トリエスト子爵家とリアクラナ ☆押絵有り☆
クーレセス号で西に向かい、トリエストの町が見えてくると、門の外に着陸する
『歩いて領主の館まで向かいますよ』
リリシャが微笑みながら言う
『ちょっと恥ずかしいかな? 貴族服なんて・・・』
マルスが真剣に言う
『マルス、似合ってますよ!! 侯爵様に見えます』
『どうして歩いていくの?』
マルスが真剣に聞く
『帰って来ているのを見せ付けます!! 文句を言わせません!! マルス、エスコートしてくださいね』
リリシャが笑顔で言うと、マルスと腕を組んで、クーレセス号を降りて門に向かうと、エミールが羨ましそうに見ている
(マルス師匠!! リリシャ師匠と仲良すぎる・・・油断は出来ません)
『どちら様ですか?』
門番が困惑気味にリリシャとマルスを見て聞く
『リリシャです。何か問題でも?』
リリシャが真剣に言う
『リリシャ? ・・・え!! リリシャ様!!』
門番が大声をあげると、隊長が走ってくる
『リリシャ様!! お帰りなさい!! 屋敷まで護衛いたします』
隊長が慌てて頭を下げて言う
『護衛だけで良いです!! 歩いていきます』
リリシャが満面の笑顔でマルスの腕にしがみつく
『隊長、止められない! 周囲の警戒頼む・・・面倒事は遠慮したい!!』
ジエルが真剣に言う
『え!! ジエル様!! 明日結婚式ですが・・・町の中に賊もいる可能性が・・・』
『賊なんて、全部消し飛ばしますね』
リリシャが笑顔で言うと、歩き始める
『穏便に済ませる為に、人を近付けさせるなよ』
ジエルが真剣に言う
『ジエル様、早く行かないと、置いていかれます』
メーレスが微笑みながら言うと、リリシャの後ろ姿を見て慌てて、後を追う
(リリシャ!! イチャイチャしたいだけか? 上機嫌なのは良いが・・・お祖父様になんて言われるか)
『リリシャ様!! ジエル様!! お帰りなさい』
館の門番が慌てて言う
『マルス、クレセ御兄様の所に行きますよ』
リリシャが笑顔で言うと、中に入っていく
『御苦労・・・クレセはいるのか?』
ジエルが真剣に聞く
『明日が式ですので・・・ジエル様とリリシャ様が出席するとは、聞いてませんでした』
『リリシャに知られて、問答無用で連れてこられた』
ジエルが苦笑いしている
『話していると、置いてきぼりですよ』
メーレスがリリシャの後ろ姿を見ながら言う
『止められない』
ジエルが呟き、慌てて後を追う
『リリシャ!! 何故ここに』
子爵が慌てて出てきて言う
『お祖父様! クレセ御兄様の結婚式に妹が出席したら不味いのですか?』
リリシャが微笑みながら言う
『いや・・・何故? ジエル!!』
子爵が困惑して、ジエルを見て声をあげる
(ジエル伝えたのか? あれほど言うなと言ったのに)
『お祖父様、リリシャ達が夏休みで遊びに来ていました・・・3日後、結婚式と言ったら、ここまで問答無用で連れてこられた』
ジエルが苦笑いしている
『そうか・・・』
子爵が残念そうに呟く
『こちらは王妃様からの手紙です』
エミールが手紙を差し出すと、子爵が慌てて読んで、苦笑いする
『やり方が失敗か・・・リリシャすまない』
子爵が真剣に頭を下げる
『お祖父様、リアクラナは?』
リリシャが微笑みながら聞く
『リリシャ!!』
リアクラナが慌てて走って出てくる
『リアクラナ、元気でした? クレセ御兄様浮気でもしましたか?』
『リリシャ、ごめんなさい!! 招待しないで!! 本当にごめんなさい!!』
『リアクラナの所為では有りません!! 御父様とお祖父様の所為です!! 所で結婚祝い、何が欲しいですか?』
リリシャが笑顔で聞く
『え? 結婚祝い? えーと・・・リリシャが仲良くしてくれれば、良いです』
リアクラナが真剣に言う
