エリスナ
ガベラス王国兵士が到着すると、伯爵の処分を伝え、出発する準備をしている
『リベリアの英雄様、全ての事は伺いました』
騎士とポニーテールの女性がやってくる
『どうするつもりですか？』
メトリシアが真剣に聞く
『民を守る為に、町に残ります。』
騎士が真剣に言う
『私は・・・御一緒させて貰えませんか？ 民の暮らしも、状況も知りませんでした。王家を打倒する事が民の為になると聞いてましたが、今回の事で本当の事を全く知らず・・・お願いいたします！ 民を知る為に同行を！！』
ポニーテールの女性が真剣に言う
『秘密は守れますか？』
メトリシアが真剣に聞く
『はい！ 何があろうとも、秘密や約束は守ります！ この剣にかけて！』
ポニーテールの女性が真剣に言う
『師匠、どうしますか？』
メトリシアがマルスとリリシャとキリシアを見て言う
『面倒だけど、根性と約束を守れそう』
キリシアが真剣に言う
『反逆者の一族になりましたので、ここに居たら処刑対象ですから、良いですよ』
リリシャが微笑みながら言う
『エリスナさん、同行を許可します』
マルスが笑顔で言う
『はい！よろしくお願いいたします』
エリスナが笑顔で言う
『ただし、マルス師匠に近付いたら、許しません』
メトリシアが睨みながら言う
『え！ 畏まりました』
エリスナが驚いて言うと、みんな笑い始める
シルフィード号に乗り込み、シルフィード号が上昇を始める
『浮き上がった・・・』
エリスナが呟く
『直ぐに国境付近に到着します。それまでは、食堂で待っていてください』
メトリシアが真剣に言うと、食堂に向かい座りながら外を見ている
『こちらをどうぞ』
メリアが微笑みながら焼き菓子を置く
『ありがとうございます・・・え！ メリア！！』
エリスナが大声をあげる
『聞きましたけど、マルス様に斬りかかるなんて、エリスナですね』
メリアが笑顔で言う
『何故ここに！！ え！ リベリアの英雄様と一緒に！！』
エリスナが驚いて立ち上がり言う
『もっと視野を拡げてくださいね、マルス様に養って貰いながら、世界の出来事を色々聞いて、本当に何も知らず暮らしていたか、解りました。リベリアの英雄様は世界中で、英雄と歌われながら、名前も教えず、称える事もさせない、領地も受け取らない、本物の伝承に伝えられる英雄様です』
メリアが真剣に言う
『メリア、もしかして・・・マルス様を好きなのですか？』
エリスナが真剣に目を見て聞く
『え！ それはーーー！ もうエリスナ！！』
メリアが焦っていると、仲良く話している
『マルス師匠、あそこの村に従魔が！！』
エビリアが双眼鏡で見ながら言う
『叩き潰すよ』
キリシアが真剣に言う
『４匹ですね』
リリシャが見ながら言うと、マルスとキリシアが外に向かい、シルフィード号が降下始める
キリシアがマルスに抱き付くと、シルフィード号を飛び降りる。目の前では、数人の人が必死に走っていると、従魔が追い掛けるように走り始め、１人の少女に噛み付こうとしている
『ぎゃーーー！』
従魔の頭にマルスが着陸すると、キリシアが従魔の方に走り始める
『ウエイト』
マルスが下にいる従魔に使うと、地面に倒れる
『大丈夫かな？』
マルスが笑顔で少女に聞く
『え？ 何・・・うぇーーーん』
少女が恐怖に泣き始める
『グォーーーー！』
従魔が咆哮を上げて、立ち上がろうとする
『ポイズン』
『ギャァーーーーー』
従魔が叫び倒れる
キリシアは、走りながら、従魔に近付くと、槍で両断する
『何者だーー！ 我が従魔を！！』
従魔に乗った男が怒鳴る
『グゼリオンス王国従魔師団？』
キリシアが微笑みながら聞く
『エサが何を！！食い殺せ』
男が怒鳴ると、豹の従魔がキリシアに噛み付きにくる。キリシアは槍で凪払い両断して、従魔が転がると、槍で男が乗っている従魔の頭を槍で貫く
『馬鹿な！！ グゼリオンス王国に逆らってただで済むと思うなよ！！ お前達やれーー』
男が叫び男が逃げようとする
『逃がさないよ』
キリシアが笑顔で回り込み槍で凪払い、腕を砕き男弾き飛ばされる
『なんとかしろーー！お前達エサにされたいか！！』
男が叫び、住民達が戸惑っている
『誰のエサかな？ 残っている従魔いるかな？ いたら早く呼んでね！ つまらないから』
キリシアが大声に言う
『息子の仇ーーー！』
男が叫びながら殴りかかると、他の住民達も次々と殴りかかる
シルフィード号が着陸すると、カミラとエリスナが降りてくる
『マルス師匠、何が？』
カミラが真剣に聞く
『従魔にこの子を食べさせる遊びをしていたみたいだね』
マルスが泣き止んだ少女を見ている
『従魔に食べさせる・・・本当に』
エリスナが震える声で言う
『村人に聞けば解るよ』
マルスが真剣に言うと、キリシアの所にいく
『マルス、こいつの処分どうしよう』
キリシアが従魔使いを指差している
『ギリギリ生きているのか・・・エリスナどうするか決めてね』
マルスが真剣に言うと、エリスナが出来事を聞いて、怒りに震えながら、涙を浮かべている
『この手で手打ちにしたい・・・父のした事は、民を見捨てること・・・』
エリスナが涙を流しながら言う
『村長さんに任せますね』
マルスが笑顔で言う
『助けて貰いましたが・・・処刑する権限は有りません』
村長が真剣に言う
『私達は来なかった事で！ 村人達が撃退したことにしておいてね』
キリシアが笑顔で言う
『え？ 自分達で撃退？ しかし、それでは・・・』
村長が驚いている
『従魔の毛皮、結構な値段になるかな？再建には必要ですね！ それでは』
マルスが笑顔で言うと歩き始めると、村人達は祈るように手を合わせて、見送っている
『マルス様、どうして任せたのですか？』
エリスナが真剣に聞く
『面倒だから！ もし自分達が処刑させても、ガベラス王国に報告も必要だからね！ それに倒した従魔を処分しても面倒だけど、村人が撃退したなら、従魔を処分してくれて、村の再建にも使えるからね』
マルスが笑顔で言う
『村の再建に・・・』
エリスナが考え始める
『畑荒れていましたね、食料も少ないでしょう・・・従魔を食べれば、暫くの食料にも、毛皮を売って、再建の資金にもなります』
メリアが真剣に言う
『あ！ でも英雄様達が称えられません・・・あ！！ だから英雄様なのですね！』
エリスナが大声を出す
