら、ミリア殿とエビリア殿とクレスタ殿が、妹弟子の魔道具が良いと言いそう・・・ミリア殿の魔道具を受け取ると、リリシャ様が・・・誰のを受け取っても文句が怖い)

『早く選んでください』

メトリシアが笑顔で言う

『えーと、全員の魔道具をお借りします』

アルクオドールが真剣に言うと、みんな笑っている

『えーーー! つまらない!』

メトリシアが大声で言う

『良いですわ!! 誰の魔道具を選んでも、文句言われますの』

アリシアが笑いながら言う

『この子達は遊びすぎですね・・・』

フローネが呟く

『暇潰しです』

リリシャが笑顔で言う

『遊び半分で、1人1個魔道具を作るのですから・・・国宝級の魔道具を作って、借りる方も大変ですね』

フローネが呆れ気味に言う

『師匠!! 監視してください!! 少しは止めてください』

リーベルが真剣に大声で言う

『あ! リーベル様の魔法学院学院長祝い作ってなかった!! 何が欲しいですか?』

マルスが笑顔で言うと、みんなリーベルを見詰める

『絶対にいらないです!! 怖すぎます!!』

リーベルが慌てて叫ぶ

『え! 受け取って貰えないのですか・・・悲しいです。 妹弟子からの始めてのお祝いを・・・』

リシリアが真剣に言うと、みんな笑い出す

『リシリアの作った魔道具なんて、怖すぎます』

『ミリアさんの魔道具は受け取ったのに?』

『あれは、無理矢理です!! 師匠、何とか言ってください』

リーベルが慌ててフローネに言う

『リーベル、リシリアからのお祝い断るなんて・・・可哀想ですね』

フローネが微笑みながら言うと、みんな爆笑している

『師匠ーーーーー!!』

リーベルが泣きそうな顔でフローネと話していると、アルクオドールが安心した様子で見ている

(あれ? この流れは、助かったのか?)


マルス達はシルフィード号に食料を吊るして、出発する。リオンド・ベクラード王国の船が見えてくると、近付き、甲板に食料を下ろして、マルスが飛び降りる

『英雄様、これは?』

外交担当が食料の箱を見て聞く

『これは、アーメルド伯爵から頼まれた食料です。海軍がこちらに向かうそうです』

マルスが笑顔で言うと、船員達が喜んでいる

『ありがとうございます・・・命の恩人です』

外交担当が真剣に言うと、頭を下げる


『あの・・・もしかして、リベリアの英雄様?』

少女が真剣に言う

『面倒なので、会った事は内緒で』

マルスが笑顔で言うと、外交担当が驚いている

『え? オベリストリア王国の第2王女シルフィーニ・オベリストリアです。御兄様から聞いていた通りカッコイイです』

シルフィーニが満面の笑顔で言うと、後ろで、白髪の男が苦笑いしている

『オベリストリア王国外交担当ですが、この度クライドルト王国に外交交渉で参りました。リベリアの英雄様に国を救って頂き、感謝の気持ちを伝える為に、シルフィーニ様が赴きました』

白髪の男が真剣に言う

『リベリアの英雄は、オベリストリアに行かなかった事でよろしく』

マルスが笑顔で言う

『何故ですか!! あれだけの事をして、褒美も受け取らないのですか?』

『え? 面倒だから、必要ないです。』

マルスが真剣に言う

『え? 何故? 爵位も欲しければ与えます』

『え? 面倒だから、欲しい人にあげます』

『え!! えーーーーーーーー!!』

シルフィーニが驚いて声をあげると、リオンド・ベクラードの外交担当が笑い始める

『それで、名誉も名声も地位も富も受け取らない英雄か・・・王太子殿下が無駄だから、秘密にしろと言ったのは正解か』

白髪の男が呟く

『褒美は秘密にする事で!!』

マルスが笑顔で言うと、シルフィード号が降下してきて、マルスが飛び乗る


『・・・・え? 何が? これで帰ってしまうの?』

シルフィーニがシルフィード号を見て呟く

『あれが英雄様だ・・・万の人々を救い、何事も無かったように、すぐに帰った英雄様だ・・・』

白髪の男が言うと、溜め息をしている

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