聖地ボルキアナー・クレストラ 後編
長老達がマルスの方に歩いてくる
『ヴァルファー、この人達は?』
長老達が真剣に聞く
『え! 英雄だ! それ以上は・・・ヘルゼレス国王との約束で話せない!! それと弟と妹だ!!』
ヴァルファーが真剣に言う
『長老久しぶりです』
オルガーとイースとオリスが笑顔で言う
『立派になって・・・父親もあの世で喜んでいるだろう』
長老がオルガー達1人ずつ見ながら言う
『マルス師匠のお陰で強くなりました』
オルガーが笑顔で言う
『マルス師匠とは何者なのですか?』
長老が真剣に聞くと、カミラも戻ってくる
『一言で言えば、英雄様です!』
オルガーが笑顔で言う
『しかし、何故ここまで来てくれたのだ?』
『グゼリオンス王国に喧嘩を売られたから、叩き潰しに来ただけです。 人を従魔のエサとか言うから、師匠達が怒って、次々と叩き潰しています』
オルガーが笑顔で言うと、長老達は、マルスを見る
『ここでの事は、内緒にしてくださいね』
マルスが笑顔で言う
『え? なななな内緒ーーー!! 何故ですか!!』
長老達が大声をあげる
『面倒だから!! 有名になりたくないから!! 色々押し付けられるのも、面倒だから、後ーー後始末もよろしく御願いしますね』
マルスが笑顔で言うと、長老達は唖然と口をあけ、オルガー達は、大笑いしている
『有名になりたくないから!! いったいどうして!!』
『有名になるの嫌いだから!!』
マルスが笑顔で言う
『長老諦めた方が良い・・・階層主を倒して、面倒だから無かった事でって言うぐらいの、人達だ!!』
ヴァルファーが真剣に言う
『地位も名誉も名声も褒美も受け取らない、英雄様です!! 先日もヘルゼレス王国王太子様に秘密にしてね一言で済ませてます』
オリスが笑顔で言う
『英雄様・・・しかし、伝承に有る、飛空艇エスカフリーダムまで持っていると言う事は、魔導王様でないのでしょうか?』
長老が真剣に言う
『あれはエスカフリーダムでは、無いですが・・・伝承とは?』
マルスが真剣に聞く
『エスカフリーダムでは無いのですか?・・・エスカフリーダム以外の飛空艇なのか・・・』
長老が残念そうに言う
『後で伝承を教えてください!!』
マルスが真剣に言う
『長くなりますので、食事をしながら、お話しします』
長老が真剣に言う
『取り敢えず、怪我人の治療をしますので、集めてください、後、あの後始末もよろしく御願いしますね』
マルスが従魔を指差して言う
『従魔を頂いて宜しいのですか?』
『貴重な素材は欲しいですけど、解体と肉は任せます。兵士の処分と聞き取りは任せたいです』
マルスが笑顔で言う
『畏まりました、すぐにやらせます』
長老が真剣に言うと、獣人達が作業を始める
日が暮れると、食事を食べながら、伝承を聞いている
偉大なる魔導王様は、天空の城を封印し、地上に降り立ち、大いなる遺産を聖地に保管する。
北に大いなる遺産を狙う、闇の王現れ、世界は混沌とする。光の剣聖と光の魔導師は、偉大なる遺産の知識を伝え、闇の次代を終息させん
エスカフリーダムの分身達は永き眠りに付き、魔導王の民達は、聖地を守り大いなる厄災に備える
世界が乱れ、大いなる厄災に見舞われる時、次代の魔導王様が現れ、偉大なる飛空艇エスカフリーダムに乗り聖地を訪れる。天空の城は再び天空に戻り、大いなる厄災は終息するだろう
『ここが聖地なのですか?』
マルスが真剣に聞く
『聖地ボルキアナー・クレストラです』
長老が真剣に言う
『石碑とか古代の文字は残ってないですか?』
『あそこに有りますが、何が書いてあるか、解りません』
長老が案内すると、大きな石板に文字が書かれていると、マルスは真剣に見ている
『マルス師匠どうですか?』
エミールも見ながら聞く
『魔導王国時代より前の文字だね、バルドルの名前だけ解るけど、シリウス読んで』
マルスが笑顔で言う
『転生された偉大なる魔導王様、申し訳有りません。世界の歪みを正す為に、エスカフリーダムを使いました。エスカフリーダムは、北の大陸の山岳地帯にコテツが守っています。歪みを治める為に、最後の決戦を挑みますが、もし世界が混沌になってしまったら、申し訳ありません。弟子のウォーレルに封印は守らせますが、もし不手際が有ったら申し訳ありません。 バルドル』
シリウスが読み終わる
『バルドルが最後の決戦に挑む前に書いた物です』
エミールが真剣に呟く
『我が主には必要が無いか・・・先に全部終わらせている』
シリウスが真剣に言う
『バルドル、ここに来ていたのですね・・・ここの南の海底に天空の城が有ります』
エスカが現れて石板の文字を真剣に見ている
『ここに封印されている、大いなる遺産って何かな?』
マルスが真剣に聞く
『ここには、エスカフリーダムの場所を示した地図と、飛空艇工房の場所の地図が有ります』
エスカが真剣に言う
『我が主には不要だな』
シリウスが呟く
『あ! 我が主様は、既に飛空艇作ってます! 必要無いです』
エスカが飛び回りながら言う
『マルス師匠、飛空艇工房って、護りの水晶の有った場所ですか?』
エミールが真剣に聞く
『あ!! そうです!! ここを訪れたら、護りの水晶の場所を示すためです』
エスカが驚きながら言う
『とんだドジだ!! 何が天才だ!! 我が主が天才過ぎるが、もっと考えろ!!』
シリウスが怒鳴り、ブウブツ言っていると、エスカが笑いながら飛び回っている
『あれは・・・幽霊・・・精霊様?』
長老達がマルスの後ろ姿を見ながら呟く
『あ!! 内緒にしてくださいね』
マルスが笑顔で言うと、長老達が唖然としている




