ドラゴン
翌朝、出発の準備をしている
『主様、何か近付いてきています!! 注意を』
シルバーが森を見ながら言う
『グゼリオンス王国軍かな?』
マルスが呟く
『我が主、エスカからだ! 巨大なトカゲ?もしくはドラゴンが向かっているそうだ! それに人も沢山』
シリウスが真剣に言う
『グゼリオンス王国軍かな? 戦闘準備しないとね! オルガー達は、突破されたら従魔を殲滅してね』
マルスが笑顔で言う
『ゴーレム使いますか?』
エミールが真剣に聞く
『空で待機しておいて、逃げ出す兵士を眠らせてくれた方が良いかな?』
マルスが考えながら言う
『はい!マルス師匠』
エミールが真剣に言うと、すぐにベアーズ号は上昇を始める
『ヴァルファー、敵が近付いて来ているから、戦闘準備して、奇襲に気を付けてね、邪魔はしないように』
マルスが真剣に言うと、森を見ている
『は? 敵襲!! 何故解る』
ヴァルファーが大声をあげる
『ヴァルにい準備をさせて下さい!! マルス師匠の指示は絶対です!!』
オルガーが真剣に言うと、周囲の獣人の戦士達が、準備に走り回る
森の木々が薙ぎ倒されて、大きなトカゲが現れる
『森の主!!』
長老が大声をあげると、獣人達が怯え始める
『獣人ごときエサ!! 早く始末するぞ!! 捕まったバカは、先に始末せよ!!』
キマイラに乗る男が怒鳴り、大きなトカゲが口に炎を集めると、吐き出し、捕虜を集めた場所を吹き飛ばす
『味方を容赦なく殺すなんて・・・ドラゴンがいるとは・・・』
マルスが呟く
『大人しく食われろーーーー!!ギャッハッハッハ!』
キマイラに乗る男が大声で笑い出すと、マルス目掛けて、ドラゴンが突進してくる。マルスは軽くかわして回り込む
『人間・・・一思に殺してやる・・・我にはもう自由は無い・・・』
ドラゴンが呟く
『知能もあるなら、あがらえ!! 臆病者が』
マルスが真剣に大声で言うと、ドラゴンは、マルス目掛けて、突進を繰り返す、マルスは、かわしながら聖地から引き離し、グゼリオンス王国軍の方に逃げ回る
『消えよ』
ドラゴンが呟き、炎を吐き出すと、炎をマルスはかわして、後ろにいるグゼリオンス王国軍を焼き払う
『何をしている!! お前!! 罰だ!!』
『グォーーーーーーーーーー!!』
キマイラに乗る男が怒鳴ると、ドラゴンが苦しみ出す
『隙有り! ファイヤーボール!』
マルスがキマイラを魔法で吹き飛ばすと、男は、地面に転がる
『何やっている!! このくそドラゴン!!』
男が怒鳴る
『お前バカだね! お前が隙を作ってくれてありがとう』
マルスが笑顔で言うと、近付いていく
『早く殺せ!!』
男がドラゴンに命令をすると、マルス目掛けて、ドラゴンが突進してくる。マルスはかわしながら、男の方に近付き、ドラゴンが噛み付きにくると、かわして、ドラゴンは勢いのまま、男に噛みつく
『ギャーーーーーーーーーー!! このーー!!』
男が叫び、ドラゴンが苦しみ出すと、男を食いちぎり、男の上半身が地面に転げ落ちる
『ドラゴン、もう自由かな?』
マルスが笑顔で言う
『貴様・・・わざとか・・・人間!! お前には怨みは無いが、死ね』
ドラゴンが、マルスに突進してくると、マルスはかわしながら、グゼリオンス王国軍の方にいく。ドラゴンは突進して、次々とマルスに攻撃を仕掛けると、マルスはかわして、代わりにグゼリオンス王国兵を、次々と弾き飛ばし、食いちぎっている
『人間ごときが! 逃げ足が速い!! 何故攻撃してこない!!』
