マルスとミリア
屋敷に戻りリビングに行くと、ギレリムが待っている
『マルス、帰っていたか!』
ギレリムが笑顔で言う
『ギレリム、何か用?』
『鍋が溜まったから持ってきた!』
『鍋作っていたんだね』
『弟子達がな! 頑張ったから、使えるものは使って欲しい』
ギレリムが真剣に言うと、マルスは馬車に向かい鍋を確認する
『みんな運ぶよ』
マルスが笑顔で言うと、みんなで工房に持っていく
『ギレリム、材料は足りている?』
マルスが真剣に聞く
『キリシア持ってこないぞ』
ギレリムが真剣に言う
『じゃあ待っていてね』
マルスが笑顔で言うと、素材庫に向かいゴーレムの鉱石とボムの鉱石を集めて、マテリアルセパレーションで分離していくと、クレーションを使い形を変えていく
『マルス師匠、何しているのですか?』
エミールがマルスを見付けてやって来る
『エミール、魔石を埋め込んでね』
マルスが笑顔で言うと、エミールが笑い出す
『ギレリムさん、驚きますね』
エミールが次々とモデリングで魔石を埋め込んでいる
『マルスーー! 何しているのですか?』
リリシャがやって来ると、マルスとエミールを見て笑い始める
『マルス師匠の暇潰しです』
エミールが笑いながら言うと、並べられた魔法のランプの魔石を見ている
『刻印と外装沢山作って貰うよ』
マルスが笑顔で言う
『それでも数百個作ったら、すぐに貸し出せませんよ』
リリシャが微笑みながら言う
『倉庫にしまって置いても良いよね』
マルスが笑顔で言う
『ギレリムが驚きますね』
リリシャが微笑みながら言うと、箱にしまい始める
『マルス、ギレリムがまだか聞いてますよ』
フローネとリシリアがやって来るとギレリムも後ろを付いてくる
『マルス師匠、見付かってしまいました』
エミールが笑顔で言うと、ギレリムが苦笑いしている
『マルス・・・形にしていてくれたのか?』
『ギレリム、頑張って沢山作ってね』
マルスが笑顔で言うと、ギレリムが1個手に持って見ている
『この子は・・・マルスだから仕方無いですね』
フローネが呆れ気味に言う
『マルスですから、やる気になったら、何でも作ります』
リリシャが笑顔で言う
『刻印と外装を作れば良いな・・・何個作ったんだ!』
『え? 何個だろう? エミール』
『リリシャ師匠、何個ですか?』
エミールが真剣に聞く
『500個ぐらいですね』
リリシャが箱を見ながら言う
『ギレリム、頑張ってね』
マルスが笑顔で言う
『マルスだから仕方無い・・・当分ランプ作りだな』
ギレリムが真剣に呟く
『あ! 外装用の鉱石持ってくるね』
マルスが笑顔で言うと、ゴーレムの鉱石を持ってきて、セパレーションで別けて魔鉄を金属の棒に変えていく
『クレーション』
マルスが笑顔で魔法を使うと、ランプの外装の形になる
『あ! マルス、外装まで作った!!』
リリシャが驚いて声をあげる
『マルス師匠、部品に別けなくても、もう1つで作った方が早いです』
エミールが真剣に言う
『俺の仕事取ってしまうのか?』
ギレリムが真剣に言う
『あ!! ごめんなさい、やったら出来ちゃった! 後はよろしく』
マルスが笑顔で言う
『任せておけ』
ギレリムが苦笑いしながら言うと、マルスはモデリングで金属の棒に戻す
『マルス師匠、ギレリムさんに、楽させないのですか?』
エミールが真剣に言う
『ギレリムの仕事取ったらダメだからね』
マルスが笑顔で言う
『これだけ作っておいて、言うことですか? 作る前に言いなさいね』
フローネが呆れ気味に言う
『マルスだから仕方無いです! 魔法のランプ沢山作ってきてくださいね』
リリシャが笑顔でギレリムに言う
『任せておけ!』
ギレリムが笑顔で言うと、マルス達が材料を浮かせて馬車に乗せていく
『マルス師匠! これで大丈夫ですか?』
ミリアがローブを持ってきて、真剣に聞く
『大丈夫だね』
マルスは、ローブに魔力視を使いながら、真剣に見てから言うと、ミリアが笑顔になり
『付与内容なのですが・・・どうしましょうか?』
ミリアが真剣に聞く
『少し、色々書き込んで、可能な書き込み内容を組み合わせようね』
マルスが笑顔で言うと、工房に向かい、ミリアが真剣に魔石に書き込んでいく
