リオンド・ベクラード王国の後始末後編
マルスはシルフィード号に乗り込む
『あ! マルス様、終わりましたか?』
メリアが笑顔で言うと、メーレスが微笑みながら見ている
『制圧したよ。イーケル様が降伏勧告したから、後はお任せだね』
マルスが笑顔で言い、サトメルが驚いた表情で見ている
『マルス様、いつも通りですね!』
メーレスが微笑みながら言うと、ジエルが後ろで苦笑いしている
『リリシャ達は?』
『魔導書の写しが忙しいようです』
メリアが笑顔で言う
『お仕置きしないと思ったら・・・仕方ないけど』
マルスが笑いながら呟く
『イーケル様の手伝いした方が良いですか?』
サトメルが真剣に聞く
『別々に居た方が良いかもね! 2人以外の王族は、全員処刑されたようだから、もしもの時2人一緒だと危険だからね』
マルスが真剣に説明を始めると、サトメルが涙目になる
『サトメル様、もう少し話していましょうね』
メーレスが微笑みながら言うと、優しく抱き締めている
『メリアとメーレス様に任せます。王族同士仲良くしてくださいね』
マルスが笑顔で言う
『え? メリア様も王族なのですか?』
サトメルが驚いてメリアを見る
『えーと、元ガベラス王国の第2王女ですが、国元から追放されてます』
メリアが真剣に言う
『え!! ガベラス王国の!!』
サトメルが驚いて叫ぶ
『今は、マルス様に養って貰ってます』
メリアが笑顔で言うと、サトメルが驚きながらマルスを見ている
部屋を覗くとみんな魔導書を読んでいる
『マルス、この魔法使えますか?』
リリシャが笑顔で魔導書を見せて、説明をしている
『魔法付与の魔法? 一時的に魔法を武器に付与して、魔法効果を同時に発動する為の魔法?』
マルスが呟き真剣に読んでいる
『どうですか?』
リリシャが笑顔で聞く
『研究してみようかな?』
マルスが笑顔で言う
『研究しておきますね』
リリシャが笑顔で言うと、魔導書を写し始める
『リリシャ、グゼリオンス王国軍降伏したけど、どうする?』
『どうでも良いです! 魔導書を読む方が大切です』
リリシャが真剣に言うと、みんな笑い出す
『キリシアに任せますね』
フローネも歴史書を読みながら言うと、リシリアが笑い出す
『師匠も監視はしないのですね』
『副団長が頑張るでしょう』
フローネが本を読みながら言う
『ゆっくり読んでいて下さいね』
マルスが真剣に言うと、マルスも本を読み始める
2日後、クライドルト海軍とヘルゼレス軍が到着する。マルスとキリシアとリリシャとメトリシアとケニスとヒストリアとカミラとフローネとサトメルとメーレスとジエルとエミールが王城に向かい、部屋に入るとイーケルと護衛達と副団長とヘルゼレス王国の外交担当と騎士が待っている
『リベリアの英雄様、お待ちしてました』
イーケルが笑顔で言う
『処分は決まりましたか?』
メトリシアが微笑みながら聞く
『寝返った者達とグゼリオンス王国の者達は、ヘルゼレス王国と相談しながら、処分しますが、兵士の方が問題になっています』
イーケルが真剣に言う
『メトリシア様、オルトレス・ガゼラス王国の元騎士や兵士も多く、現在精査してます。冒険者もかなり居たので、こちらも検討しています』
副団長が真剣に言う
『オルトレス・ガゼラス王国の兵士から状況は聞けましたか?』
メトリシアが真剣に聞く
『侵略軍の指揮は、グゼリオンス王国王女が取っていて、オルトレス・ガゼラス王国の王族や貴族は、皆殺しだそうです。手配した者を匿った人や家族容赦なく皆殺しにしたそうです』
副団長が真剣に説明している
『グゼリオンス王国王女を捕まえれば、終わりですね』
メトリシアが笑顔で言う
『リオンド・ベクラード王国も少し遅かったら、同じ事になっていたと思うと、怖い所です』
イーケルが真剣に言う
『今後どうなさいますか?』
マルスが真剣に聞く
『国内の再建もしたいですが、まずは、グゼリオンス王国の支配下の町や村を解放しないと、いけませんが、戦力が有りません・・・それに統治する為の人材も不足してます』
イーケルが真剣に言うと、護衛が現在の状況を説明を始める
『メトリシア様、説明通り、国を運営出来る人が足りません。クライドルト王国に従属しても、再建はかなり難しいです』
イーケルが真剣に言う
『イーケル様、重臣候補は居ないのですか?』
マルスが真剣に聞く
『残念ながら・・・国内貴族も寝返った者達以外、残ってません・・・多少隠れている者もいるかも知れないですが、登用に慎重になります』
イーケルが真剣に言う
『国外は? 外交の為に出ていた人達は?』
マルスが真剣に聞く
『え? 確認してませんが・・・どのぐらいいるか解りません』
イーケルが真剣に言う
『あ! ヘルト御兄様の結婚式に重臣や子息が数人は、来訪していました!!』
メトリシアが思い出して言う
『本当ですか!! 誰が残っているのか、気になります』
イーケルが笑顔で言う
『副団長!! すぐに使いに行って、連れてきてください!!』
『すぐに使いを出します・・・時間がかかりますが・・・』
副団長が苦笑いしている
『暇にしていたのですから、走り回ってください』
メトリシアが笑顔で言うと、全員副団長を見ている
『畏まりました・・・』
副団長が苦笑いしながら言う
『騎士が無事に辿り着けるのかな?』
マルスが真剣に言う
『え? あっーーーーー!! 国境まで、道が無い!』
副団長が大声をあげる
『頑張ってくださいね』
メトリシアが笑いながら言う
『え!! どうしたら』
副団長が助けを求めるように、マルスを見る
『頑張ってね! さっき良い返事したよね』
キリシアが笑いながら言う
『後始末がお仕事でしたよね』
リリシャが微笑みながら言う
『その通りです!! 頑張ってください!!』
メトリシアが笑顔で言う
『どうしたら・・・』
副団長が呟くと、みんな笑い出す
『リベリアの英雄様、どのように御礼をしたら良いでしょうか?』
イーケルが真剣に聞く
『秘密にしてね! 居なかった事にして』
キリシアが笑顔で言う
『従魔のエサと言った、愚か者をお仕置きしただけですね』
リリシャが笑顔で言う
『従魔が可哀想だから、解放しただけです』
マルスが笑いながら言う
『クレシア御姉様を暗殺しようとした者達へ、お仕置きに来たついでです』
メトリシアが笑いながら言う
『え! どうしたら』
イーケルがどうして良いか解らず、助けを求めるようにメトリシアを見ている
『イーケル様、リベリアの英雄様の事を秘密にして、伝承として、代々語り続ければ良いですよ! ヘルゼレス王国もそうですが、リベリアの英雄様と関わりの有る国は、全て名前や出来事を秘密にしています。』
メーレスが微笑みながら言う
『え! そうなのですか!!』
イーケルが驚いている
『グゼリオンス王国王都も、セレスバイン御兄様に丸投げで、後始末よろしくで終わりにしています』
メーレスが真剣に言うと、ヘルゼレス王国の外交担当が説明を始め、イーケルが真剣に聞き終わり、メトリシアを見る
(リベリアの英雄様は、どれ程の事をしてきたのだろう? 気になる)




