ウォーレルと封印の地
翌朝、封印の地に向かう
『馬鹿な!! 封印が破られている!!』
ウォーレルが破壊された扉と散乱した周囲を見て呆然としている。
『足跡の方向・・・ガベラス王国に向かっているか・・・』
マルスが真剣に見ている
『早く追わなくては!! 終わりだ!!』
ウォーレルが泣きそうな目で言う
『もしかして、リザードの頭をした二足歩行の化物ですか?』
マルスが真剣に聞く
『何故それを!!』
『やっぱり・・・あの化物か』
マルスが苦笑いすると、みんな顔を見合わせている
『まさか・・・遭遇したのか?』
『激戦でしたが、何とか倒しました』
マルスが真剣に言うと、説明をしている
『倒した・・・あの化物を・・・マルス殿本当に人間か?』
ウォーレルが唖然と聞く
『まだ解らんのか!! このボケ!! バルドルの師、魔導王様が転生した生まれ変わりだ!!』
シリウスが大声で言う
『本当におっちょこちょい小僧!! おっちょこちょい小僧』
エスカが大声で叫びながら飛び回る
『へ? まっまっまっまっ魔導王様ーーーーーーーーー!!』
ウォーレルが驚きの余り、尻餅をつきながら叫ぶ
『記憶が無いから解らないけど』
マルスが笑顔で言う
『アハハハ・・・・勝てる筈が無い』
ウォーレルが呟くとみんなウォーレルを見ている
激戦の跡地に向かい、大穴を見て説明をすると、ウォーレルは、周囲に魔法を使うと、マルス達は自分達が戦っている姿を見ている
『本当だった・・・あの斬撃師匠と同じ・・・魔法も・・・』
ウォーレルが真剣に考えながら呟く
(本気だったら、今頃・・・消し飛ばされている!! バルドル師匠クラスが何人居るんだ!!)
『あれ? ウォーレルさんの役目無くなった?』
マルスが真剣に聞く
『え? 無くなりました・・・どうしたら』
ウォーレルが唖然とする
『さっきの魔法を教えてくださいね』
マルスが笑顔で言うと、みんな真剣に見ている
『知っている知識は教えるが・・・弟子達に伝えないと・・・絶対にリベリアの英雄様に歯向かうなと』
ウォーレルが苦笑いして言うと、みんな笑いだす
『歯向かったら、もう一度お仕置きしますね』
リリシャが微笑みながら言う
『お仕置き?』
『ウォーレルさん、弟子達が戦った時の事です』
マルスがウォーレルを見ながら説明をすると、ウォーレルが青ざめ始める
(絶対に敵対したら終わりだ!! こんなに怖い人達、数千年で初めてだ!!)
グゼリオンス王国の王都に戻り、ウォーレルは、弟子達を集めて、相談を始め、マルス達はセレスバインに会いに向かう
『マルス殿、どうでしたか?』
セレスバインが真剣な目差しで聞く
『封印は、破られていました』
マルスが笑顔で言う
『え!! 封印が破られていた!! どどどどうなるのですか?』
セレスバインが慌てた様子で大声をあげる
『ガベラス王国の国境で戦った怪物が、封印された怪物でした。あんな怪物2度と出会いたくないですけど』
『え? マルス殿が出会いたくない怪物? どのぐらい強いのですか?』
『全員で全力で戦って、ギリギリ勝てたぐらいです』
『は!!! そんな怪物存在しているのですか!!』
『内緒にしてくださいね! もっと修行して、強くなりますから』
マルスが笑顔で言うと、メーレスがマルスを見つめている
『セレスバイン御兄様、マルス様だからです!』
メーレスが笑顔で言う
『マルス様だからです?』
『リベリアの英雄様に不可能は有りません! 何も考えずにマルス様だからで、納得すると言う暗黙のルールが有ります! 考えても無理です』
メーレスが笑顔で説明をしていると、セレスバインが溜め息をして、マルスを見る
『マルス様だからですね・・・どうせ理解など不可能で秘密にして終わりですよね?』
セレスバインが諦めたように言う
『秘密でよろしくお願いしますね』
マルスが笑顔で言う
みんなが集まり、セレスバインから調査した結果の説明が始まる
『海を渡ったグゼリオンス王国軍は、オルトレス・ガゼラス王国を攻めて、占領していた事が判明しました』
セレスバインが真剣に説明をしている
『オルトレス・ガゼラス王国は、どこ?』
キリシアが真剣に聞く
『リオンド・ベクラード王国の先の国です。確か、前に訪問した時、南部の穀倉地帯を争っていた国です』
メトリシアが笑顔で説明をしている
『リオンド・ベクラード王国にも侵攻しているが、戦況は不明です』
セレスバインが報告書を見ながら言う
『お仕置きに向かうよ』
キリシアが笑顔で言う
『海を渡るにしても、海軍がいませんので・・・』
セレスバインが苦笑いしている
『仕方ないから、船が用意出来たら、追ってきてね』
キリシアが笑顔で言うと、みんな笑いだす
『キリシア、働いてない人がいるよね! そろそろ走らせよう』
マルスが笑顔で言う
『働いてない人? 誰かいたかな?』
『副団長何もしてないですね・・・グラノちゃん、グレベアも迎えに行かないと』
メトリシアが考えながら言う
『あーーーーーー!! 副団長忘れていた!! 走らせるよ』
キリシアが大声で叫び、セレスバインが驚いている
『グラノちゃんに従魔使い狩りして貰うよ』
マルスが笑顔で言うと、みんな笑いだす
『マルスが1番の魔獣使いですね』
リリシャが微笑みながら言う
『マルス師匠は、魔獣の王様です!! エルシューティングからリヴァちゃんまで援軍に来て貰いますか?』
メトリシアが笑いながら言う
『獲物が足りないよね・・・時間も掛かるから、それに来ただけで、敵が居ないから、可哀想だよ』
マルスが考えながら言うと、セレスバインが見ている
(エルシューティング? リヴァちゃん? 何者だ!! 英雄殿が来ただけで敵が居ないなんて・・・相当の魔獣か?)




