天空の城
聖地の魔導具や魔導書をシルフィード号に乗せると、マルスは再び聖地を封印する
『エスカ、エスカフリーダム以外に天空の城に行けないのかな?』
『主様、エスカ以外に行けないよ』
エスカが真剣に言う
『明日の朝、エスカフリーダムに乗って、天空の城に行こう』
『はーーい! 主様』
エスカが嬉しそうに言う
翌朝、全員でエスカフリーダムに乗り込む
『エスカ、天空の城は海底だけど、海に潜れるの?』
『主様ー出来るよーーシールド展開』
エスカが笑顔で言うと、南の進路を取りながら進み、降下を開始すると、海に潜り始める
『凄い・・・』
リリシャが真剣に外を見ながら言う
『どんどん暗くなっています・・・日の光も届かない世界』
メトリシアが真剣に外を見ながら言う
『有りました! あれが天空の城です』
エスカが嬉しそうに言うと、暗闇の中に巨大な城が見えてくる
『天空の城・・・』
マルスが呟くと、みんな近付く城を見ている
『いつもの場所に入れないから・・・中央に付けます』
エスカフリーダムは、天空の城に近付くと、天空の城のシールドに当たり、融合するようにシールドの中に入っていき、天空の城に着陸する
『どこから入るの?』
『我が主、天空の城を起動しないと、入れない』
シリウスが真剣に言うと、シリウスの案内で中庭の建物に向かい、中に入る
『これは・・・魔力供給装置? それに天空の城の起動方法は・・・それで封印を』
マルスが呟きながら、水晶球に触れて、天空の城の封印を解除する
『我が主、試練を受ける準備は出来ているか?』
シリウスが真剣に聞く
『何が起きるかわからないけど・・・受けないといけないんだよね』
マルスが真剣に言うと、天空の城の扉を開けて中に入り、みんなマルスの後を付いてくる
『みんな乗って』
マルスが壁際の円形の部屋に入り、みんなが乗るのを確認してから、起動すると、床が降下を始める
『え! 何!!』
キリシアが驚きながら周囲を見ている
『昇降装置・・・最下層に創成の女神の間が有る』
マルスが真剣に言うと、昇降装置が止まり、通路を歩いて、広い空間に出る
『ここが目的地?』
リリシャが真剣に言う
『シールド? 通れない』
キリシアが言う
『認められた者以外入れない』
シリウスが真剣に言う
『ちょっと行ってくるね』
マルスが真剣に言うと、シールドに触れて中に入っていくと、シリウスが弾かれ床に落ちる
『シリウス、大丈夫?』
『我が主、やはり1人しか入れない』
『じゃあ行ってくるね』
マルスが真剣に言うと、壁に触れる。壁が光を発すると、マルスは壁に入っていく
マルスは、通路を歩いて広い空間に出る
『ここが・・・玉座に人が?』
マルスが呟きながら近付く
『マルス、お帰りなさい・・・随分若い姿ですね』
玉座に座る女神が微笑みながら言う
『あなたが創成の女神様?』
『試練を受けに来たのですね。マルス』
『試練とは何ですか?』
マルスが真剣に聞く
『悠久の時間に次元と時間の狭間、全ての知識と経験が出来ます。マルス、あなたが何者かわかります』
女神が真剣に説明をしている
『なぜ試練が有るのですか?』
『試練を受ければ、解ります。マルスの選択が世界の成り立ちに関わります。それが神々との契約』
『理解できませんが・・・それが必要なら受けます』
マルスが真剣に言う
『澄んだ目を・・・良い人生を歩んでいるのですね。楽しいですか? 良い友や伴侶に出会いましたか? 話は後でしましょう』
女神が真剣に言うと、手をかざして何かを呟き、光が集まっていく。光がマルスの前に来ると、光にマルスが吸い込まれ、光が無くなると目の前に7つの光の球が有る
『さぁー行きなさい! そして導き、試練を越えなさい』
女神が言うと、空間が裂けて光の球が吸い込まれて消えていく
『何が・・・』
マルスが目を醒ますと、女神が微笑みながら見ている。光の球が目の前に近付いて光輝き、マルスに吸収されると、膨大な記憶がマルスの中に入ってくる。何回か繰り返し、マルスが再び目を覚ます
『マルス、記憶が混乱しますが、それが試練です。ゆっくり休みなさい』
女神が微笑みながら言う
『あの光は・・・魂の分身? 試練とは・・・どうして、こんな事を?』
マルスが記憶に混乱しながら聞く
『その答えもマルスが知っています。記憶の底に有ります。 そしてあなたは』
『え! どうして? お母様・・・あ! え? そう、人々の醜さに神族は人を滅ぼす事を・・・それで自分が時を渡り、人々を導き、破滅を回避してきたのか・・・選択次第で世界を消滅も繁栄も』
マルスが考えながら呟いている
『マルス、お帰りなさい・・・一時の休息を、そして新たな選択を』
女神が微笑みながら言うと、少し悲しそうにしている
『記憶の整理ですね・・・感情も整理しないといけないのかな?』
『ふふふ、初めてですね・・・感情豊かで嬉しいですよ』
女神が微笑みながら、マルスを見ていると、マルスは記憶の整理をしつつ色々考え込んでいる
マルスは急に苦しみだして、頭を抱え
『うわぁーーーーーーー!!』
叫び苦しんでいる。マルスの体が次第に透明になりかけている
『マルス・・・やっぱりダメですね・・・まだまだ若かったのですね』
女神が悲しそうにマルスを見ている




