難破船団
翌朝、準備が終わり、シルフィード号に乗り込み始めると、子爵達が見送りに来ている
『ジエル御兄様、早く乗らないとおいていきますよ』
リリシャが大声で言うと、メーレスが笑っている
『すぐに乗るから待ってくれ!!』
ジエルが大声で言うと、慌てて乗り込む
『リリシャ、祝いに来てくれて、ありがとう・・・クレセ様に紹介してくれて、本当に感謝してます。リリシャが居なかったら、こんな幸せ無かったと思います』
リアクラナが真剣に言うと、子爵達がリリシャを見ている
『クレセ御兄様が何かしたら教えてくださいね。いつでも文句言いに来ます』
リリシャが笑顔で言うと、クレセが嫌そうに苦笑いしている
『後、今度リベリアの家に訪問しますね』
リアクラナが真剣に言う
『いつでも遊びに来てね。リアクラナなら歓迎します』
『歓迎するよ! 食事会しよう』
リリシャが微笑みながら言うと、キリシアが笑顔で言う
『キリシア様、ありがとうございます。』
リアクラナが真剣に言うと、シルフィード号は上昇を始めて、カーレスト諸島目指して飛んでいく
『あれ? あれは・・・難破船ですか?』
エビリアが遠くの海を見ながら言うと、みんな双眼鏡で見ている
『帆は破れています・・・船員は・・・見えません』
クレスタが真剣に言う
『周辺に船は・・・あっちに2隻います』
ミリアが双眼鏡で見ながら言う
『方角的にアーメルド方向に向かっているのかな? どこの船かな?』
マルスが真剣に考えている
『あ!! リオンド・ベクラード王国の船です』
メトリシアが旗を見て言うと、みんな見ている
『リリシャ、助ける? このままだと全滅かな?』
『キリシア、助ける?』
マルスがリリシャを見ながら聞くと、リリシャがキリシアを見ている
『マルスに任せる!! 他に船は?』
キリシアがマルスを見て言う
『コテツ、周辺に船は?』
マルスが聞く
『主様ーーーいないです』
エスカが笑顔で現れて飛び回っている
『難破船から調べよう。ジエルさんにも働いて貰おう』
マルスが真剣に言う
『領主として、働いて貰いましょう』
リリシャが笑顔で言うと、ジエルに準備して貰いに行く
シルフィード号が降下して近付き、マルス達が飛び降りる
マルス達は、船内を捜索して甲板に集まる
『マルス師匠、誰もいませんでした。 積み荷は残ってます』
メトリシアが真剣に言う
『食料も水も全部有りませんでした。放棄された船です』
アニーが真剣に言うと、みんな頷いている
『リオンド・ベクラード王国の船だよね・・・かなり困っているのかな? 迎えに行こうか?』
マルスが真剣に言うと、みんな笑い出す
『放棄した船が、接近したら驚かれます・・・攻撃されます・・・面白いですね』
エミールが笑いながら言う
『方位間違っているから、アーメルドに到着前に全滅かな? 忘れ物を届けて、方角を教えようか?』
マルスが真剣に言う
『はい!! マルス師匠』
メトリシアが笑顔で言うと、みんな準備を始め、アクアコントロールと風の魔法で船を動かして進む
2隻の船に近付くと、船員達が驚きながら武器を構えている
『この船、落としましたか?』
マルスが大声で言うと、みんな笑い出す
『マルス師匠!! 落としましたかではなく、放棄しましたか?です!!』
メトリシアが大声で言う
『その前に遭難しましたか?ですね』
エミールが大声で言う
『リオンド・ベクラード王国、外交担当ですが・・・リベリアの英雄様、アーメルドの港町は、この方角で良いですか?』
慌てたように男が聞く
『このまま真っ直ぐ進んだら、通りすぎます。 そちらに飛び移ります』
マルスが笑顔で答える
『え! 間違えているのか・・・』
外交担当が落胆している
マルスとキリシアとルメイルが飛び移り、周囲を見ると、船員が疲れたように見ている
『リベリアの英雄様、何故こちらに?』
外交担当が真剣に聞く
『カーレスト諸島に向かっていましたが、難破船を見つけたので、確認に来ました。 アーメルドに向かっているのですか?』
マルスが笑顔で答える
『アーメルドに向かっています・・・実はオベリストリア王国からの外交の使者も同行しています』
外交担当が真剣に言う
『海図有りますか? 現在地を教えます』
マルスが真剣に言うと、海図を見て、現在地と方角を教える
『こんな所に居たのか・・・』
船乗りが呟く
『アーメルドに知らせて、迎えを呼んできます』
マルスが真剣に言うと、マルス達はシルフィード号に戻り、アーメルドに向けて飛んでいく
アーメルドが見えてくると、海軍の船に近付く
『急用でアルクオドール様に会いたいです。領主の館に向かって良いですか?』
ヒストリアが大声で聞く
『了解しました! 領主の館に向かう事伝えておきます』
海兵が大声で返事をすると、シルフィード号はゆっくり領主の館に向かい始める
領主の館に到着し、シルフィード号が降下を始めると、マルスが飛び降りる
『マルス殿、何か用ですか?』
アルクオドールが慌ててやってくる
『難破船団見付けたから、迎えを出して欲しいんだけど』
『え? 難破船団?』
『完全に方向を間違えて、遭難してました』
『どこの船ですか?』
アルクオドールが、考えながら聞く
『リオンド・ベクラード王国の船ですが、オベリストリア王国から外交の使者も一緒って言っていたかな?』
マルスが考えながら説明をすると、重臣が海図を持ってきて、居場所を伝える
『到着まで少し食料が必要ですね・・・』
アルクオドールが真剣に言う
『造船所に届けて、シルフィード号で届けておくから』
マルスが笑顔で言うと、重臣がすぐに出ていく
『その船も運が良いですね・・・運良く見付けてくれて・・・航路から外れています』
『迎えに行く船に、羅針盤持っていた?』
『交易に行っていた船ですので、無くても迷子にはなりません』
アルクオドールが真剣に言う
『後で渡すね』
マルスが笑顔で言うと、造船所に向かう事にする
『本当ですか! ありがとうございます』
アルクオドールが笑顔で言う
(簡単に貸してくれるのか? 海兵が喜ぶだろうけど、クレシア様に相談が必要か・・・)




