獣人達とヴァルファー
マルスが戻ってくると、獣人達は、青ざめて震えている
『マルス・・・強いのは解っていたが、1人でドラゴンを・・・何で付いてきている』
ヴァルファーが青ざめながら言う
『主様に従属した・・・主様の敵は、我が敵!』
アードラが言う
『ドラゴンがしゃべった!!』
ヴァルファーが青ざめながら叫ぶ
『偉大なる王よ!! 我らをお導き下さい』
長老達が頭を下げて言うと、獣人達が全員頭を下げる
『嫌だ!! 面倒!!』
マルスが大声で言う
『魔獣を従える偉大なる我らが王よ!!』
『王様はやらない!! やりたい人がやれば良い!!』
マルスが大声で言う
『面倒だから・・・王様もやりたくないのか? 羨ましい』
ヴァルファーが呟く
『ヴァルファー、やりたいの?王様』
マルスが笑顔で聞く
『王だぞ!! 偉いんだぞ!! なれたらなる!!』
ヴァルファーが大声で言うと、オルガー達が笑い始める
『ヴァルファー、代わりになってね!! よろしくね』
マルスが大声で言う
『は? 何を言っている!! 王様だぞ!!』
ヴァルファーが真剣に言う
『やりたいでしょ!! やってね!!』
マルスが笑顔で言うと、長老達が顔を見合わせてから、大笑いする
『は?』
『そう言うことで!!』
マルスが笑顔で言う
『え? 何を・・・え! ちょっと待て!! この流れ、俺が王様か!!』
ヴァルファーが慌てて叫ぶと、獣人達も爆笑している
『やりたいって言ったよね!! 決定で!』
マルスが笑顔で言う
『それは無しだ!! 何を考えている!! あっ! 面倒だから・・・地位も名誉も名声も領地も褒美も受け取らない英雄だった!!』
ヴァルファーが大声で言う
『英雄様として、伝承いたします』
長老達が真剣に言うと、頭を下げる
『マルス師匠!! 凄い戦いでしたが、ドラゴンも仲間に?』
ベアーズ号が降下してくると、エミールが大声で聞く
『仲間になったよ! アードラだよ』
マルスが笑顔で言うと、エミールとエレーヌが笑顔でアードラを見ている
『準備をしたら、グゼリオンスにお仕置きに向かうよ!!』
マルスが大声で言う
『マルス師匠、やりすぎです! 後始末大変だと思います!』
エミールが、グゼリオンス軍の居た場所を見ている
『長老、後始末よろしくね』
マルスが大声で言う
『畏まりました』
長老が真剣に言うと、獣人達が唖然としている
獣人達がグゼリオンス兵士の埋葬を始める
『ヴァルファー、オルガーと一騎打ちしない?』
マルスが笑顔で言う
『は? オルガーと一騎打ち?』
ヴァルファーがマルスを睨む
『どのぐらい差が開いたか、知っておいた方が良いよね?』
『俺が負けると思っているのか!!』
『負けないと思っているの? 絶対やってね! オルガー、軽く叩き潰してね』
マルスが笑顔で言う
『はい! マルス師匠、頑張ります!!』
オルガーが笑顔で言う
『何を勝ったつもりで言っている! 狼の機動力が有ったから、強く見えただけだ!!』
『え? 勝ちます!! 毎日ケニス師匠に鍛えて貰いましたから!! かなり強くなりました!!』
オルガーが真剣に言う
『勝負だ!!』
ヴァルファーが大声で言うと、訓練用の剣を持って、準備する
ヴァルファーとオルガーが向かい合うと、闘気をまとう
『オルガー! 全力でかかってこい!!』
ヴァルファーが大声で言うと、オルガーが闘気をまとい、一気に接近して、剣を振り抜く。ヴァルファーは、剣で受け止めようとするが、威力に押され、地面に転がりながら、弾き飛ばされる
『ヴァルにい! 大丈夫ですか? 強すぎました!!』
オルガーが慌てて叫ぶと、獣人達が呆然とオルガーを見ている
『受け損なった・・・』
ヴァルファーが呟くと、カミラが回復魔法を使っている
『ヴァルファー、本気でやらないと、ダメだよ! オルガーに手加減されたい?』
マルスが笑顔で言う
『次は、手加減抜きだ!!』
ヴァルファーが大声で言うと、闘気をまといオルガー前にくる
ヴァルファーは剣を振り、オルガーは軽くかわして、剣で牽制をする。ヴァルファーは、次々と打ち込み、オルガーが軽くかわしている
『ヴァルにい、真剣にやってください!! 遅すぎます』
オルガーが大声で言うと、ヴァルファーの剣をかわして、距離を取る
『何を!!』
ヴァルファーが怒り気味に距離を詰めて剣を振り続けるが、オルガーは軽くかわして剣を振り抜く。ヴァルファーはかわしきれず、腹に剣が当たり、大の字に倒れる
『ヴァル兄さん、大丈夫ですか?』
オリスが心配そうに言う
『強くなった・・・世界に名を馳せる剣士になってもか・・・マルス・・・俺は弱くなったか?』
ヴァルファーが真剣に聞く
『オルガーが強くなっただけ! ヴァルファーは成長してないね』
マルスが笑顔で言う
『あははは・・・ハッキリ言うな・・・オルガー、お前こそ、獣人最強の勇者だ!!』
ヴァルファーが大声で言う
『え? オリス姉さんの方が強いです!』
オルガーが真剣に言うと、イースが笑い始める
『オルガーの戦い方を解っているからです』
オリスが微笑みながら言うと、ヴァルファーが唖然とオリスを見ている
(簡単に言うか・・・どれだけ強くなっているんだ!!)
 




