ウォーレルと封印
全員でセレスバインとメーレスに会いに行く
『マルス殿、何か用ですか?』
セレスバインがマルス達を見ながら、嫌な予感に顔色を変えている
『セレスバインさん、ウォーレル達の記憶は戻しました。相談なのですが』
マルスが真剣に言う
『記憶を戻したのですね・・・相談とは?』
セレスバインが真剣に聞く
『ウォーレルさん達は、死んだ事にして欲しいです。弟子達は、旅をさせて、世界の状況を見させて、償いをして貰いたいと思っています』
『それは良いですが・・・何人か仕官して欲しいぐらいです』
セレスバインが真剣に考えながら言う
『当人達と相談してください』
マルスが真剣に言う
『人材不足が解消出来るか・・・宮廷魔術師雇用は必修だから・・・』
セレスバインが真剣に言う
『あ!!セレスバイン御兄様!! 来年クライドルト王国の魔法学院に人を派遣してください!! 完全に出遅れました』
メーレスが思い出して言う
『え? クライドルト王国の魔法学院に? 他国だが・・・』
セレスバインが驚きながら言う
『今年3か国から、魔法学院に宮廷魔術師候補を送り込んでいます!! 来年は、更に数ヵ国から宮廷魔術師候補を送り込むと、言ってました!! オルセントですら、必ず送り込むと言うほど、学生の実力が段違いです!! マルス様の生徒は既に宮廷魔術師就任が決まっています!!』
メーレスが真剣に言う
『数ヵ国の宮廷魔術師候補が送り込まれる!! 出遅れたら大変だな・・・マルス殿の生徒達!!』
セレスバインが大声をあげると、マルス達を見てからメーレスを見る
『もしかして、去年遠征に来た人達か?』
セレスバインが真剣に聞く
『ハルド様とアーセル様が宮廷魔術師長と副師長に就任してました!! 3年生の実力は、ヘルゼレス王国の宮廷魔術師よりも上です!!』
メーレスが真剣に言う
『帰ったらすぐに選抜して、派遣した方が良いな』
セレスバインが真剣に言う
『話は逸れましたが、ウォーレルと封印の地を確認に行ってきますね』
マルスが真剣に言う
『封印の地? 恐ろしい物でもあるのか?』
セレスバインが真剣に聞く
『これ以上は秘密です。封印が解かれたら、世界が滅亡するかもしれないからね』
マルスが笑顔で言う
『は? 世界が滅亡するかも!! そんな大変な封印が有るのか!!』
セレスバインが大声をあげる
『ウォーレルはその封印の守り人だよ! これ以上は言えないけどね』
マルスが真剣に言う
『解った・・・リベリアの英雄様が言うのであれば、聞かなかった事にします』
セレスバインが真剣に言うと、メーレスも真剣に約束する
ウォーレルをクーレセス号に乗せると、ガベラス王国国境近くの山に向かい着陸する
『この遺跡がウォーレルさんの家ですか?』
マルス達はクーレセス号から降りて、遺跡の前に行く
『バルドル様が作られた家だ! ついてきてください』
ウォーレルが笑顔で言うと遺跡に入り、奥の扉を開けると机や椅子が有る
『ここ、奥の間に私が眠りにつく場所と魔道具が設置されています。千年に1度目を覚まして、封印を強化するのが私の使命です』
ウォーレルが真剣に言うと、別の部屋に向かい扉を開ける
『ここは、魔導書や集めた本が置いてあります。見たい本が有れば、読んでください』
ウォーレルが真剣に言うと、リリシャ達が本を取り微笑みながら読み始める
『ウォーレルさん、封印の地は、どっちの方ですか?』
マルスが真剣に聞く
『もう少し西になります。』
ウォーレルが思い出しながら説明を始める
『え? ガベラス王国国境に近いですね・・・』
マルスが考え始める
『何か心当たりでも?』
ウォーレルがマルスの顔色を見ながら聞く
『とにかく確認してから考えましょう! それよりも、ローブの替えは有るのですか?』
マルスが真剣に聞く
『それなら、宝物庫に有ります』
ウォーレルが思い出したように宝物庫に向かい、扉を開けると、中には硬貨や宝飾品や武器防具が並んでいる
ウォーレルは、黒いローブと杖を選んで着ている
『この本は?』
マルスが本を見付けて聞く
『それは・・・弟子のウォーゼラスが集めた物だと思います。寝ている間に、家の前に置いてあった』
ウォーレルが真剣に言うと、マルスが本を読み始める
『どのぐらい前の物だろう?』
マルスが真剣に聞く
『2000年前の弟子だから、そのぐらいの物だろう』
ウォーレルが真剣に言う
『失われる前に写しを作った方が良いですよね』
『保存の魔法を掛けてあるが、時間も有るから、完全に状態保存した方が良いだろう』
ウォーレルが真剣に言うと、本を探し始め、白紙の本を持ってくる
『この本に書き写して、構造強化、防汚防水、防火を使えば、保存できる』
ウォーレルが真剣に言うと、本の作り方まで詳細に説明してくれる
『それをするなら、文字の翻訳も必要ですね・・・おそらく、北の地域の文字だと思いますけど、調べて翻訳に時間が掛かりますね』
マルスが真剣に見ながら言う
『その通りだな・・・全く読めなかったから、放置した』
ウォーレルが、苦笑いしながら言うと、箱を開けて中身を見ている
『これは・・・魔空石?』
マルスが覗き込んで聞く
『そうだな・・・有っても加工が出来ないから、不要だな』
ウォーレルが真剣に呟く
『下さい!! 北の迷宮に行く手間が省けます』
マルスが笑顔で言う
『加工できるのか?』
『エスカフリーダムを直しましたよ』
マルスが魔空石を手に取り、笑顔で言う
『そうか・・・今更ながら、勝てる訳無いな』
ウォーレルが呟き、考え始める
マルスとウォーレルが書庫に戻る
『マルス、つまらない!!』
キリシアがつまらなそうにしている
『みんな熱中しているね』
マルスが言うと、みんな集中して本を読んでいる
『フローネ先生、ウォーゼラスと言う魔法使い知りませんか?』
『え? ウォーゼラス様ですか!! 北の大賢者と言われる程、有名な賢者ですね・・・ホルギリス王国王家は、ウォーゼラス様の子孫と言われていますよ』
フローネが驚きながら言う
『そんなに有名な賢者に・・・』
ウォーレルが呟く
『この本なのですが、ウォーゼラスが残した本と思われます。この2冊は、文字が読めないので、翻訳も必要です』
マルスが真剣に言うと、フローネが本を開いて見ている
『この紋章・・・ホルギリス王家の紋章ですね・・・それに古代文字で書かれていますが、この文字ならホルギリスに行けば、解読できますね・・・この内容は、何かを調べていたのですね』
フローネが真剣に言う
『ウォーレルさんの弟子なので、古代魔法も少し使えたのかな? それに何かを伝える為にここまで持ってきたのかな?』
マルスが笑顔で言うと、フローネが驚きながらウォーレルを見る
『内容を調べる必要が有るのか・・・』
ウォーレルが真剣に言う
『後は封印の地の調査を早く終らせないと』
マルスが真剣に言う
『そうですね・・・本は読みたいですけど』
フローネが呟く
『必要なら、写しをする間、お貸しします』
ウォーレルが微笑みながら言うと、リリシャが嬉しそうに微笑んでいる




