暇潰しの建築
マルスとリリシャとエミールとミリアとメトリシアとヒストリアとエリスナは、馬車に乗ると、領主の館に向かう
侍女の案内で部屋に入ると、アルクオドールと重臣が待っている
『マルス殿、何か急用ですか?』
アルクオドールが、マルス達を見て驚きながら聞く
『時間有るから、ブロイスや海兵達の家の近くに、大きめな土地無いかな?』
マルスが笑顔で言う
『え? 土地ですか?』
アルクオドールが考え、重臣を見る
(マルス様が土地と言うと、何か作るのか? 造船所に近いから、土地は有るけど・・・どうするか?)
『アルクオドール様、あの付近なら広目の土地が有りますが、廃墟が建っています』
重臣が考えながら言う
『いくらだろう?』
マルスが笑顔で言うと、メトリシアが笑い出す
『金額よりも、何を作られますか?』
アルクオドールが真剣に聞く
『護衛達と海兵の子供達を、昼間預かる場所を作ろうと、思っているよ・・・建物に魔導具は設置しないけどね』
マルスが笑顔で言うと、リリシャが微笑んでいる
『子供達を?』
アルクオドールが疑問そうに聞く
『マルス師匠は、海兵と護衛達が安心して任務に出掛けられるようにするつもりです。 母親1人だと家事が大変ですから』
エミールが微笑みながら言う
『あ!! 家事をしている間、子供達が安全に過ごせるのですね!!』
アルクオドールが笑顔で言う
『作って良いかな?』
マルスが笑顔で言う
『勿論です!! 費用は預かっている資産から払います』
アルクオドールが微笑みながら言う
(少し使ってくれたぞ!)
『早速案内します。 念の為兵士に建設中、護衛させます』
重臣が微笑みながら言うと、部屋を出ようとする
『あ!! 暇潰ししていたから、出発前にルキアと楽しんでね』
マルスが笑顔で言うと、みんな思い浮かべて微笑んでいる
『え? 暇潰し? 後でルキアに聞きに行きます』
アルクオドールが考えながら見送る
(暇潰し・・・何を作られたのか? 楽しむ事か・・・)
重臣の案内で土地に着く
『ブロイス達の家が向こうだから、良い場所ですね』
リリシャが微笑みながら言う
『広さも良いね! 庭も広く出来る』
マルスが笑顔で言う
『マルス師匠、あっちに建物でL字に建物を作って、こっちは庭にしましょう』
ミリアが考えながら言う
『楽しめそうだね』
マルスが思い浮かべながら笑顔で言う
『はい! マルス、早速解体して、建て替えましょう』
リリシャが嬉しそうに言う
2日後、建物が完成する
『マルス師匠、質素過ぎます』
メトリシアが真剣に言う
『豪邸にしたら、色々面倒だから仕方無いよ』
『マルスが、こんな質素な建物を建てたの初めてですね・・・』
リリシャが微笑みながら言う
『マルス師匠なら、もっと豪邸にした方が楽です』
エミールが微笑みながら言う
『豪邸作るのは、気合い入るからね』
マルスが笑顔で言うと、みんな微笑んでいる
『次は、先生と教材ですね』
リリシャが微笑みながら言うと、みんなでブロイスの所に行く
『ブロイスいる?』
マルスが大声で言う
『マルス様、御用ですか?』
ブロイスが、慌てて返事する
『ブロイスの奥さんに会いたいんだけど、良いかな?』
マルスが真剣に言うと、リリシャが笑い出す
『え? 何でしょうか?』
ブロイスが意味解らず苦笑いしている
『マルス師匠、説明してません・・・ブロイスさん、一緒に行きますので、子供に文字等を教えられそうな人を集めてください』
エミールが微笑みながら言う
『は? え? ・・・畏まりました。 唐突なので、驚きすぎて申し訳ありません』
ブロイスが苦笑いして頭を下げる
ブロイスの家に向かう
『あなたどうしたのですか? 雇い主様ですか?』
『はじめまして、エミールと申します。』
エミールが微笑みながら言う
『ブロイスの妻、ロナです。エミール様何か御用ですか?』
ロナが不思議そうに言う
