ガベラス王国に寄り道
マルス達は、魔獣の森に向かい、シルバー達がクーレセス号から降りる
『主様と過ごした日々忘れません』
シルバーが真剣に言うと、狼達は座りマルス達を見ている
『何か有ったら、また力貸してね』
『主様の命令なら何時でも駆け付けます』
シルバーが真剣に言うと、マルスはシルバーを抱き締める
『シルバー、元気でね』
マルスが言うと、みんなシルフィード号に乗って上昇を始める
『クォーーーーーーーーーーン』
シルバーが遠吠えをすると、狼達が遠吠えを一斉にしている
シルフィード号は、北に向けて進み始める
『マルス師匠、寄り道しますか?』
エビリアが真剣に聞く
『ガベラス王国に寄って、エリスナさんを送った方が良いかな?』
マルスが真剣に言う
『そうです! エリスナさんは何気に一緒に乗ってますけど、伯爵家の状況やガベラス王国の意思も解りません』
メトリシアが真剣に言う
『エリスナさんも、もうガベラス王国に戻れないでしょう・・・伯爵家の一族ですから・・・』
フローネが心配そうに言う
『念を押しておこう』
マルスが真剣に言う
『メリアの親友ですから、命狙われる事は許したく無いですね』
フローネが考えながら言う
『フローネ先生の娘ですから、家族です』
リリシャが笑顔で言う
『家族に手を出したら、どうなるか思い知らせる?』
キリシアが笑いながら言う
『脅しておこう』
マルスが笑顔で言うと、みんな笑い出す
『もう、この子達は・・・』
フローネが呟く
(1国を脅すなんて・・・本気ですね)
ガベラス王国王都が見えてくると、騎士の案内でシルフィード号が着陸する
『ご案内致します』
騎士が震える声で言うと、騎士達が緊張していると、マルスとリリシャとキリシアとフローネとリシリアとメーレスとジエルとヒストリアとケニスとエミールとエリスナとサトメルとメリアが王城に入っていく
『リベリアの英雄様、よくぞ来てくれた』
ベラゼルドルが緊張した声で言うと、重臣達が青ざめながら目を合わせないようにしている
『ベラゼルドル国王陛下、グゼリオンス王国の軍の後始末どうなってますか?』
メトリシアが真剣に聞く
『後始末・・・怯えすぎて、逃げ出さない兵士達なら、どうするか困っている』
ベラゼルドルが苦笑いして言うと、重臣達が説明を始める
『身代金も取れないですね、グゼリオンス王国は、滅ぼしました』
メトリシアが笑顔で言う
『え! 滅ぼしました? まさか、王都も落としたのですか?』
『許すと思いますか? リオンド・ベクラード王国やオルトレス・ガゼラス王国まで占領してましたよ! オベリストリア王国も王都まで侵攻してました』
メトリシアが真剣に言う
『へ? もしかして、全部潰したのですか?』
ベラゼルドルが青ざめている
『御父様、平和呆けも大概にしてください!! マルス様を怒らせたら、ガベラス王国など瞬殺されます!ヘルゼレス王国とクライドルト王国とリオンド・ベクラード王国の連合軍がグゼリオンス王国を占領したと、公表してください』
メリアが理解できないベラゼルドルを睨んで言う
『メリア!!』
ベラゼルドルが驚いて叫ぶ
『国を救って貰って、何か文句言うのですか?』
『文句は無い・・・後始末が大変なだけだ・・・』
『国民を救えたのですから、良かったですね!! ヘルゼレス王国なんて、1国の後始末をしてます! リオンド・ベクラード王国は、貴族も重臣も失い、イーケル王子が1人で頑張ってます!! このぐらいの後始末でグダグダ言わないで下さい!! メーレス様やサトメル様にジエル様と挨拶もせずに、偉ぶらないで下さい!!』
メリアが大声で言う
『え? 誰?』
ベラゼルドルが苦笑いすると、重臣が何かを伝える
『カーレスト諸島の太守のジエル殿か』
ベラゼルドルが苦笑いして言う
『お初にお目にかかります。ジエルです』
ジエルが前に出て挨拶をする
『交易の交渉もしたいが・・・また時間有る時によろしく頼む』
ベラゼルドルが真剣に言うと、リリシャが睨んでいる
(え? 怖い!! なぜだ!!)
