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ローブの付与魔法

宿屋の部屋ではマルスとリリシャが付与の準備をしていた

『エミールの分は終わったよ』

『マルスは早い』

『慌てないで確実に進めよう』

フローネ先生のローブにも魔力を通し始める

『師匠、ただいま』

『おかえりなさい、エミール』

『進んでいる?』

『順調だよ』

『見学してもいいですか?』

マルスはリリシャを見ると

『ダメです。これはマルスの特殊なやり方なので、見ない方がいいですよ』

リリシャが言う

『わかりました。確かに何やっているか解りません』

ミリアが言う

『魔法の練習どうだった?』

『エミールさん凄いと思いました』

『凄い?』

『次々と魔法を使っても疲れを見せないので』

リリシャはマルスを見て笑う

『エミールの腕輪の効果ですね』

『腕輪も魔道具なのですか?』

『そうですよ』

『師匠達は付与魔法使いなのですか?』

『売ることはしませんが装備品は付加を着けています』

『売らないのですか?勿体無い様な・・・』

『装備品はその人に必要な付加をしてあげていますから、作るのも大変ですよ』

『そうですよね・・・失敗しました・・・・』


『馬用の魔道具って無いのかな?』

『有りますが、高価で数が必要な為、多くは出回っていないと思いますが・・・』

『魔道具の効果はどんなのがあるのかな?人と同じかな?』

『人と同じだったと思いますが・・・』

『ミリアは沢山勉強していたのですね』

『本で読んだ知識だけです』

『キリシア、馬用の魔道具の材料を買ってきてください』

『作るつもりだね。革の魔力を通すやつで良い?』

『よろしく』

キリシアとルメイルは早速探しに行く

『作るのですか?』

『作った方が早いでしょ』

『付与魔法は難易度が高いので難しいです。失敗したら材料を無駄にしますし・・・』

『師匠達は凄いので大丈夫です』

エミールがミリアに言うと

『しかし、いきなり出来ないと思います』

『ミリアは付与魔法練習はしたことあるの?』

『いえ、したこと無いです』

『リベリアに帰ったら練習しようね』

『え?えーーーーしかし費用がかさみますよ・・・』

『魔石は迷宮で取ってくるから費用はかからないよ?』

『あ!・・・冒険者だからですね』

『エミールも帰ったら自分で杖の付与魔法しましょうね』

『え?・・・・頑張ります』

『エミール先輩は付与魔法も使えるのですか?』

『練習はしています』

『魔法学院行く前に全部出来るなんて・・・・』

『師匠達の弟子ですから』

エミールは笑いながら言う


2日後、ローブと馬用の魔道具の準備をしてリーベルの家に向かう

『リーベル様、いらっしゃいますか?』

『来たわね、どうぞ』

リーベルは工房に通してくれて

『付与魔法の魔方陣はあそこにあるから使っていいわ』

『ありがとうございます、リーベル様』

『あなた達の付与魔法の完成品を見てみたかったのでちょうど良いわ』

リーベルは微笑みながら言う

『じゃあ先ずは練習用の魔石に書き込んでみるね』

マルスは魔方陣を発動してから中魔石に書き込みを始め、何回か書き込み確認後、書き込んだ魔石の状態を確認する

『リリシャ、見た感じ何か違和感あるかな?』

『いつも通りだよね』

『じゃあ馬用の魔道具からやるね』

マルスは再び魔方陣を発動して馬用の魔道具に書き込みを始める

身体能力強化、体力強化、生命力強化、体力回復、構造強化の5つの魔方陣を書き込む。そして、2個目も同じ内容を書き込む

『リリシャ、出来たから確認をして』

『綺麗に出来ています』

『魔力を流して魔道具を発動して』

リリシャは魔力を流して魔道具を確認すると、魔道具全体から魔力の光が出て完成する

『大丈夫だね』

『キリシアに馬に取り付けて確認して貰おうか?』

『そうだね』


『馬用の魔道具は完成したから馬に取り付けて確認して貰っても良いかな?』

『わかった。確認するね』

キリシアに魔道具を渡す

『次はローブの方を始めるね』

マルスはそう言って魔方陣の部屋に戻る

魔方陣を発動してフローネ用のローブの魔石に魔方陣を書き込み始め、次はリリシャのローブとエミールのローブの魔石に書き込みをする


フローネのローブは中級構造強化に中級魔法防御、中級体力回復、中級精神強化、中級生命力回復

リリシャのローブは中級構造強化に中級魔法防御、中級生命力回復、中級体力回復、中級魔力強化

エミールのローブは中級構造強化に中級魔法防御、中級生命力強化、中級体力強化、中級精神強化


『全部出来たよ』

『魔力通して発動するね』

リリシャは緊張しながら魔力を流して魔道具を発動していく

『全部成功だね』

『終わったよ』