『マルス師匠が頼みたい事が有ります。 子供達に文字とか色々教える先生をやって欲しいです。 ブロイス達が出掛けると、中々帰ってこれなくなります。 昼間に子供達を集めて、教えて欲しいのですが、良いでしょうか?』
エミールが微笑みながら言う
『え? 私が?』
ロナが驚いてブロイスを見る
『良く解らないが、ロナなら子供に読み書き教えられると言ったら・・・いきなり紹介してと』
ブロイスが苦笑いしながら言う
『は? どうしたら?』
ロナが苦笑いしている
『面倒なので、子供を連れて一緒に行きましょう』
エミールが微笑みながら言うと、ブロイスが苦笑いしている
歩いて建物に到着する
『ロナさん、ここに昼間子供達を集めて、あそこの部屋で文字の読み書き等を教えて欲しいです。 それに昼間、子供達が安全に過ごせる場所が有れば、安心ですよね』
エミールが真剣に説明をしている
『凄い考えですが・・・私が先生なんて務まりません・・・自信が有りません・・・』
ロナが考えながら言う
『マルス、どうします?』
リリシャが微笑みながら聞く
『どうしよう?』
マルスが真剣に考え始める
『マルス師匠の失敗です!! 凄く珍しいです』
メトリシアが大笑いしていると、エリスナが少し慌てている
『マルス師匠が失敗・・・次の手は?』
ミリアが考え込む
『クレシア様に相談しましょうね』
リリシャが微笑みながら言う
『アルクオドールよりもルキアに相談も? フローネ先生に相談かな?』
マルスが真剣に呟く
『そうですね』
リリシャが微笑みながら言う
『面倒だから、みんな集めて相談しよ』
マルスが笑顔で言う
『えーと、どうなるのですか?』
ロナが少し不安そうに聞くと、ブロイスを見る
『どうなるのか・・・全く予想が付かない?』
ブロイスが苦笑いしていると、ロナが不安そうにしている
(誰を呼びに・・・もしかして断ったら、不味いのでしょうか?)
『集まって貰う様に、行ってきます』
エミールが微笑みながら言うと、造船所に向かう
エミールがフローネとクレシアとルキアとアルクオドール達を連れて戻ってくる
『マルス・・・何かをしていると思ったら・・・監視不足ですね』
フローネが苦笑いしている
『話しは聞きました。 教育出来そうな人を雇います』
アルクオドールが笑顔で言う
『マルス様の考えは、統治する者がやるべき事です。ヘルトに誰か派遣して貰いますか?』
クレシアが微笑みながら言う
『来年なら、時々見に来ます』
ルキアが笑顔で言うと、リーネも頷いている。 ロナが戸惑いキョロキョロしている
(この人達何者でしょうか? 何だか身分のある人なのでしょうか?)
『マルスは誰に任せるつもりでしたか?』
フローネが真剣に聞く
『護衛の人達と海兵の子供中心なので、奥さん達の中から選びたいと思っていました』
マルスが真剣に言うと、説明をしている
『この子は・・・考えは素晴らしいですが、相談してから建物を作りましょうね・・・マルスでしたね!相談無しに建物を先に作るのは・・・質素で良い建物ですね』
フローネが呟くと、ロナを見ている
『マルス様ですね・・・責任者は必要ですね・・・来年ならルキアさんが居ますが、今は・・・』
クレシアが考えながらロナを見る
『あの・・・これは、私がやらないと収まらないのでしょうか?』
ロナが苦笑いしながら言う
『先生をやって頂けたら、助かりますね・・・親達からも数人選んだ方が良いですが・・・子育て終わった人が1番ですね』
フローネが微笑みながら言う
『あの・・・ゼオン様の奥様は?』
ヒストリアが考えながら真剣に言う
『ゼオンさんの? あーーーーー! 完全に忘れていました』
メトリシアが大声をあげる
『ゼオンさんに丸投げしようかな?』
マルスが笑顔で言う
『あ!! マルス師匠が面倒になった!! 丸投げです』
メトリシアが嬉しそうに笑い出す
『関係者を集めましょうね』
フローネが微笑みながら言う
『呼んできます』
エミールが笑顔で言うと、歩いていく




