卒業研究の相談
夜になり、夕食後
『マルス、今度こそ、ゆっくり魔法学院楽しんでね』
リリシャが微笑みながら言う
『あまり通ってなかったけど、もう少しで夏休みか・・・時が過ぎるの早いな』
マルスが真剣に言う
『マルス師匠、卒業研究は何を出すのですか?』
エミールが真剣に聞くと、エレーヌも真剣に見ている
『何が良いかな? 新しい物作らないとね』
マルスが真剣に言う
『マルス、何を発表しても、国家機密ですね・・・新しい物より、もう作り上げた物を卒業研究で発表した事にした方が、良さそうですね』
フローネが嫌な予感に苦笑いしながら言う
『あ! マルス師匠! 魔導車で良いですよ』
メトリシアが笑顔で言う
『そうだね・・・文章が面倒だな・・・紋章魔法に紋様魔法と魔法珠を使った魔力量供給装置と、魔晶石を使用した魔力制御装置・・・魔導具で回転付加の魔導具に結界の魔導具、振動吸収の車輪に紋様魔法を使用した鍵と気温調整の魔導具・・・』
マルスが笑顔で説明を始める
『マルス、ダメですね・・・理解も出来ないですが、発表も不可能ですね・・・魔法珠は何ですか?』
フローネが苦笑いしている
『魔石を加工して、魔力の結晶に変えた物です。古代の魔導炉が作られる前、主流だった魔力供給装置です。リベリアの屋敷でテストしたら、良い具合だったので、魔導車に取り付けました』
マルスが笑顔で説明を始める
『マルス、聞かなかったことにします』
フローネが頭を押さえながら言う
(見ないようにしてましたが、まさか・・・平気でとんでもない物を作っていたなんて・・・発表所の問題では無いです)
『マルス師匠の卒業研究必要なのですか? 何を発表しても普通では無いですよね? 飛空艇も魔導船も』
メトリシアが真剣に言うと、みんな真剣に頷いている
『メトリシアとミリアは?』
マルスが聞くと、みんな見ている
『え! どうしよう? 何が良いですか? 魔導書?』
メトリシアが考え始める
『どうしよう・・・』
ミリアが考え始め、エミールを見ている
『ミリアは何が得意ですか?魔導具?』
エミールが微笑みながら言う
『付与魔法も好きです! どんな魔導具が良いですか?』
ミリアが笑顔で言う
『リーベルさんにローブでもプレゼントしたらどうですか? 杖は前にマルス師匠が作ってましたよね! リーベル様には最初の時世話になっているのですから』
エミールが微笑みながら言う
『リーベル様の為に、一生懸命作ります! 恩返しします』
ミリアが満面の笑顔で言うと、フローネが苦笑いする
(リーベル、大丈夫かしら・・・)
『メトリシアは、ポーションの本を作る?』
マルスが笑顔で言う
『はい! 初級から上級まで全部書きます』
メトリシアが笑顔で言う
『これで教科書が増えるね』
マルスが笑顔で言う
『え?何故ですか?』
『講師の魔導書デタラメだからね』
『あ!! 使えない魔導書です!! 気合い入れます』
メトリシアが笑顔で言う
『ほどほどに・・・リリシャの作り方は内緒にしなさいね』
フローネが苦笑いしている
(ポーション全書作るつもりですか? 作れる魔法薬だから完全な本になりますね・・・)
翌朝、フローネを連れてリーベルに会いに向かう
『師匠まで、何か用ですか?』
リーベルがマルスとメトリシアとミリアを見てから聞く
『マルスの卒業研究ですが、どれの発表が良いですか?』
フローネが真剣に言う
『え! 卒業研究!! 何をやるつもりですか!!』
リーベルが青ざめて叫ぶ
『魔導車と飛空艇と魔導船と建物と訓練場と魔導具の数々に魔導書、どれが良いですか?』
フローネが真剣に聞く
『え! 冗談は止めてください!! どれもとんでもない事になります!!』
『魔導車の構造について、昨日聞きましたが、理解不能の古代魔法が並びます。魔導炉以前の技術まで持ち出していますよ』
『えーーーーーー! そんな怖いことしないで下さい!! マルスの卒業研究の発表しないで下さい!』
リーベルが大声をあげる
『卒業研究の発表は、必ず必要ですよね?』
マルスが真剣に言う
『絶対に無理です!! 国家機密以前に意味不明な事ばかりになります!!』
『リーベル、覚悟しなさい、マルスですから、先に国王陛下に相談しなさい』
フローネが真剣に言う
『すぐにします!! マルスは大賢者研究会は、卒業研究無しにして貰いたい!!』
リーベルが大声で叫ぶ
『え!! 折角リーベル様のローブを作ろうとしたのにーーー!!』
ミリアが泣きそうになりながら叫ぶ
『え! ミリアの魔導具? ・・・無理です!! 絶対にとんでもない物になります!!』
リーベルが叫び立ち上がる
『え!! 私が才能の欠片も無い最低の魔法使いだから!! 変なことを言って本当にごめんなさい!!』
ミリアが大声で叫び涙目で叫ぶ
『師匠、どうにかしてください!!』
リーベルが叫ぶ
『仕方無いですから、リーベル様のローブ作りますね・・・魔方陣は・・・あれとあれとあれでー』
マルスが笑顔で考えながら、ぶつぶつ言い始める
『マルス師匠がやる気になりました!!』
メトリシアが嬉しそうに言う
『師匠!! 助けてください!!』
リーベルが叫ぶ
『二者択一ですね・・・マルスとミリアどっちにしますか? ミリアの感謝の気持ちですからね』
フローネが微笑みながら言う
『えーーーーーーーー!! 師匠、助けてください!』
『リーベルが監視を怠ったのですから、決めなさいね』
フローネが真剣に言う
『マルスのは絶対に嫌です!! ミリアのローブで良いです・・・』
リーベル涙目で言う
『はい!! 頑張ります!! 未熟なので沢山練習します!!』
ミリアが満面の笑顔で言う
『ミリア、良かったですね。卒業研究決まって』
フローネが微笑みながら言うと、リーベルが不安そうにミリアを見ている
(怖い・・・ミリアも物凄い杖を・・・何をするかわからない・・・)
『卒業研究ですが、魔法薬の魔導書を作ります』
メトリシアが笑顔で言うと、笑顔で内容の説明を始める
『師匠・・・どうにかしてください・・・』
リーベルが涙目で真剣に言う
『リーベル、新しい教科書が出来ますよ』
フローネが微笑みながら言う
(国王陛下に何としても卒業研究を極秘にして貰わないと)