『ベラゼルドル国王、メーレス・ヘルゼレスです。ジエル様と婚約してます』
メーレスが微笑みながら言う
『え! ヘルゼレス王国の!! これは失礼しました・・・婚約!! おおおおめでとうございます』
ベラゼルドルが慌てて言う
『カーレスト諸島を攻めたら、どうなるか想像してくださいね』
メーレスが微笑みながら言う
『え! ヘルゼレス王国とクライドルト王国を敵に回す・・・』
ベラゼルドルが青ざめている
『解れば良いですね』
メーレスが微笑みながら重臣達を見ると、重臣達は青ざめて震えている
『サトメル・リオンド・ベクラードです。このような所に来るのは初めてですので、ご無礼有ったら申し訳ありません』
サトメルが震える手で言う
『リオンド・ベクラードの王族!! これは失礼した! これからも友好関係を続けたい』
ベラゼルドルが真剣に言う
『イーケル様に伝えておきます』
サトメルが真剣に言う
『エリスナさんの処分は決まってますか?』
マルスが真剣に聞く
『エリスナの処分は、反逆者の為・・・処刑は免れない』
ベラゼルドルが真剣に言うと、エリスナを見ている
『今回のグゼリオンス王国の討伐には、唯一ガベラス王国の人で参加してましたけど』
マルスが真剣に言う
『え! それは・・・』
ベラゼルドルが重臣を見ると、相談を始める
『エリスナ、爵位は没収は決定だ! 国外追放とする・・・それで良いか?』
ベラゼルドルが真剣に言う
『ベラゼルドル国王陛下、感謝します。民の保護はお願いします』
エリスナが真剣に言う
『エリスナの家臣たちは?』
『騎士の内数人は、一時牢屋に入れたが、罪状は少ないので、解放してある。伯爵と重臣は処刑になった』
ベラゼルドルが真剣に言う
『エリスナに忠誠を誓う者達を少し連れていっても良いですか?』
『必要ないだろう・・・伯爵家と公爵家の領地もクライドルト王国に降伏している。 現在交渉中だが、必要な人材は好きにして貰って構わない』
ベラゼルドルが真剣に言う
『メトリシア王女様、現在交渉中ですが、この状況、国王に判断をお願いしています』
外交担当が真剣に言うと、詳しく説明をしている
『丸投げで良いのですけど』
メトリシアが真剣に言うと、ガベラス王国の重臣達が苦笑いしている
『実は、前の金貨100万枚の支払いも滞っていましたので、信頼関係が築かれていません』
『面倒なので、任せますね』
メトリシアが言うとベラゼルドルが苦笑いしている
『用事は終わったから、帰ろう』
キリシアが笑顔で言う
『え? 用事が終わったから?』
『エリスナに手を出したら、どうなるか解ったよね』
キリシアが笑顔で言う
『もしかして、その為に来訪を?』
ベラゼルドルが苦笑いしている
『それ以外に寄る用なんてない!! 早く帰るよ』
キリシアが重臣達を睨みながら言うと、部屋を出ていく
『怖い・・・リベリアの英雄様だけは怒らせないように・・・』
ベラゼルドルが呟く
『この短期間でグゼリオンス王国を滅亡させるなんて・・・その気なら何時でもガベラス王国を滅ぼせると、宣言されたようなものだ・・・絶対にエリスナもカーレスト諸島もメリア様にも手を出したらダメだぞ』
重臣が大声で言う
『その前に、王都が消滅させられる・・・あの大穴王都に空いたら、何も残らない』
ベラゼルドルが真剣に言うと、重臣達が青ざめて座り込んでいる
『疲れた・・・もう来訪してほしくない』
重臣達が呟くと、溜め息をしている




