シルバー
騎士達がマルスの戦いを見て震えている
『セレスバイン様、これが人間の動きですか?』
騎士が青ざめながら聞く
『アントの大群を完全殲滅した戦いを見たが、1人で一軍を全滅させるとは・・・』
セレスバインが真剣に見据えながら言う
『改めて、リベリアの英雄様を称えたいと思います』
『無理だな。秘密にする事を約束したから・・・称えられる事を嫌っている』
セレスバインが苦笑いして言う
『は! 何故!! あ! 秘密にして・・・そう言う意味ですか・・・』
騎士が思い出して、苦笑いする
『永代に言い伝える事しか出来ないが、国が救われた』
セレスバインが真剣に言うと、城壁を降りて、マルスの元に向かう
大きな狼が目を覚ます
『何故、殺さない・・・それに魔道具を破壊するとは・・・』
大きな狼は、折られた魔道具を見ている
『魔道具は無くなったから、もう一度戦う?』
マルスが笑顔で言う
『戦う・・・勝てないが・・・我を殺して、毛皮売ると良い・・・一族は助けてほしい』
大きな狼が周囲を見て言う
『戦わないの?』
『従属する』
大きな狼は寝転び言う
『じゃあ、友達になってね、人を襲ったら、狩るけどね』
マルスが笑顔で言う
『わかった、一族には伝える・・・友達?』
『従属するのでしょ』
マルスが笑顔で言う
『一族の為なら何でもしよう』
大きな狼が真剣に言う
『名前は?』
『我に名は無い』
『シルバーでどうかな?』
マルスが毛並みを見て言う
『シルバーで良い』
大きな狼が言う
『背中に乗せてね』
マルスが笑顔で言うと、シルバーの背中に乗り、集められている兵士の元に向かい、狼達が後を追って歩いてくる
セレスバインがやってくると、苦笑いしてある
『セレスバインさん、後始末よろしく、従魔の肉少しこの子達にあげてね』
マルスが笑顔で言う
『何故従魔に乗っているのですか?』
セレスバインが苦笑いしながら言う
『友達になったよ! シルバーだよ』
マルスが笑顔で言う
『人間、シルバーだ!』
シルバーが言う
『狼が喋った!!』
セレスバインが驚いて声を挙げると、騎士達が唖然としている
『これが普通の反応だな』
シルバーが真剣に言う
『慣れてないからね』
マルスが笑顔で言うと、ベアーズ号が着陸する
『マルス師匠、これからどうしますか? お仕置きで良いですか?』
カミラが真剣に聞く
『英雄騎士隊暇そうだから、ストレス発散して貰おうかな?』
マルスがベアーズ号を見ながら言う
『回復魔法頑張ります』
カミラが笑顔で言うと、狼を見ている
『マルス師匠大きな狼ですね』
エミールが笑顔で言う
『シルバーだよ』
『シルバーだ!』
シルバーが挨拶をする
『シルバーちゃんよろしくね』
エミールが笑顔で言うと、狼を触り始める
『全く動じない』
シルバーが呟く
『もう慣れました! マルス師匠に従属している魔獣多いですから』
エレーヌが笑顔で言って、もふもふしている
マルスとエミールは、グゼリオンス王国兵士の周囲に岩の壁を作り終わると、英雄騎士隊隊員が兵士達を次々と滅多打ちにして、カミラが回復魔法で回復している
オルガーとイースとオリスがやってくる
『獣人達の状況で解っている事は、有りますか?』
マルスが真剣にセレスバインに聞く
『詳しい状況はわからないが、ここまでグゼリオンス王国軍が来たからには、かなりの苦戦をしていると思う』
セレスバインが、オルガーを見ながら言う
『どうしたら・・・』
オルガーが考え始める
『準備をしたら、道案内よろしくね』
マルスが笑顔で言う
『え!マルス師匠、宜しいのですか? 山深く飛空艇着陸する場所など有りませんが・・・』
オルガーが真剣に言う
『足は有るからね』
マルスが、シルバー達を見ている
『狼の足なら行けます』
オルガーが真剣に言う
『セレスバインさん、馬を22匹用意して貰っても良いですか?』
マルスが笑顔で聞く
『勿論です! すぐに用意させます』
セレスバインが真剣に言う
『お仕置きが終わったら、出発しよう』
マルスが笑顔で言う
『馬具用意しますね』
エミールが微笑みながら言う
『狼の分も作らないとね! 食料を考えると、馬車も必要か』
マルスが真剣に言う
『預かっている馬車を出してきて貰います。それに騎士団も準備出来次第、出撃させます』
セレスバインが笑顔で言う
『国境の守備も必要ですね、通り道に獲物がいたら、後始末御願いします』
マルスが笑顔で言う
『後始末は任せてください』
セレスバインが笑顔で言う
『マルス師匠、面倒事全部押し付けましょうね』
エミールが笑顔で言う
『あの捕虜も面倒だからね』
マルスが笑顔で言う
『一軍全部捕虜・・・戦いよりは、良いか』
セレスバインが真剣に考えて呟く
『セレスバイン殿下、処分も大変な事になります』
騎士が青ざめながら言う
『このぐらいの苦労等、民が守れたのだから、良いではないか!』
セレスバインが笑顔で言うと、マルス達が笑い始める