ドラゴンが口に炎を集めると、マルス目掛けて放ち、マルスは軽くかわす。炎はグゼリオンス兵士を焼き払う
『そろそろ、反撃しようかな? 敵もほとんど倒してくれたからね』
マルスが笑顔で周囲を見ながら言う
『貴様ーーーー! わざとやらせていたのか!!』
ドラゴンが怒り、突進してくる
『ハイウエイト』
マルスが魔法を使うと、ドラゴンは頭から地面に突っ込み、地面に倒れ、骨が砕ける音がする
『グギャーーーーーーーー!!』
ドラゴンが咆哮あげる。マルスは闘気をまとい、ドラゴンを殴り、ドラゴンは転がりながら、仰向けになる
『・・・』
ドラゴンは、気絶して力無く倒れている。マルスは近付きドラゴンの頭の魔導具を抜き去り、魔導具を剣で両断する。ドラゴンは咆哮をあげて、再び気を失う
マルスが頭に蹴りを入れると、ドラゴンは目を覚ます
『にんげん・・・』
ドラゴンは力無く呟く
『パーフェクトヒール』
マルスが魔法を使うと、ドラゴンのキズが消えていく
『何故回復を・・・解放してくれたのは、感謝するが・・・』
ドラゴンが呟く
『もう一度勝負ね』
マルスが笑顔で言う
『底が見えない・・・人間』
ドラゴンが呟く
『本気を出して、かかってこい!! エルシューティングぐらい、足掻いてみろ!!』
マルスが笑顔で言う
『この人間めーーーー!!』
ドラゴンがマルスに噛み付きにくると、マルスはかわす
『ハイウエイト』
マルスが魔法を使うと、ドラゴンは地面に倒れ、骨が折れる音がする
『ポイズン』
『グォーーーーーーーーー!!』
ドラゴンが咆哮をあげ続けている
『ちょっとうるさいな・・・』
『パンシー!』
マルスが魔法を使うと、ドラゴンは動けず、涙を流し始める
『次はどうしようかな? これを使おう』
マルスが笑顔で言う
『イリュージョン!!』
マルスが魔法を使い、ドラゴンの周囲に虫が集まり、ドラゴンの肉を食べ始めるイメージを作り、ドラゴンは、恐怖に震え、大粒の涙を流しながら、力無く動かなくなる
『あれ?何も反応が無くなった!!』
『パーフェクトヒール』
マルスが慌てて魔法を使い回復させる
『我が主、麻痺と毒はどうするつもりだ』
シリウスが呆れている
『あ!! 忘れていた!!』
『ポイズンリカバー パンシーリカバー』
マルスが慌てて魔法を使う。ドラゴンが目を覚ます
『再開しようか?』
マルスが笑顔で言う
『ウギャーーーー!! 化物!!』
ドラゴンが怯え、逃げようとする
『逃げるな!!』
マルスが大声で怒鳴る
『ウギャーーーー!! もうお許しを!!』
ドラゴンが怯え、震えている
『どうしようかな?』
『何でもします!! だからお許しを・・・・』
ドラゴンが怯えながら叫ぶ
『何でもするの? まだ降伏してないよね? それに従属も』
マルスが笑顔で言う
『ひぇーーー!! 従属します』
ドラゴンが怯えながら、裏返しになって、腹を見せて尻尾から頭まで地面に付けて涙目になっている
『名前は無いの?』
『今まで人間と共に過ごしたことが無いので無い』
ドラゴンが涙目で言う
『じゃあアースドラゴンだから、アードラかな?』
マルスが笑顔で言う
『アードラと呼んで下さい!!人間様!!』
『主様と言え!! 馬鹿ドラゴン!!』
シリウスが大声で言う
『主様ーー!! もう虐めないで下さい』
アードラが必死に叫ぶ
『わかった! シルバーに色々聞いて、理解出来るようになってね』
マルスが笑顔で言うと、聖地に戻っていく