『ミリアに何を教えているの?』
リリシャがやって来ると、ミリアを見て聞く
『卒業研究のローブの書き込み練習だよ』
『3年間の成果を見せ付けましょう』
リリシャが微笑みながら言うと、マルスが以前に付加した内容をまとめた本を持ってくると、ミリアと真剣に読み始めて、練習を再開する
『やっぱり難しいです・・・衝撃吸収構造強化型うまくいきません・・・』
ミリアが困り果ててマルスに聞く
『構造強化を付ける時は、ここの線を太くしてね』
マルスが真剣に言うと、ミリアが真剣に書き込みをする
『出来ました!! こんな方法が有ったのですね!』
ミリアが笑顔で言うと、リリシャが微笑んでいる
『防汚防水、衝撃吸収構造強化、魔法防御耐性強化、体力強化回復、生命力強化回復が完成したね』
マルスが笑顔で言う
『状態異常系も付けたいです・・・毒麻痺耐性もいけますか? 状態異常耐性難しすぎます・・・』
ミリアが真剣に聞く
『6個か・・・練習しようね』
マルスが真剣に言うと、ミリアが練習を始める
『出来た・・・これで6個・・・』
ミリアが真剣に呟く
『大魔石に書き込み練習しようね』
マルスが真剣に言うと、ミリアが大魔石に書き込みを始め、何回か失敗しながら、練習を進めている。リリシャが後ろで真剣に見ている
『ミリア、成功確率が上がってきたね』
マルスが笑顔で言う
『はい! マルス師匠、最初の1個を書き込む位置次第で成功確率が上がります!』
ミリアが真剣に言う
『ミリア、凄いですよ』
リリシャが微笑みながら言う
『ミリア、何回か練習して、自信付けたら、書き込もうね』
マルスが真剣に言うと、リリシャが微笑みながら見ている
『はい! マルス師匠』
ミリアが言うと、少し休憩してから、試し書き込みを何回かしてから、ローブの魔石に書き込みをする
『マルス師匠、どうですか?』
ミリアが真剣に言うと、マルスが真剣に見てから、リリシャに手渡して、リリシャが真剣に見る
『綺麗に書き込めています。 ミリア、魔力を流して魔道具にしましょうね』
リリシャが嬉しそうに言うと、ミリアが魔力を流して、魔力の輝きがローブ全体に広がり、魔道具化する
『完成です!! マルス師匠!!』
ミリアが満面の笑顔で言う
『フローネ先生に鑑定して貰おうね』
マルスが笑顔で言うと、ミリアが満面の笑顔でリビングに向かう
『フローネ先生、卒業研究のローブ完成しました!』
ミリアが笑顔でローブを手渡すと、フローネが真剣にローブを観察してから、鑑定をする
『マルス、教えすぎですね・・・発表出来ない魔道具ですね』
フローネが少し呆れながら言う
『え!! そんな!! 才能の欠片も無い半人前だから、失敗ですか・・・』
ミリアが泣きそうになりながら叫ぶと、みんなやって来る
『逆ですね・・・ミリア、これと同じ書き込みが出来るのは、マルスとリリシャでしょう・・・歴史に名を残す程のローブです。発表したら、同じ物を欲しいと世界中の王家から依頼が入ってきます。かなり面倒になるので、発表は出来ません! 古代付与魔法師と言っても過言有りません! 自信を持ちなさい』
フローネが真剣に言う
『本当ですか? 失敗でないのですよね?』
ミリアが真剣に聞く
『リーベルが泣いて震えるでしょうね』
フローネがリーベルの顔を思い浮かべると、苦笑いしている
(リーベル、自由にさせると、こうなるのですよ! ミリアももっと自信を持ちなさい!!)
『ミリア、おめでとう』
リリシャが微笑みながら言う
『ミリアに抜かれた・・・マルス師匠! 教えてください!! ミリアに追い付きます』
エミールが真剣に言う
『エミール御姉様は、目標です!!』
ミリアが慌てて言う
『ミリアに不足しているのは、自信だけです! 自信を持ちなさい』
フローネが真剣に言う
『え! 自信なんて無いです!! マルス師匠が居てくれないと、何も出来ないです』
ミリアが大声で言う
『マルス、何とかしなさい! 過保護だからこうなるのですよ!』
フローネが真剣に言う
『マルスだからです! 過保護なのは、いつもです』
リリシャが真剣に言うと、みんな笑い出す
『マルスの過保護・・・直らないですね』
フローネが諦めたように呟く




