リオンド・ベクラード王国へ進撃開始
クーレセス号が着陸すると、シルバー達が甲板から従魔達を見下ろしている
『グラノちゃん、グレベア、元気だった？』
マルスが笑顔で言う
『主様！ 敵が居なくて暇です』
グラノちゃんが真剣に言う
『じゃあ南の王国の王都まで行くよ』
マルスが笑顔で言う
『わかった！ 主様』
グラノちゃんが大声で言うと、グレベアが嬉しそうにしている
『それと、シルバー達も連れてきたから、魔獣の森がどうなったか、聞いておいてね』
マルスが笑顔で言うとシルバー達が降りてくる
『フェンリル！！』
グラノちゃんが大声をあげる
『主様、ライノとベアが仲間か？ それに数もいるな』
シルバーが少し嬉しそうに言う
『仲良くしてね』
マルスが笑顔で言うと、シルバー達とグラノちゃん達が何か話している
翌朝、準備が出来ると、イーケルとサトメルが護衛とやってくる
『メトリシア様、準備が出来ました』
イーケルが真剣に言うと、サトメルが不安そうに見ている
『イーケル様の護衛と同行の為に、英雄騎士隊から４人とヘルゼレス王国のヴァルファーが同行します』
メトリシアが微笑みながら言うと、イーケルの護衛が睨んでいる
『メトリシア様、護衛は居るので、大丈夫です』
イーケルが驚きながら言う
『その弱そうな護衛ですか？』
メトリシアが微笑みながら、睨んでいる男を見る
『弱いだと！！』
男が怒り大声をあげる
『強いと思っているなら、英雄騎士隊隊員と一騎打ちして、実力を示してくださいね』
メトリシアが微笑みながら言う
『非礼だろう！！ いくら、メトリシア王女様でもその言い方は！！』
『実力も無いのに、利権ばかり主張するなら、同行は許しません』
メトリシアが微笑みながら言う
『実力を示せば、問題ないから、一騎打ちすれば良い』
イーケルが真剣に言うと、護衛の男が訓練用の剣を受け取り、英雄騎士隊隊員の前にくる。合図と共に、英雄騎士隊隊員に斬り掛かる。英雄騎士隊隊員は、かわして闘気をまとった剣を振り抜くと、男の腹に当たり、男はバウンドしながら吹き飛んでいき、イーケルと護衛達は、驚きの余り口を開けて男を見ている
『これで解りましたか？』
メトリシアが微笑みながら言う
『こんな実力の騎士が・・・』
イーケルが青ざめて呟く
『まだ、不安ですか？』
メトリシアが微笑みながら聞く
『何故、このような護衛を？』
『怪我でもされたら面倒です。乱戦になった時、イーケル様を守る最後の盾ですから』
メトリシアが微笑みながら言う
『メトリシア様、回復魔法かけてきますね』
カミラが微笑みながら、男に近付き回復魔法を使い怪我を治療すると、護衛達は唖然とカミラを見る
『高位の回復魔法使いまで・・・』
『カミラは、魔法剣士ですよ』
メトリシアが微笑みながら言う
『イーケル様、リベリアの英雄様達は、実力も桁が違いますので、余り驚かないように』
副団長が慌てて言う
『解りました・・・秘密でしたね』
イーケルが慌てて言う
『準備は出来たかな？ 出発するよ』
マルスがシルバーに乗りながら着て、笑顔で言う
『え！！ 従魔！！』
イーケルが青ざめて叫ぶと、護衛達が剣に手をかける
『イーケル様、リベリアの英雄様が従えている魔獣です！ 間違えて攻撃をしないで下さい』
副団長が慌てて言う
『え！！ 従魔を従えている！！』
イーケルが大声で言うと、サトメルが青ざめて、イーケルの裾を掴んでいる
『乗ってみますか？』
マルスが笑顔で言う
『え！ いえ、遠慮しておきます』
イーケルが震える声で言う
『主様、これが普通の人の反応だ！』
シルバーが真剣に言う
『え！！ しゃべった！！』
イーケルが驚きの叫ぶ
『シルバーも挨拶してね』
『シルバーだ！ 主様の敵は食いちぎるぞ』
シルバーが頭を下げて言うと、護衛達が震えている
『副団長、出発してね！ グラノちゃん達がもう出発したからね』
マルスが笑顔で言うと、副団長が慌てて出発する
『イーケル・・・怪我に気をつけてね』
サトメルが泣きそうな顔で言う
『サトメル、メトリシア様に迷惑をかけないように』
イーケルが真剣に言うと、馬に乗り出発する
『イーケル・・・』
サトメルは、泣きそうな声でイーケルを見送る
『サトメル様は、こちらへ』
メトリシアが微笑みながら、シルフィード号に案内をする
サトメルは食堂に案内されると、シルフィード号が浮き上がり、上昇を始める
『浮いた』
サトメルが青ざめながら言う
『サトメル様、はじめまして、メリアです』
メリアが笑顔で挨拶をする
『サトメルです。よろしくお願いします』
サトメルが慌てて挨拶をする
『エリスナです。窓際の椅子に座って話しましょう』
エリスナが微笑みながら言う
『こちらへ』
メーレスが笑顔で席を進める
『メーレス様！！』
サトメルが慌てて頭を下げる
『この船の中では、肩書きなんて意味は有りません！ 一番偉いのは、リベリアの英雄様です』
メーレスが笑顔で言うと、サトメルがガチガチになりながら、席に座る
『こちらをどうぞ』
メトリシアが焼き菓子と飲み物を持ってくる
『え！ メトリシア様！！』
サトメルが大声をあげる
『サトメル様は、余り人と接する事が無かったのですか？』
メトリシアが微笑みながら聞く
『はい、１人で行動なんて・・・今回が初めてです・・・ご無礼が有ったら、申し訳ありません』
サトメルが青ざめながら言う
『お友達も少ないのですか？』
『え！ もういません』
『もういない？ 以前はいたのですね』
『クレゼオルドの町の公爵令嬢と友達でした・・・行方不明で・・・誰も行方をつかめませんでした』
泣きそうな目付きで町を見ている
『悲しい思い出を思い出させて、ごめんなさいね』
メーレスが真剣に言うと、メトリシアがサトメルを見つめている
（ミーレスを知っているのですね・・・帰ったら、顔合わせして貰わないと）
