アーメルドの1日
領主の館を出て、宿屋に向かう
『シルトバスは、とんでもない相手を怒らせたものですね』
リーベルが呟くと
『嫌がらせぐらいなら許したのにね』
『どうなるのかな?献上まで止めたのはやりすぎかな?』
『完全に悪のりだね』
『この際だから、ミリアに手が出せないようにしたかっただけ』
『本当に怖い相手に手を出しましたね』
キリシアとリリシャの会話に、リーベルは苦笑いしながら言うと
『手を出した方が悪い』
『あの・・・師匠達は何者なのですか?』
ミリアが言うと
『ただの冒険者だよ』
『冒険者がシルトバス家を敵に回して、勝てるわけ無いですよね』
『ミリアさん、この人達はただの冒険者ですが、魔石を回す相手を決められます。よって、シルトバスはこの人達の魔石を受け取れなくなります。したがって、シルトバスは魔道具を作れなくなりました』
『冒険者は沢山いますよね?』
『冒険者がいても、下層に行けるのは殆どいないですよ』
『え?いないのですか?』
『この一年で中魔石を持って帰っているのは、リベリアでは私達だけ』
『だけど、この頃沢山出回っていますよね』
『1日に200個ぐらい持ち帰るからだよね』
『えーーー』
ミリアは固まり、リーベルは頭を押さえる
『常識は、捨てて話さないといけなそうですね』
『先生と同じことを言っていますね』
リリシャが言うと
『わかりました。フローネ師匠の気持ちが・・・・』
『ミリア、凄い師匠に教えてもらえる事を幸せに思いなさい。シルトバスももう手出しは出来ませんから安心して修行しなさい』
『ありがとうございます』
リーベルと別れて宿屋に向かう
『ミリア、魔力制御を始めましょうか?』
『わかりました』
『魔力をこんな感じで動かして』
マルスは手本をみせる
『え?魔力がいろんな所に動いていく』
『制御を完全に出来ればやれるようになります』
『わかりました。やります』
ミリアは魔力の制御を始める
翌朝、ギルドに行く
ギルドに入り、掲示板を確認し始める
『良さげな依頼無いね』
『そうだね』
カウンターに行き
『こんにちは』
『こんにちは、どのようなご用件でしょうか?』
『ミリアの冒険者登録をしたいのですが』
『よろしくお願いします』
ミリアが言うと
『何歳ですか?』
『13歳です』
『未成年ですか、未成年の登録は出来ません』
『やはりダメですか?』
『冒険者は危険が伴います』
『私達の弟子で一緒に行動しますので、それでもダメでしょうか?』
『若いパーティーですので、守れないでしょうからダメです』
『やはり、リベリアに戻ってからにしましょう』
『リベリア?リベリアから来たのですか?』
『リベリアには数日後には帰ります』
『ギルドカードの提示をお願いします』
リリシャとキリシアがギルドカードを提示をする
『シルバーランク!』
『ギルドマスターに聞いてきます』
奥に職員は向かい、ギルドマスターと一緒に帰ってくる
『この子の冒険者登録ですね』
『よろしくお願いします』
『師匠はどちらになりますか?』
『私とマルスです』
『成人するまでは師匠と一緒に行動する事が条件となりますが、よろしいですか?』
『勿論、迷宮や依頼は一緒に行動します。逆に置いては行けないので』
『わかりました。師匠同伴の限定でギルドカードを作成します』
『ギルドマスター、ありがとうございます』
『昨日の件、通達を出す準備は出来ていますが、直ぐに出しますか?』
『伯爵次第だね』
『何度も通達出すのは良くないですからね』
『面倒だし、伯爵は悪い人じゃないからね』
『伯爵ではなくて、他の誰かが指示したと見ているのですね』
『そうだね。伯爵ならば、こうなることも予想して次の対策もしていそうだからね。例えば、私達を盗賊だとアーメルドに先に言ってくるとか、盗賊の討伐に追ってきたとか』
『確かに大義を作っておきますね』
『どこの馬鹿かは伯爵がきたら直ぐに解るけどね』
『また伯爵がきたらお会いしましょう』
ギルドマスターは奥に戻る
仕立屋に寄り、中に入ると店員がいる
『いらっしゃいませ』
『今日は、少し服を見せてもらいますね』
『どうぞ、仕立も出来ます』
『ありがとう』
リリシャとキリシアはいろいろ服を見て回る。エミールはリリシャについて後ろを歩いている
『あの・・・師匠』
『ミリア、どうしたの?』
『私はお金を持っていないので、外で待っていてもよろしいですか?』
『迷宮に潜る時用の服、持っている?』
『いえ・・・持っていないです』
『リリシャ』
『マルス、何?』
『ミリアの着替えと迷宮用の服を見繕ってもらっても良いかな?』
『ミリアの?あ!着替えまだ持ってなかった?』
『手荷物しか無いので・・・』
『迷宮用はズボンの方が良いよね』
キリシアが言いながら探し始めると
『普段着はワンピースかな?』
リリシャも探し始める
ミリアはオロオロしながらマルスを見て
『高そうですが、よろしいのですか?』
『気にしないで、2人に任せて大丈夫だよ』
ミリアはリリシャに呼ばれてリリシャの方に行く
『わ、私もほしいです。マルス師匠』
エミールが耳元で言う
『ローブの下に着る服で良いのかな?』
『はい!』
マルスの手を取ってリリシャの所に行く
『エミールもローブの下に着る服がほしいって!』
微笑みながら
『エミールに似合うのは・・・』
キリシアがルメイルに
『ルメイルも必要な服があれば選んでね』
『わかりました』
服を選び終えて購入後
『オルクス、ローブの方はどうですか?』
『順調です!良い出来になります』
『どのぐらいで出来るのかな?』
『後3日です』
『わかった。あと、追加で魔石と鉱石預けておいた方が良いかな?』
『預けて頂けるのであれば預かります』
魔石と鉱石を渡して帰る