『これがエミールのローブね』

『ありがとうございます』

『着替えてみてね』

エミールはリリシャと一緒に着替えに行く

『このローブは誰の分ですか?』

『フローネ先生用です』

マルスの返事にリーベルは微笑む

『鑑定しても良いですか?』

『良いですよ』

リーベルはローブを手に取り鑑定をはじめ

『え?・・・・・・まさか・・・・・』

リーベルはローブを見ながら固まる

『どうかなさいましたかリーベル様?』

ミリアが言うとリーベルは我に返り

『とんでもない付与魔法です・・・古代魔道具を再現してしまうなんて・・・・』

『え?今なんと言われましたか?』

『ミリア、あなたはとんでもない師匠に魔法を教わることになるわね・・・・』

『え?そんなに凄いのですか?』

『付加された内容は数千年前の魔道具クラスの代物です』

『えーーーーーー』

リーベルの言葉にミリアは固まる

『まさか、こんな付与魔法を見れるなんて・・・』

リリシャとエミールが戻ってくる

『どう?大丈夫かな?』

『力が沸いてくるようですがどんな付加されたのですか?』

エミールが言うとマルスはリーベルを見る

『わかりました。私が鑑定します』

リーベルはエミールのローブを鑑定し始める

『はぁー・・・』

『リーベル様、如何されましたか?』

『これは1つ1つ違う付与をしましたね』

『そうです』

『エミールさんのローブは構造強化と魔法防御と体力強化と生命力強化と精神強化ですねそれと水蜘蛛の性質の水属性、魔力増加があります』

『え?えーーーーーーー』

ミリアとエミールは固まり

『マルスは天才ですから、これだけの付与魔法を失敗しないでやるのだから』

リリシャの言葉にミリアはマルスを見て

『マルス師匠・・・・』

『どうしたの?』

『マルス師匠の付与魔法凄すぎて意味が解りません』

『他言しちゃダメだよ』

『承知致しました』

『エミール、あなたもですよ』

『・・・・・・』

『エミール?大丈夫?』

『あ!すいません師匠、こんなローブ頂いて良いのでしょうか?』

『エミール用のローブですから』

『凄すぎて・・・』

『魔石の所にローブの名前あるでしょ』

エミールはリーベルに読んで貰う

[アーメルドのオルクスが作成、リベリアのマルスが付与したローブ、エミールのローブ]と書いてある

『エミールのローブ!!』

エミールは青ざめる

『だからエミールは大事に使わないとダメだよ』

『マルス師匠、ありがとうございます』


『リーベルさん、この内容は内密にしてくださいね』

マルスがリーベルに言うと

『こんな事誰にも言えないです!間違いなく世界一の付与魔法使いですよマルスは!』

『世界一・・・ですか?』

ミリアは呆然としながら呟く

『ミリアさん、とんでもない人に付与魔法を教わる事になると言うことですよ。弟子の方が大変かも知れませんよ』

『エミール先輩の魔法も凄かったけど別格ですね』

ミリアは呟く

『エミールの魔法も?エミールさんの魔法は凄いのですか?どんな魔法を使うのですか?』

『攻撃魔法と回復魔法です』

『は!あなたは何歳ですか?』

『15歳で今年魔法学院を受けます』

『今年魔法学院を受ける!あなたは魔法学院に入学して何を勉強するつもりですか?』

『フローネ先生も同じことを言ってましたね』

リリシャの言葉に

『はぁ!師匠・・・ちょっと待って!師匠はなんて言っていたのですか?』

『宮廷魔術師を受けさせるつもりなのですかとか、学校代表で暴れないようにとか、魔法学院の先生と師匠を比べるなとかです』

エミールの言葉に

『フローネ師匠にそこまで言われているなんて・・・何故旅に?』

『常識を覚えて欲しいって言っていましたね』

『もう手遅れですね・・・凄すぎて常識外過ぎてダメですね・・・フローネ師匠に会う必要があります。ミリアがもし魔法学院に行くのであれば、あまり修行しすぎないようにしないと睨まれます』

『大丈夫ですよ。ミリアはマルスと一緒に魔法学院にいきますから!エミールも3年生でいますし』

『はぁー!マルスは13歳なのですか?』

『そうですよ』

『13歳でこの付与魔法・・・・』

リーベルは頭を抱えて

『師匠は・・・常識を捨てても追い付かないなんて・・』

『大丈夫ですか?』

『気分転換にポーションでも作る準備をしようかしら』

『ポーションですか?お手伝いします』

リリシャは微笑みながら言うと

『リリシャ、頼みます』

リーベルはリリシャと一緒に行くとエミールも付いていく

『マルス師匠、付与魔法教えて貰えるのですか?』

『すぐは無理だけど出来るようにするよ』

ミリアは嬉しそうに笑顔になる

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