『え? リアクラナ御姉様なのですから、当たり前です。 結婚祝いは、別です』
リリシャが笑顔で言う
『え? 御姉様? 何故?』
リアクラナが驚いている
『クレセ御兄様に嫁ぐので当たり前です』
リリシャが微笑みながら言う
『あ!! だけど・・・今まで通り、呼び捨てにして欲しい・・・友達ですよね?』
リアクラナが真剣に言う
『リアクラナ、わかったわ!!』
リリシャが笑顔で言う
『リリシャありがとう』
リアクラナが笑顔で言う
『リアクラナ、何でも欲しいものを言って!! マルスが作れる物なら、何でも作ってくれるから!』
リリシャが笑顔で言う
『・・・・あ!! 子供が出来て、子供が魔法使いになりたいと言ったら、教えて欲しいです』
リアクラナが真剣に言う
『魔法を悪用しないなら・・・基礎ぐらいなら教えます』
リリシャが真剣に言う
『悪用? あ!! 魔法を使い、人を不幸にするような真似ですか?』
『グゼリオンス王国やオルフェスタ・ガゼルド王国のように、悪用するような人なら、叩き潰します!!』
リリシャが真剣に言う
『はい! それでかまわないです!! 人を不幸にするような人に育てません!! 領民を守る為に戦う時に人々を回復させる人になって欲しいです!! 英雄様の事は、領民達が今でも感謝しています! あの時、怪我を治療して貰った人々は、命の恩人として今でも崇めています。』
リアクラナが真剣に言う
『あれは・・・マルス達でしたね』
リリシャがマルスを見る
『みんなも一緒に手当てしたよ』
マルスが笑顔で言う
『あの後1つの伝承が、町中で広がっています!! 魔物の大群に町は襲われ、絶対絶命の危機に天空より使いが現れ、魔物の大群を凍てつかせて氷漬けにし、瀕死の人々を奇跡の力で救った、偉大なる天空の使者、名も名乗らず天空に帰って行った・・・多くの民が子供達に広めています。 人々の憧れです』
リアクラナが笑顔で言う
『恥ずかしいかな? キリシアが知ったら、面倒かな?』
マルスがリリシャに言う
『あれ? 槍使いが入ってないですね』
『はい、天空の使いは、魔法使いです』
リアクラナが笑顔で言う
『キリシアは、知らんぷりしますね』
リリシャが笑顔で言う
『面倒だから、噂を広めないでね』
マルスが真剣に言う
『はい! 英雄様』
リアクラナが笑顔で言う
『リアクラナ、結婚祝いどうします?』
リリシャが笑顔で聞くと、ジエルがにがわらいする
(リリシャ!! 話を戻すのか!! 諦めてくれ!!)
『リリシャ、仲良くしてくれる事が1番です』
リアクラナが笑顔で言う
『仕方ないですね・・・マルス、何にします?』
リリシャがマルスを真剣に見ている
『魔方陣無くて魔導具作れないから・・・トリエストから王都に向かうのは、結構大変かな?』
マルスが真剣に聞く
『え! 結構山も有りますので、野営もします』
リアクラナが真剣に言う
『リリシャ、今度、馬車を作って贈ろうか?』
マルスが真剣に言う
『あ!! 紋章入りなら、奪えません!! そうしましょう!! 馬具も紋章入りにします!!』
リリシャが満面の笑顔で言う
『王都に帰ったら、作っておきます。 ジエルさんの結婚式の後に乗って帰ってください』
マルスが笑顔で言う
『ありがとうございます!!』
リアクラナが真剣に言う
『リリシャ・・・その馬車は・・・』
ジエルが嫌な予感に聞こうとする
『ジエル様、聞いたらダメです!! 英雄様からのプレゼントです!! 素晴らしい馬車なのは解っています!!』
メーレスがジエルに真剣に言う
(聞いたら、終わりか・・・絶対にとんでもない価値の馬車だ!! トリエストの紋章が入っているなら、盗まれないのか・・・リアクラナは、しっかりしているな・・・リリシャの攻撃を防ぎきるなんて)




